2026年現在、福岡市のマンション市場価格の高騰は普通の会社員にはついてけないレベルに達しようとしています。私が最初にマンションを買った15年前の2011年、東日本大震災の余波の中で静かに推移していた当時の相場を知る者にとって、今の「1億円」が当たり前に飛び交う光景は、もはや別の都市の出来事のように映ります。
この15年で福岡に何が起きたのか、そしてなぜ「地方都市・福岡」の価格がこれほどまでに高騰したのか、その正体を考えてみます。
15年前との「衝撃の価格差」を読み解く
2011年当時の福岡市における新築マンション(70㎡)の平均価格は、おおよそ3,000万円から3,500万円の範囲に収まっていました。当時は、福岡に勤める会社員の手取り年収の5〜6倍もあれば、地下鉄空港線の人気駅周辺で新築の3LDKを手に入れることが可能だったのです。実際この年、地下鉄空港線姪浜駅から徒歩10分圏内の85㎡のマンションを3000万円台で買いました。
しかし、2026年の最新データが示す現実は、その常識を根底から覆しています。
エリア別の変貌:2倍から4倍への飛躍
2011年に約5,000~6000万円も出せば買えていた赤坂・大濠公園エリアは、現在1億2,700万円という異次元の領域に達しています。上昇率は約2.3倍、もはや一般的な給与所得層が住める場所ではなく、富裕層や投資家の「資産防衛」のための場所へと変貌しました。
15年前、まだ延伸工事の真っただ中だった七隈線沿線は、今や最大の急上昇エリアです。六本松(9,110万円)や別府(8,050万円)の価格は、当時の空港線主要駅をも凌駕しています。また、当時は再開発途上だった千早(6,350万円)も、上昇率で見れば当時の約2.5倍以上に跳ね上がっており、かつての「手頃なニュータウン」のイメージは払拭されました。また、九州大学旧箱崎キャンパスの再開発による街開きもあり、東区の復権はまだ続くとみられます。
■ 地下鉄 空港線(最も資産価値が高い路線)
利便性の高さから、70㎡で「1億円」が射程圏内に入る駅が複数あります。
| 駅名 | 70㎡換算価格 | 坪単価目安 | 概況 |
| 赤坂 | 1億2700万円〜 | 567万円〜 | 天神へ徒歩圏内。富裕層・投資家向け。 |
| 大濠公園 | 1億2700万円〜 | 567万円〜 | 圧倒的なブランド力。供給自体が希少。 |
| 西新 | 9,110万円〜 | 430万円〜 | 文教地区の頂点。タワー物件も。 |
| 博多 | 9,530万円〜 | 450万円〜 | 再開発で急騰。呉服町にかけて新築も |
| 姪浜 | 6,780万円〜 | 320万円〜 | 始発駅の利便性でファミリーに根強い。 |
■ 地下鉄 七隈線(延伸により急上昇中の路線)
天神南〜博多の延伸以降、沿線全体の底上げが続いています。
| 駅名 | 70㎡換算価格 | 坪単価目安 | 概況 |
| 薬院 | 1億590万円〜 | 500万円〜 | 中央区屈指の人気。利便性は空港線並み。 |
| 六本松 | 9,110万円〜 | 430万円〜 | 九州大跡地の開発、七隈線延伸効果。 |
| 別府 | 8,050万円〜 | 380万円〜 | 六本松まで徒歩圏内。中央隣接。 |
| 橋本 | 5,930万円〜 | 280万円〜 | 駅前に大型物件。大型商業施設も。 |
■ 西鉄 天神大牟田線(利便性と価格のバランス)
急行・特急停車駅を中心に価格形成されています。
| 駅名 | 70㎡換算価格 | 坪単価目安 | 概況 |
| 西鉄平尾 | 9,950万円〜 | 470万円〜 | コンパクト・ファミリー共に高単価。 |
| 大橋 | 6,780万円〜 | 320万円〜 | 特急停車駅。南区の中核として堅調。 |
| 春日原 | 5,720万円〜 | 270万円〜 | 高架化・駅舎新設で人気再燃の注目駅。 |
■ JR 鹿児島本線(広域アクセスの拠点)
東部・南部の拠点駅は、市中心部を避ける実需層の受け皿となっています。
| 駅名 | 70㎡換算価格 | 坪単価目安 | 概況 |
| 千早 | 6,350万円〜 | 300万円〜 | 街並みが整っており、中古相場も高い。 |
| 箱崎 | 7,830万円〜 | 370万円〜 | 広大な九州大跡地の再開発。 |
| 吉塚 | 6,560万円〜 | 310万円〜 | 県庁・博多駅への近さで需要過多。 |
■ その他
アイランドシティ 6,350万円 坪単価300万円~ 整備された街並み。タワーが林立。買える価格で充実の共用施設なぜ「地方都市・福岡」がここまで上がったのか?

ブリリアタワー西新
全国的に建築資材費や人件費が高騰しているのは共通の要因ですが、福岡にはそれだけではない「独自の高騰要因」が存在します。
① 2040年まで続く「最強の需要」
日本全体が人口減少に震える中、福岡市は2040年頃まで人口増加が続くと予測される、国内でも極めて稀な都市です。
九州全域から「働く場所」と「手ごろな都会」、「大学進学」を求めて若者が集まり続けています。特に単身・共働き世帯が急増しており、世帯数は2020年の約83万世帯から、2050年には約118万世帯にまで増えると推計されています。この「家を必要とする人の数」自体が増え続けていることが、価格を支える最強の防波堤となり、同時に九州からの人口流出を食い止める役割も果たしています。
② 再開発による「都市格」の強制アップデート
「天神ビッグバン」や「博多コネクティッド」による規制緩和は、単に古いビルが新しくなる以上のインパクトをもたらしました。
オフィス供給の増加により、高賃金なIT企業や外資系企業の集積が進みました。これにより、その周辺に住もうとする層の購買力自体が引き上げられ、結果としてマンションの分譲単価も「高価格でなければ採算が合わない」水準まで押し上げられたのです。
③ 地価の「三つ巴」争奪戦
福岡は「職・住・遊」が徒歩圏内に凝縮されたコンパクトシティですが、その裏返しとして中心部の土地は極めて限定的です。
マンションデベロッパーだけでなく、オフィス需要、そしてインバウンド回復による需要増やコンサート需要を見込んだホテル業者が、同じ狭い土地を奪い合っています。2025年(令和7年)3月に国土交通省から発表された「公示地価」において、令和7年の公示地価では、福岡市の住宅地は前年比+9.0%の上昇を記録し、政令指定都市および県庁所在地の中で2年連続の全国1位となりました。地価の爆発的な上昇がそのまま分譲価格に転嫁されています。
④ 「投資対象」としての地位確立
15年前、福岡のマンションは「住むための実需」がメインでした。しかし今は、東京やアジア圏の投資家から「投資適地」として認知されています。東京のマンションが高騰しすぎた結果、相対的に割安(かつ利回りが安定している)な福岡へ投資マネーが流れ込みがあるとも言います。
地元の居住者の年収とは無関係に、投資から逆算された高い販売価格が設定されるようになったのです。
「管理」も競争が求められる時代へ
15年前の「安かった時代」に建てられた物件でも、今や当時の分譲価格以上で取引されるのが当たり前になっています。しかし、すべての物件がそうなるとは限りません。 今、私が住んでいるマンションもそうなのですが「15年前の価格の2倍、3倍」という現状は、裏を返せば、これからの15年でその価値を維持できるかどうかのハードルも上がっていることを意味します。
立地、適切な修繕、コミュニティの質の維持、そして高価格帯物件に見合った「管理の品格」を保てるかどうか。これこそが、将来の売却や買い替えの成否を分ける決定打となります。
2026年、福岡に住むということ

百道浜地区の築20~30年マンションも価値が下がっていません
今回のデータが突きつけた現実は、福岡がもはや「安いから住みやすい地方都市」ではなく、「高いコストを払ってでも住む価値がある、選ばれた都市」へと脱皮したことを物語っています。
70㎡で1億円という数字は、単なるバブルの産物ではなく、人口動態、再開発、そして世界的なインフレと投資マネーが複雑に絡み合って導き出されたものだと言えます。
これからは、より高いコストを払ってでも住む価値がある「マンション」を選び、維持していかなければ、資産として劣後していく。そんな全国的なシビアな流れが、ここ福岡でも日常になろうとしています。
[スムラボ編集部より] 本ブログ記事の情報は投稿日時点のものです。現在の販売情報は物件公式サイトをご参照下さい。
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