はじめに
本稿は、宮城県と福島県を除く東北圏の新築分譲マンション (各都市の中心市街周辺に限る) を俯瞰的にみることにより、このエリア圏内における物件の地域的特徴を探ろうとするものであります。青森県
概要
- 青森県は、県公式サイト (令和7年8月1日時点) によれば、その人口は、1,147,374人となっています。
- 各市町村別では、青森市が256,795人と最も多く、続いて八戸市の210,332人、弘前市の157,619人と続きます。
- 青森県の県庁所在地は青森市となっていますが、現時点は分譲供給中の物件はないようです。
デュオヒルズ弘前駅前
物件概要
- 弘前市大字駅前、フージャースコーポレーション、地上15階建、総戸数84戸、2026年1月竣工予定
- キャッチコピー (マンションポエム) は、「弘前の中心に、真の邸宅を。」
主たる特徴 (立地関連)
- 立地は、弘前駅まで徒歩約8分 (約610m) であり、さらに弘前バスターミナルはもっと物件に近いため、車が使えないときや公共交通機関を利用する際の交通アクセスは良さそうです。
- 加えて、商業や医療の面についても、複数の大型商業ビル、商店街、多数のクリニック等が徒歩圏内に集積しており、生活利便性もマンション立地と言える範疇であるものと考えられます。

(立地と周辺環境の概念図、公式ウェブサイトより引用)
主たる特徴 (建物関連)
- 建物関連に目を転じますと、耐震構造、杭基礎、ZEH非対応と住宅性能に係る目立った特徴はありませんが、最も目を引くのが2戸1基エレベーターが採用されており、同時に内廊下となっています。特に、内廊下は本稿で紹介する物件の範疇においては唯一設計された物件となっています。
- また、意外に本稿の範疇で採用率が高くない床暖房が標準仕様であり、食洗機、玄関電子錠、Arauラック (洗濯家事が楽になる広々スペース、売主のオリジナル商品、一部住戸のみ) が目立つところでしょうか。
- 駐車場に関して、敷地内区画は45台 (約54%の割当率) の平置となっており、屋根付きが8台用意されています。また、残りの39台 (約46%) は敷地外として売主が確保しています。
- 附帯サービスとしては、ロードヒーティング、一部住戸の割当になりますがトランクルーム (建物1階 (おそらく8戸のプレミアム住戸)、AとEは主要採光側バルコニー内) が設置されます。

(建物デザイン)
販売状況等
- 第一期一次: 先着順申込受付中
- 3,798万円 – 6,698万円、56.69m2 – 96.16m2
デュオヒルズ八戸ザ・マークス
物件概要
- 八戸市大字十三日町、フージャースコーポレーション、地上15階建、総戸数69戸、2026年2月竣工予定 (エアリータワー)
- マンションポエムは、「次にくる時代を、おもしろく。」
主たる特徴 (立地関連)
複合用途型の再開発事業: ハチノスクエアプロジェクト
- 本事業は、フージャースコーポレーションが事業者として主導するものであり、令和4年度から7年度までの4年間が事業期間として定められています。
- また、十三日町・十六日町地区再整備支援事業として、国や市からの助成を受けて実施されるものです。
- 整備方針は、住宅棟、商業ホテル棟、駐車場棟から構成されており、土地の高度利用や市街地の形成に資するものとなっています。

(立地と周辺環境の概念図、公式ウェブサイトより引用)
主たる特徴 (建物関連)
- 住宅棟はツイン構成となっており、エアリータワーとブライトタワーに分かれます。
- 建物1階には店舗区画として、商業施設が予定されています。
- 耐震構造、杭基礎の建物仕様であり、顕著な住宅性能に係る事項としては、長期優良住宅認定の取得になります。
- 専有部分に係る仕様に関しては、床暖房が非設置等により目立ったものはありませんが、リビングダイニングにファンコンベクター、洋室1ヵ所に温水コンセントが備わります。
- 附帯サービスとしては、2棟間における共用施設の相互利用が予定されています。また、ロードヒーティング、タイヤラックは16区画分のようです。
- 駐車場は、同事業地内の駐車場棟あるいは敷地内平置に、総じて住戸数に対して100%の割当となります。

(建物デザイン)
販売状況等
- 第三期一次: 先着順申込受付中
- 3,898万円 – 5,298万円、60.95m2 – 82.72m2
秋田県
概要
- 秋田県は、県公式サイト (令和7年8月1日時点) によれば、その人口は、 880,874人となっています。
- 各市町村別では、秋田市が292,842人と最も多く、次に横手市の77,367人、大仙市の70,961人、由利本荘市の68,967人、大館市の63,152人と続きます。
ウィザースレジデンス秋田ザ・タワー
物件概要
秋田市中通、新昭和、地上22階建、総戸数105戸、2025年3月竣工予定主たる特徴 (立地関連)
立地は、最寄交通は秋田駅で徒歩5分
(立地と周辺環境図、公式ウェブサイトより引用)
主たる特徴 (建物関連)
- 建物関連に目を移しますと、秋田市では初の免震構造の高層物件のようです。
- 専有部分に係る仕様に関しては、床暖房が非設置等により目立ったものはありませんが、リビングダイニングに温水ルームヒーターが備わります。 その他として、サンルーム、玄関電子錠、住戸前インターホンカメラ、地味に重宝する室内物干金物、浴室の天井や壁等の保温材があります。
- 附帯サービス系は、コジマ電気の2年間の優待、電気料金が7%割引、ロードヒーティング、タイヤラックが一部住戸の割当率と言ったところです。
- 駐車場は、エレベーターパーキングあるいは平置で、約59%の割当率です。
- 一つ気になるのは、図面を見る限りでは、ゴミ置場が外動線となることでしょうか。
- また、本稿の選定物件の範疇では、唯一の竣工済物件となっています。

(建物デザイン)
販売状況等
- 第二期: 先着順申込受付中
- 3,498万円 – 5,068万円、60.95m2 – 62.57m2 – 76.68m2
岩手県
概要
- 岩手県は、県公式サイト (令和7年8月1日時点) によれば、その人口は、1,128,729人となっています。
- 各市町村別では、盛岡市が278,724人と最も多く、続いて奥州市の104,664人、一関市の102,145人、北上市の91,628人、花巻市の87,618人と続きます。
ザ・ミッドシティ盛岡駅西通
物件概要
盛岡市盛岡駅西通、新昭和、大和ハウス工業、グレース住宅販売、地上16階建、総戸数169戸、2027年1月竣工予定主たる特徴 (立地関連)
- 立地は、最寄交通は盛岡駅で徒歩5分
- 盛岡駅西口地区地区計画内

(公式ウェブサイトより引用)
主たる特徴 (建物関連)
- 建物は、上から見てコの形をした耐震構造、杭基礎の仕様です。
- 建物 (住居・商業棟) の共用施設は、豪華な内容となっており、2階には商業施設 (薬王堂) とカフェラウンジ、3階にはゲストルームとパーティルームが各1区画の設計がされています。
- 間取りについて、13プランがあり、南東向きを中心に北西や北東も選択肢があり、バリエーションが豊富です。
- 専有部分に係る仕様に関しては、床暖房が非設置等により目立ったものはありませんが、リビングダイニングと洋室(1) にコンセント (温水ルームヒーターは別売) が備わります。
- 附帯サービス系として特徴的な事項は、第三者管理方式の導入、タイヤラックの一部割当があります。

販売状況等
- 第2期10次予告
- 販売価格等: 未定 (3,738万円 (69.00m2) – 5,978万円)
- 予定最多価格帯: 未定 (4,800万円台)
- 予定販売開始時期: 2025年10月下旬
- 今後供給予定の全住戸: 73戸
その他
盛岡市の郊外型市街地では、4件が分譲中です。
(yahoo不動産より引用)
山形県
概要
- 山形県は、県公式サイト (令和7年8月1日時点) によれば、その人口は、996,428人となっています。
- 各市町村別では、山形市が237,971人と最も多く、次に鶴岡市の113,359人、酒田市の92,524人、米沢市の75,860人と続きます。
シティタワー山形本町
物件概要
- 山形市本町、住友不動産、地上20階建、総戸数149戸、2026年10月竣工予定
- マンションポエムは、「山形本町 次代の中心を仰ぐ。」
主たる特徴 (立地関連)
- 立地は、最寄交通は山形駅で徒歩13分
- 山形市中心市街地活性化基本計画地内

(公式ウェブサイトより引用)
主たる特徴 (建物関連)
- 最後の登場にふさわしい大ボス感のある充実した内容です。
- 代表的な事項を拾い出しました。
主な建物仕様:
- 免震構造、
- ZEH-M Oriented、
- 長期優良住宅、
- 直接基礎
専有住戸の標準的構造仕様:
- リビングダイニング側居室の天井高: 約2,550mm – 約2,580mm
- 戸境壁厚: 約230㎜
専有住戸の標準的機能仕様:
- 食洗機
- ディスポーザー
- 床暖房
- ミュージックリモコン: バスルーム
- 遠隔操作: 無線LAN給湯リモコン
共用部分に関する事項
- ロードヒーティング
- タイヤ置場
- 非常用マンホールトイレ
附帯サービス等
- 太陽光発電システム
- 非常用発電機
- ハンズフリー: オートロック
- 引越し無料パック
- ヘリコプターホバリングスペース
- 防災リュック: 各住戸に配布
- 災害時の給水対策
- 駐車場率: 100%
- 店舗3区画

(建物デザイン、公式ウェブサイトより引用)
販売状況等
- 先着順
- 3,980万円 – 5,400万円、75.20m2 – 75.24m2
その他
山形市以外では、鶴岡市にて2件が分譲中です。傾向と所感
- 販売価格とその面積にエリア的偏り (差) は、少ない
- 主要採光は南中心が基本であり、サンルームもちらほらあり
- 二重サッシの採用率は100%であったが、床暖房は必ずしも標準仕様ではない
- 建物内共用施設は、控えめな傾向にある
- ロードヒーティングの採用率は極めて高い
- 駐車場は、必ずしも全戸分が用意されている訳ではない
- 防災減災対策まで行き届いているのは、シティタワー山形本町
まとめ
① スムラボ物件マップには、新たに本稿のレイヤーを作成しました。② 本稿の物件を個人ブログにて表形式でまとめました。
東北圏の代表的な新築分譲マンションの一覧表 | トミーのオミックス的解析
おわりに
仙台市における物件間の比較等の参考資料は、こちら- 宮城県仙台市における新築分譲マンションの販売状況一覧表
https://tommy1031.com/archives/1403
- 宮城県仙台市における新築分譲マンションの物件一覧表 (スペック版)
https://tommy1031.com/archives/632
宮城県名取市、福島県郡山市、福島市における新築分譲マンションの一覧表 (適時更新版)
https://tommy1031.com/archives/1130
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