第二期で値上げ決定!「(定借)メトライズタワー大阪上本町」第二弾<後編:価格分析編>

「メトライズタワー大阪上本町」の前編に関して

大阪メトロの初物件となる「メトライズタワー大阪上本町」について、
「前編」ではその概要や建物、周辺環境などの特徴をご紹介させていただきましたので、
今回の「後編」では、マーケットや具体的な分析を中心にご紹介させていただきます。

<前編の記事はコチラよりご覧ください>

周辺の新築マンションマーケット

※上本町・四天王寺、新築分譲マンションMAPです


本件 分譲中 今後分譲予定 計画地

今後の分譲計画地も含めてマッピングしてみましたが、結構多いですね。
そして、このマップ内に定期借地権物件は3棟も含まれています!

1つ目は本件
2つ目は「ジオ四天王寺一丁目」
3つ目は「ローレルコート上本町五丁目」

またタワーマンションは3棟
1つ目は本件
2つ目は「リバーガーデンタワー上町台筆ヶ崎」
3つ目は「(仮称)大阪上本町六郵便局跡地タワーPJ」

この辺りの物件と比較していくと特徴が分かりやすくなるのではないかと思います。

因みに、ざっくりとした相場観は
  • 「(定借)メトライズタワー大阪上本町」@325万円
  • 「リバーガーデンタワー上町台筆ヶ崎」@320万円
  • 「(定借)ジオ四天王寺一丁目」@250万円
  • 「グランドメゾン大阪上本町」@350万円
  • 「アウラ大阪上本町」@310万円
  • シティハウス四天王寺前夕陽丘」@290万円
このような感じです。

因みに、少し南にある「シティタワー天王寺」は@380万円程です。

尚、近隣でこれから分譲される「ローレルコート上本町五丁目」は「メトライズタワー大阪上本町」をベンチマークとして価格を決定すべく暫く様子見というところでしょうか。
しかし、メトライズの第1期の成功と第2期の値上げを受けて、かなり強気価格で来ると予想しています。
少なくとも事前案内会時の検証価格は@300万円以上になると思います。
※@300万円を超えると、メトライズの成功はさておきコッチは結構販売に苦戦するとは思いますが・・・

そして、今回私が「メトライズタワー大阪上本町」の購入を決意した一つの理由は「大阪上本町六郵便局跡地」に出来る予定の三菱のタワー計画です。
※MAP上では「メトライズタワー」の少し北側に位置します。
メトライズの竣工前後の時期に発売されるような計画ですが、坪単価は400万円を超えるという噂ですので、上本町エリアの相場を大きく引き上げてくれる可能性が高いと考えます。

まだ概要は発表されていませんが「三菱地所」を筆頭に「安田不動産」「JR西日本」「大林新星和」「NIPPO」などによる大型JV事業になるようです。
丁度、うめきた2期が売り出されるタイミングに合わせて、高値チャレンジをするような物件になるように予想しています。
敷地面積は概ね4,000㎡になるようなので、500戸を超える大規模物件になるのではないかと思います。
※参考までに、大阪ひびきの街 ザ・サンクタスタワーの敷地面積は「約4,300㎡」、シエリアタワー大阪堀江の敷地面積は「約3,700㎡」となります。

因みに、地図中心部にある3つの計画地は上から「エスリード」「ブランズ」「ジオ」シリーズです。
※参考までに、MAPに未表示ですが、天王寺区大道2丁目でリバー産業が総戸数200戸のマンションを計画しているようです。

周辺の中古マンションマーケット

※上本町・四天王寺エリアの中古タワーマンションMAPです。


周辺には、上本町駅の「北側エリア」に3棟、「南側エリア」に4棟、「四天王寺エリア」に3棟のタワーマンションが建っています。
全般的に、やや築年数が経過した物件が多い印象ですね!

メトライズを分析するにあたっては
比較的近くに建っている「上本町駅北側エリア」の3棟と、「上本町駅南側エリア」の3棟の合計6棟が参考になると思いますので、そちらを分析してみたいと思います。

面積帯別商品構成分析

※近隣6棟の面積帯別商品構成分析


まずは「市場にどのような商品構成が多いのか」を確認してみましょう。

一目で分かる通り、70㎡台の商品が市場に圧倒的に多いのが分かります。
6棟全てで1,190戸ありますが、内なんと490戸が70㎡台で、実に全体の41%を占めています。
参考値として、大阪市北区・中央区のタワーマンションにおいて、70㎡台は全体の20%前後ですので、比較すると概ね2倍です。

逆に60㎡台が少ない点も特徴です。
こちらも参考値としては、大阪市北区・中央区の60㎡台は全体の20%前後と、比較すると概ね3分の1程度しかありません。

上本町エリアは、駅北側は「真田山小学校区」、駅南側は「五条小学校区」と人気の高い学校区が特徴の文教エリアですので、他エリアに比べてファミリーニーズが大きいことがその理由であると推察されます。
※メトライズタワーにおいても、2,000組を超える反響者の内、最も希望が多かったのは70㎡台であるとの情報も得ています。

これはストレートに考えると「70㎡以上の住戸を購入しておけば、中古になった以降も最も購入検討者を獲得し易い」ということです。
裏を考えると、70㎡の商品は中古市場においても最も多くなるため、希少性が低く、市場競争が激しくなる面積帯であるとも言えます。

※2020年以降の天王寺区における中古タワー成約分析。データマン調べ。


次に、上記グラフは2020年以降、大阪市天王寺区の中古タワーマンションで実際に取引された住戸の分析ですが、
最も取引量が多かった面積帯は、70㎡台でそのシェアは概ね40%。
次いで第2位は、60㎡台でそのシェアは約18%程という結果でした。

この結果と先程のグラフを比較すると、ちょっと面白い傾向が見えて来ることにお気づきになられましたでしょうか?

それは、60㎡台は全体の商品構成上約9%しかないにも関わらず、中古市場における取引量が多い点です。

この結果から、RVを考えると60㎡の住戸を購入するという発想もありかもしれませんね♪

間取り別商品構成分析(新築時の基本プランです)

※近隣6棟の間取り別分析(新築時の基本プラン)


こちらも非常に面白い傾向が出ています。

圧倒的なシェアを獲得し、1位は3LDK、第2位は4LDKとなっていますが、これは市内のタワーマンション全体からすると少し特徴的な傾向です。

大阪市北区・中央区の中古タワーマンションにおいても3LDKが1位ですが、その割合は38%前後
そして2位は4LDKではなく2LDKで、その割合は約30%前後となっており、4LDKの割合は4%前後と非常に少なくなっています。

※2020年以降の天王寺区における中古タワー成約分析。データマン調べ。


それでは、この結果を2020年以降の中古の取引事例と比較してみましょう。
天王寺区内において最も取引の多い間取りは3LDKで、その割合は約55%
そして2位は4LDKではなく、2LDKでその割合は約37%と先程と異なる結果が現れています。

これは4LDKの住戸を3LDKにプラン変更していたり、
3LDKの住戸の2LDKに変更していたりすることが原因であると思います。


いずれにしても、3LDKが新築でも中古でも根強い人気を誇るエリアである点は否めませんが、2LDKでも十分ニーズのある地域と言って良いでしょう。
尚、1LDKは中古においても取引量が少なく、投資目的で保有するには少し注意が必要です。

賃貸相場に関する考察

この章は、ちょっと簡単に書きます。

メトライズ近隣(駅の南北)にある6棟の中古タワーマンションの2020~2022年現在の賃料相場をざっくり図ると、概ね3,000円/㎡~3,150円/㎡程度です。
これは市内のタワーマンションの水準からすると非常に低いと言えます。

どのぐらい低いのか?というと・・・
今年大阪市内のタワーで賃貸として取引された物件が110棟程度あるとしたら3,000円/㎡だと90位辺りに位置するくらいです。

因みに、近所で最近完成したプレミストタワー大阪上本町の賃料相場も似たようなものです。

尚、メトライズも特に周辺物件に比べて賃料が伸びる要素が少ないため、概ね同じような賃料になると予想しています。

メトライズは”月々のランニング費用”が高いので、表面利回りが多少高くつくようなことがあっても、実質はグっと低くなります。
よって、長期でインカム狙いで保有する投資物件には不向きであると考えています。

本件を購入するなら「居住用」又は「短期転売目的」としての二択です。
※なお、私は後者の目線で物件選定をしました。

メトライズタワー大阪上本町「第1期販売結果速報」

本物件の初動はまずまずいい感じです!

第1期1次・第1期2次を一気に7月末に分譲しましたが、その総戸数は55戸+8戸で「63戸」。
総戸数は135戸ですので、第1期で約47%の進捗となります。

入居が2024年7月ですので、残すところ約23ヶ月で72戸を売る計画となります。
月に換算すると3~4戸で”引渡し前完売”が叶うので、かなりゆとりのあるペースです。

また第1期1次・2次で上層3フロアにあるプレミアムフロアがほぼ完売である点も素晴らしい結果です。

何故ならば・・・
通常、新築販売時は上層プレミアムフロアに大きく価格を上乗せします。
そして、その部屋を第1期でいかにして多く売るかが、販売チームの第1期1次のミッションとなります。
何故ならば、第1期に来店されるお客様が最も検討確度が高いからです。
最も確度が高い顧客層(地元の人、近隣勤務、沿線居住者などなど)は概ね第1期に集中するので、
そこで最も高額で坪単価の高い住戸が売れなければ、その後も販売が長期化する可能性が高いからです。


故に、最も課題となる住戸を第1期でほぼ売り切った点は素晴らしいと思います。

また、第1期で最も人気の高かった間取りは東南角のHタイプ(3LDK/90.2㎡)
参考価格として10F~12Fは7,700万円台ですので、坪単価で換算すると@285万円/坪前後の設定となりますね。

次いでは、9階以下のコンパクト住戸や南西角住戸(Fタイプ/77.33㎡/3LDK)の上層フロアも人気のようです!

さてさて、
最近の流行りですが、第1期より第2期を値上げして、第3期で更に値上げするという売り方をこの物件でも採用するようです。
詳しくはまだ未定ですが、恐らくは第1期で売れていない住戸の内、北側のピアッツァタワー上本町モロ被りのネック住戸以外は概ね値上りすると思われます。

個人的には、南西角住戸(Fタイプ/77.33㎡/3LDK)あたりが値上げの最有力候補だと思うので、第1期で購入された方はラッキーだったのではないでしょうか!

因みに、第2期は9月下旬以降と記載されていますが、ここからの課題も明確ですね。

課題:第1期で殆ど寄付きの無かった北側住戸をどのようにして捌くのか。

これにつきます。
そして、恐らくは「南西角や南の中住戸をなるべく大きく値上げして、相対的に北側を割安に見えるように設定する」作戦でしょう。

担当者の気持ちを勝手に想像してみると・・・

(低層のコンパクト住戸なんて放っておいても売れるので無視無視。)

(南西角を値上げしたとしても残り10戸程度だし、2ヶ月に1戸売れれば十分だからまぁ気にせず値上げしちゃおう!最後まで売れ残っても少し下げたら売れるし、全然問題なし。)

(上層プレミアム、第1期で売れ過ぎたしここももうどうでもいい)

(南の中部屋は、間取りめっちゃいいし、まぁ何とかなるでしょう。ちょっと不安だけど。)

(兎に角、北側の部屋を毎月数戸のペースで進捗させてください。)

こんな感じじゃないかな~?と。

っということで、ここからの動きに、また注目していきたいと思います♪

 

因みにここから下は余談です。

つい最近第1期の販売を終えた「ジオタワー新町」は初動が芳しくないですね。
公式HPの物件概要を確認すると、第1期1次の販売戸数は40戸で、その後の先着順概要が18戸でしたので、一発目は22戸/190戸で11.6%でした。
コレはかなりしんどい例ですが、まぁ大方予想通りの結果かと。

更にもう一つ参考に、

シエリアタワー大阪堀江の初動は良さそうです!
価格決定の際に、一部の住戸を値下げされたようで、規模が大きいので割合はどうしても少なくなりますが、既に要望住戸は100戸を超えています
最終的にはもう少し数を伸ばすと思いますが、100/500戸でも20%ですので、充分な結果ではないかと思います。

因みに・・・2021年上半期の大阪府新築マンション販売戸数第1位は「プレミストタワー靱本町」で150戸だったので、もう少し勢いづけばプレミストの記録を塗り替える数の進捗を魅せるかもしれませんね。
※この「シエリアタワー大阪堀江」の第1期価格分析もまた後日UPしたいと考えています!

今後のお勧め住戸

ここも検証をしたかったのですが、
実際どのくらい値上げしてくるか全く分からないので現段階では何とも言えません。

ここについては、また10月以降に追加調査をするので、そのタイミングで記事にしていこうと思います。

メトライズタワー大阪上本町 第1期を終えてのまとめ

率直な感想

先ず率直に、第1期は、居住および短期転売目線では「買い」の物件でした。

1番人気のHタイプが仮に1部屋(第1期価格を、18階前後で8,200万円、坪単価300万円と仮定)売れ残っていたとします。

私が販売担当者であれば、
第2期でその部屋は9,000万円(坪単価330万円)以上に約800~1,000万円程値上げをします

同様に、南西角住戸の住戸は、同じ階層で500~700万円程値上げをします

そのように“人気の住戸を値上げして、北向きは価格を据え置きして、北から売る作戦”に切り替えます。

これは言い換えると、
第1期でその部屋を買った方は既に500万円以上の価値上昇を見込めるということです。

また、郵便局跡地のタワーPJの価格や売行き次第で”もっと伸びる可能性”があると思っています!

本物件の懸念点

さてさて、次は本物件の懸念点です。

検討する全ての方が懸念するのが「定期借地権付き」であるという点ですね。

私は個人的には、今後定借物件はどんどん増えて、徐々に市民権を獲得すると考えています。
新築時に利用できる金融機関も徐々に増加していますし、中古市場においても今後同様の動きを見せるでしょう。

ただ、定借はストロングポイントには成り得ず、基本的にはウィークポイントです。
その為、販売を成功させるには、周辺の物件に比べて「優位性のある立地」「秀逸な間取り」「価格」においての優位性が必要です。

本物件は
  • 立地優位性:上本町駅1分
  • 価格優位性:一部の住戸で有り
  • 間取り優位性:特に無し。逆に少し弱い。
このような感じだと思いますが、
実は「上本町駅徒歩1分」という優位性が、9月以降なくなり、「上本町駅徒歩2分」になってしまいます。

これは「不動産表示規約の改正」の影響です。
今までは建物の内「駅まで最も近い位置」からの分数表記で良かったのですが、今後は「最も遠い位置」からの分数表記を加える必要が出てきます。

ですので「上本町駅徒歩1分~2分」と併記するか、「上本町駅徒歩2分」と遠い方だけを書くかのどちらかになります。

大した差では無いように思いますが、やっぱり徒歩1分と2分とでは結構聞いた時の印象が違いますよね・・・。

そして、個人的に最大の懸念点であると思うのは「月々のランニング費用」です。

長期修繕計画の内容はあまり表に出すべきものではないのでここで詳しくは書きませんが、21年目以降をピークに「修繕積立金」「解体準備金」などが上昇します。

その金額がちょっと覚悟が必要な金額ですので、そこはしっかり腹落ちさせてから買いましょう。

あとがき

第1弾を書き終えたあと、仕事がかなり忙しくなり、第2弾を書き終えるまでに相当時間を要してしまいました。

また、本当は周辺の新築物件や、同じ定借のジオ四天王寺などももう少し中身まで調査したかったのですが、そこまで手が回りませんでした。

ただ、9月は先月よりは記事を書く時間を確保出来ると思いますので、2つ以上は記事をUPしたいと考えています!

まずは「シエリアタワー大阪堀江」の”第1期分譲の一部価格値下げ”の特集記事を書きたいと思っています。
※こちらは現在、私も購入を検討中の物件です。

その他、すごろくさんや大阪タワーさんも書いていますが、
同じく現在購入を検討中の「ブリリアタワー箕面船場」についての分析もしたいですし、

また、何といっても本年最注目の「ブリリアタワー堂島」の分析も一度やっておきたいですし、

本業では、新築ではなく中古のマーケットを見てるので、中古タワー系の記事も書いてみたいですし、と色々思案中です。

さて、ここまでご覧いただきまして、ありがとうございました。
また、次回の記事もお楽しみに!

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前職では不動産会社で営業の仕事をしておりましたが、現在は不動産専門のマーケティング会社を経営しております。 長く"新築マンション”に関わる仕事に就いていたため、その頃の経験に、現在の仕事で培った「データ分析の力」を加えて、独自性の高い記事の投稿を目指して頑張りたいと思います♪ スムラボでは、主に大阪の「タワーマンション」を中心に記事を書いていこうと思いますので、フォローをよろしくお願いします♪

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