泉パークタウン等 (仙台市北部圏に属し、およそ50年以上にわたり、今もなお開発が続いている国内最大級のニュータウン)【トミー】

Contents

はじめに

  • 本稿は、仙台市北部圏について、三菱地所グループ等が展開している泉パークタウンを中心に紹介するものであります。
  • 用地取得が開始されたのは、1969年 (昭和44年)、開発1期である高森の造成開始が1972年、供用開始 (まちびらき) が1974年とされていますので、その歴史は、50年余りを数えます。
  • この間、ニュータウンとして見事に発展成長し、住宅、商業、教育、業務、体育、宿泊、医療・福祉施設を備えています。すなわち、単に「住む」だけに特化されることなく、楽しむ、学ぶ、働く、安らぐ、安心等を兼ね備えた、複合用途型の開発が行われています (後記のゾーニングを参照)。
  • 住宅の観点では、戸建が圧倒的に多く分譲されているエリアになりますが、分譲マンション、賃貸マンション、シニア向けマンション、学生マンション等も供給されています。
  • 本稿では、建物の視点を中心として、進めていきますが、直接的な新築分譲マンションを紹介するものでない事をご容赦頂きたく存じます。
 

全体的な事業内容について

概要

  • 総開発面積:約1,070ha ( = 約11km2)
→ 東京都千代田区程度の広さ

(おおよその開発範囲)

  • 人口:25,231人
  • 世帯数:10,514世帯 (2022年4月1日時点)
  • 事業主:三菱地所グループ
 

仙台駅との位置関係



 

ゾーニング

位置図



 

まちづくり

各ゾーン
大きくは、
  • 居住
  • スポーツ・レクリエーション
  • 工業
  • タウンセンター
に大別されます。

 
方針等
  • 街全体の緑地率を、30%以上としており、一つ一つの空間が大きいことも加わり、それらが心のゆとりをもたらしてくれます。
  • 春夏秋冬で、異なる色を出しています。訪れる時々で、日本らしさを再考するきっかけにもなります。
 

戸建住宅等の開発

各住区とその供用時期の位置図



 

開発の流れ

  • 第1住区:桂、約110ha、開発4期 (1991年供用開始)
  • 第2住区:高森東、約98ha、開発3期 (1985年供用開始)
  • 第3住区:高森西、約102ha、開発1期 (1974年供用開始)
  • 第4住区:寺岡、約161ha、開発2期 (1980年供用開始)
  • 第5住区:紫山、約148ha、開発5期 (1997年供用開始)
  • 第6住区:(約148ha)、開発6期
 

街並みの一例





 

2022年からの供用開始は、第6住区東工 (住) 区の朝日地区

  • 第6住区は、本事業の最後の開発地になります。
  • 2022年から戸建分譲の予定がされているのは、東住区にあたる朝日地区となっています。
 

朝日地区の概要

  • 開発面積:481,194m2
  • 住宅の用途:戸建住宅 (721区画)
  • 事業主: 三菱地所、パナソニックホームズ、関電不動産開発
 

第6住区

概要
  • 開発面積:およそ1,482,700m2
  • 用途:宅地、道路、公園、緑地、その他
  • 計画人口:7,920人 (4人 / 戸)
  • 区画数:約1,980戸
(東住区: 約690戸、西住区: 約810戸、中央住区: 約350戸、店舗可能住宅: 約130戸)
  • 土地の利用計画:
宅地: 約581,300m2 (約39%)

道路: 約264,200m2 (約18%)

公園: 約44,500m2 (約3%)

緑地: 約520,300m2 (約35%)

他 (調整池、農地用ため池、等): 約72,400m2 (約5%)

 
基本方針
  • 低炭素社会・循環型社会の形成に寄与するソリューションやサービスを導入することで、新しい暮らしを提案すること
  • 暮らしの中でのアイデアとテクノロジーにより、全国の郊外居住地域が抱える社会課題を解決するモデルを提案する街
 

スマートシティの推進

  • 当該住区における最も代表的な特徴は、スマートシティの推進にあります。
  • 国土交通省では、立地適正化計画の制度化によるコンパクトシティの推進など多種多様な都市政策を進めていますが、それらの重点的柱の一つにスマートシティがあります。現在は、IoT、人工知能 (AI)、ロボット、ビッグデータ等に代表される新技術の開発が進んでいますが、都市開発分野においても、これらの技術を積極的かつ前向きに利活用し、都市の課題解決を図ろうとするものです。
  • 同省都市局では、スマートシティの定義を、「都市の抱える諸課題に対して、ICT等の新技術を活用しつつ、マネジメント (計画、整備、管理・運営等) が行われ、全体最適化が図られる持続可能な都市または地区」 としています。
  • 資金とノウハウのサポートが行われており、現在では、27地区の先行モデルプロジェクト、および重点事業化プロジェクトとして9地区が進められています。
  • 仙台市泉区は、重点事業化プロジェクトの一つとして選定され、スマートシティの実現化に向けた実証実験等が始まっています。
  • エネルギー、交通・物流、安心・安全等に代表される6つの柱を課題として、取り組みが行われています。

(国土交通省より引用)


 
  • 例えば、交通の分野においては、バスにおける乗降場所での人数カウントや、乗車と降車のデータについて、顔認証技術を用いた実証実験が行われています。
  • また、多世代コミュニティ型地域ケア施設を作り (2023年開業予定)、ウェルネス施設の機能検討を図ろうとしています。
  • さらには、住民主導のタウンマネジメント組織 (LID) を設立し、住民主体のタウンマネジメント機能が検討され、
  • 加えて、コミュニティ都市OSとして、コミュニケーションや手続きのデジタル化を推進するためのコミュニティ都市OSプロトタイプが実証されます。
  • 少なくとも2025年までは、これらの実装ないしは部分実装が続く計画が予定されています。街の将来性という観点では、高い期待がされますが、即効的な落ち着いた環境を求めるのであれば、寛容な気持ちが必要かもしれません。

(将来像、国土交通省より引用)


 

あおぞらチャージサービス with シンプルeでんき

  • 太陽光発電設備と蓄電池が、初期費用を負担せず、設置できるサービスが導入される見込みです。
  • 第6住区東工区の事業主として、パナソニックホームズと関電不動産開発が加わったのは、特にこのサービスのための技術協力が、関与しているものと思われます。
  • 日中は、太陽光発電による電気を使用し、日中分のストックが出れば蓄電され、夜間での使用が可能になります。また、停電時にも対応が可能との事です。
 

PARK WOOD 高森

  • 木造と鉄骨造を併用したマンションです。
 

物件の概要

  • 用途: 賃貸住宅
  • 総戸数: 39戸
  • 規模、構造:木造 (CLT床・耐震壁、燃エンウッド) + 鉄骨造、地上10階建
  • 専有面積: 51.74m2 – 89.46m2
  • 賃料: 93,000円 – 141,000円
  • 竣工日: 2019年2月
  • 施工会社: 竹中工務店
 

竣工写真



 

主な特徴

CLT (Cross Laminated Timber): 木質系材料

  • 1995年頃からオーストラリアを中心に発展してきた新しい構造材であり、日本においては2010年頃から本格スタートしたようです。
  • 1-5階では耐震壁として、4-10階では床材 (1-3階は、RC床) として使用されています。
 

CLTを使用することで、、、

  1. 工期短縮 (RC造と比して、約3ヶ月)
  2. 軽量化
  3. 耐火被覆やトップコンクリートで床を覆うことにより床の遮音性能
  4. 耐震壁としての機能を維持しながら、せっこう系SL材で被覆することにより、耐燃焼性 (2時間耐火性能) を実現
 

木材ならではの、、、

  • 木材ですので、経年による、その乾燥収縮や変形が気になるところですが、これらはモニタリングされているようです。
 

おまけ (仙台市における木造と鉄骨を併用した建物)

荒井地区

  • 仙台市内では、平成28年度に (仮称) 仙台市若林区荒井西タウン計画として、国土交通省によるサステナブル建築物等先導事業 (木造先導型) として採択された、コペルハウス株式会社による建築物は、国内初の大型中層プロジェクトとなりました。
  • 1階をRC造、2-5階を枠組壁工法 (1時間耐火構造) とCLT床版 (1時間耐火) を用い、建物全体の安全性および2 (あるいは1) 時間耐火建築物を実現しました。
  • 当該計画の5区画の共同住宅等のうち、1区画に採用されました。

(仙台市公式ウェブサイトより引用)


 

(仮称) 仙台国分町プロジェクト

物件概要
  • 地上10階、地下1階建の高機能オフィスビルが、建設されます。
  • 用途: 事務所、店舗、駐車場
  • 施工は、パークウッド高森と同じく、竹中工務店が担い、燃エンウッド (耐火集成材) が採用されます。
  • 竣工は、2023年が予定されています。

(仙台市公式ウェブサイトより引用)


(仙台市公式ウェブサイトより引用)


(プレスリリースより引用)


 
燃エンウッド (耐火集成材)
  • 国土交通大臣が、耐火構造を認定した技術になります。
  • 大きな特徴は、あらわし (耐火被覆がない状態) で、その機能が発揮される事にあります。
 

(プレスリリースより引用)


 

所感

  • 前記のような取り組みは、建築自体のメリットに加えて、地元材料の使用による資材循環が図られること、二酸化炭素の削減、環境を意識した啓発等も期待できるため、今後の積極的な技術の運用、さらなる効率面や費用面などでの技術開発が期待されます。
 

介護付住宅、学生マンション

位置図



 

エバーグリーンシティ寺岡

  • 株式会社松田会、地上13階建、総戸数214戸
  • 2007年3月開設
  • 主たる用途:住宅型有料老人ホーム
  • 規模、構造:鉄筋コンクリート造、免震構造
  • 住居の権利形態:利用権


 

エバーグリーンシティ高森

  • 株式会社松田会、地上17階建、総戸数219戸
  • 2016年3月開設
  • 主たる用途:住宅型有料老人ホーム
  • 規模、構造:鉄筋コンクリート造、免震構造
  • 住居の権利形態:利用権


 

附帯サービス

  • 医療法人松田会との連携、看護師24時間常駐
  • 多彩な共用施設:レストラン、ゲストルーム、温泉、プール、卓球場、フィットネスジム、麻雀、シアタールーム、集会スペース
 

ベアレス泉高森パーク

  • 2020年1月に竣工した、116部屋、地上6階建の学生マンションです。
  • 食事付である事に加えて、家具家電付の部屋、女性専用フロアが用意されているなど、多様性に富んだユニークなマンションです。

(左側)


 

分譲マンション

  • 高森地区と桂地区に集中しています。これまでには、およそ1,500戸が供給されています。
 

位置図



 

A. 高森パークハウス

泉区高森
  • 壱番館: 1990年3月竣工、地上6階地下1階建、総戸数41戸
  • 弐番館: 1991年3月竣工、地上7階建、総戸数48戸
  • 参番館: 1992年3月竣工、地上11階地下1階建、総戸数43戸




 

B. 桂パークハウス西街区

泉区桂
  • 壱番館: 1993年3月築、地上3階建、総戸数24戸
  • 弐番館: 1993年3月築、地上3階建、総戸数18戸
  • 参番館: 1993年12月築、地上3階建、総戸数24戸
  • 四番館: 1993年11月築、地上6階建、総戸数54戸
  • 五番館: 1995年3月築、地上6階建、総戸数24戸
  • 六番館: 1995年3月築、地上3階建、総戸数18戸
  • 七番館: 1995年3月築、地上3階建、総戸数15戸


 

 

C. 桂パークハウス東街区

泉区桂
  • 壱番館: 1996年3月築、地上3階建、総戸数23戸
  • 弐番館: 1996年3月築、地上6階建、総戸数-戸
  • 参番館: 1997年3月築、地上13階建、総戸数47戸
  • 四番館: 1997年7月築、地上6階建、総戸数58戸
  • 五番館: 1998年3月築、地上3階建、総戸数24戸
  • 六番館: 1998年10月築、地上12階建、総戸数46戸




 

D. 桂パークハウスガーデンビュー

泉区桂
  • 1st コート: 2000年1月竣工、地上10階建、総戸数57戸
  • 2nd コート: 2000年10月竣工、地上10階建、総戸数57戸
  • 3rd コート: 2001年6月竣工、地上14階建、総戸数82戸


 

E. パークハウス高森六丁目

泉区高森、2001年3月竣工、地上3階建、総戸数33戸



 

F. 桂パークハウスフェリシア

泉区桂
  • ウエスト: 2002年10月竣工、地上14階建、総戸数100戸
  • イースト: 2003年7月竣工、地上14階建、総戸数78戸


 

G. パークハウス高森ガーデン

泉区高森
  • ウエストレジデンス: 2004年2月築、地上7階建、総戸数108戸
  • サウスレジデンス: 2004年2月築、地上7階建、総戸数108戸
  • イーストレジデンス: 2004年2月築、地上7階建、総戸数108戸


 

H’, H”. パークハウス高森ヒルズ

泉区高森
  • H’: ブライトコート: 2006年11月築、地上10階建、総戸数70戸
  • H’’: エアーズコート: 2005年10月築、地上7階建、総戸数71戸

(ブライトコート)


(エアーズコート)


 

I. パークハウス高森ヒルズ キャロルコート

泉区高森
  • イースト棟: 2008年1月竣工、地上13階建、総戸数62戸
  • ウエスト棟: 2008年1月竣工、地上13階建、総戸数59戸


 

仙台ロイヤルパークホテル

  • 1995年開業した、いわゆるシティホテルになります。
  • すなわち、ゲストルーム、バンケット、レストラン、ウェディング施設等を備えています。また、宿泊施設としては、モーニング and/or 星空ヨガ、裸足でのガーデン散歩などのアクティビティが充実しています。
  • カリスマ実業家であるロー○ンド氏が、仙台市での事業に際し、接待として当該ホテルの客室を利用された事もあります。
  • タウンセンターの建物も同様ですが、西欧風をイメージしているのが特徴的です。また、信号音さえもしない静かな環境は、安らぎを与えてくれます。


(ガーデンビューの客室からの眺望)






(宿泊者ラウンジ)






 

タウンセンター

( 2008年10月開業、左側がタピオ、右側が仙台ロイヤルパークホテルとプレミアム・アウトレット )


 

仙台泉プレミアム・アウトレット









( TOMMY もあります)


 

泉パークタウン タピオ







 

その他

宮城県図書館





 

泉中央駅前広場

(国家戦略道路占用事業)


 

三菱地所と仙台市

  • 本項では、同社による仙台市の代表的な建築物を紹介していきます。
 

オフィスビル

(花京院スクエア、1999年10月竣工)


 

商業ビル

(クラックス仙台、2005年1月竣工 (新耐震基準))


(テナント)


 

ホテル

  • 相鉄フレッサイン仙台として、2022年7月1日に開業が予定されています。
  • 紹介記事は、こちら




 

分譲マンション

パークハウス仙台五橋タワー

仙台市青葉区五橋、2007年11月竣工、総戸数127戸、地上23階地下1階建



 

おわりに

  • 仙台市青葉区花壇にて、株式会社ワールドアイシティ & 三菱地所レジデンス株式会社 JV が分譲を予定している、レジデンシャル青葉広瀬川 について、モデルルームがグランドオープンをしています。
  • 資料請求や来場予約がまだの方々は、前向きに検討をして頂きたいお勧め物件です。
 

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