東エリア:訪れる機能が強化される京都駅前
京都駅周辺の話題は、いま明らかに東側に集中している。
京都市立芸術大学の移転、そしてチームラボの進出。これらの動きは単発の開発ではなく、京都駅東側の性格そのものを変えつつある。
芸大の移転は、単なる学校機能の移設にとどまらない。学生やクリエイターの往来を生み、エリアに日常的な人の流れを定着させる装置として機能する。

2023年4月移転開校した「京都市立芸術大学」
一方でチームラボのような施設は、明確に外部から人を呼び込む“目的地”となる。インバウンドを含めた来訪者を集め、京都駅に「わざわざ来る理由」をつくる存在だ。

2025年10月開業「チームラボ バイオヴォルテックス 京都」
さらに、京都駅からチームラボへの動線上では宿泊施設の開発も続いており、滞在機能の強化も進んでいる。

2026年秋開業の「コートヤード・バイ・マリオット京都駅」。京都駅とチームラボとの動線上の八条通に5つのホテルが建ち並ぶ
これらに共通しているのは、「外から人を呼び込む」という点に集約される。
観光、文化、体験、宿泊。
いずれも京都駅東側を“使われる場所”へと変える要素だ。
かつて“通過点”だった京都駅は、滞在や体験の拠点へと変わりつつある。

もっとも、東側が完全に“観光特化”というわけでもない。
実際、ユニハイム京都七条通りのようにファミリー層も視野に入れた分譲や、ラ・アトレレジデンス京都のようなコンパクト中心の物件も見られる。
実需から投資まで、一定の幅を持った供給は存在している。

中央のマンションが「ユニハイム京都七条通り」2023年竣工・約46戸、1LDK〜2SLDKの幅広いプラン。 二軒右隣が「ラ・アトレレジデンス京都」2024年竣工・42戸、ほぼ1LDK中心(投資・DINKS寄り)
ただし、それらが連続的に供給されているわけではなく、あくまで“点”として成立しているのが現状だ。この動きが強まるほど、別の問いも浮かび上がる。
西エリア:住む選択肢が現れ始めた京都駅前
一方で、京都駅西側は、これまで大きな再開発の文脈からは距離を置いてきたエリアでもある。東側のように観光や文化の拠点として語られることは少なく、ホテル開発や大規模再開発が連続してきたわけでもない。

京都駅から西側の風景
京都キャンパスプラザのような施設がありながらも、一般的な認知が高いとは言い難く、エリア全体としてのブランド形成には至っていない。

京都市大学のまち交流センター(愛称:キャンパスプラザ京都)は、2000年に「大学のまち・京都」「学生のまち・京都」のシンボル施設として、大学間の交流促進をはじめ、大学と産業界、地域社会などとの連携及び交流促進を目的として開設した施設です。
かつてビックカメラJR京都駅店があった場所も、現時点では具体的な動きが見えにくい状況にある。

ビックカメラJR京都駅店は、2007年8月23日に開業し、約16年間にわたりJR京都駅西側の好立地で営業していましたが、2023年5月7日に閉店しました。駅直結の1〜7階という大型店舗でしたが、賃貸借契約の満了により閉店。
加えて、ヨドバシカメラ マルチメディア京都の西側では、古い建物の解体後にパーキングとして暫定利用されるケースも見られる。かつてスーパエビスクがあった場所も同様にパーキングとなっており、一帯は西本願寺が所有する土地が多いエリアでもある。

2023年7月撮影、在りし日のエビスク
なお、ヨドバシカメラ マルチメディア京都の敷地は東本願寺から取得された経緯もあり、同じ駅前でも土地の性格は一様ではない。

エビスク跡地は広大なパーキングに

ヨドバシカメラの袂にある「お立ち呑み処ひょうたん」は長らく閉まったままです
さらに、堀川通沿いには旧安寧小学校跡地のように、まとまった敷地でありながら活用が定まりきっていない場所も見られる。
こうした状況も含め、京都駅至近という立地でありながら、土地利用は暫定的なものにとどまる箇所も多く、ポテンシャルを持て余しているような“余白”が残されている。立地の強さに対して、土地利用の密度はまだ低い。

堀川通沿い、新文化庁候補地ともなったいまだ未活用の安寧小学校跡地
京都駅前は、交通・観光の拠点としての性格が強く、京都市民にとって“暮らす場所”として意識されてきたエリアとは言いにくい。
そうした中で、現地で新たに確認できたのが、タカラレーベンによる11階建・58戸の分譲マンション計画である。京都駅徒歩圏、塩小路通と西洞院通の交差点北側、西洞院通沿いの立地に計画されている。

タカラレーベンのマンション計画の標識が古家に設置されました。
これまで分譲マンションの供給が継続してこなかったこのエリアにおいて、分譲が成立すると判断された点は見逃せない。西側における新たな動きとして、注目に値するだろう。

もっとも、この立地が京都の一般的な実需層に強く支持されるかというと、やや疑問も残る。京都駅西側というポジションは、地元のファミリー層にとって第一選択となるケースは多くないと考えられる。一方で、利便性を重視する層にとっては一定の需要が見込まれるポジションでもある。

北側に隣接する閉鎖予定のパーキングを含め開発されると思われる
とはいえ、西側が完全に停滞しているわけではない。塩小路通沿いでは飲食店などの出店も見られるが、その多くは観光客や短期滞在者を意識したものが中心であり、日常的な生活利便を支える機能とはやや性格が異なる。

ただし、こうした動きはエリア全体の流れを大きく変える段階にはまだ至っておらず、“変化の途上”にあると捉えるのが実態に近い。

その中で想定されるのが、京都駅へのアクセス性を重視するDINKS層や、出張・セカンド利用、さらには賃貸運用を前提とした投資需要など、“都市型の使い方”である。
延床面積約3,300㎡規模から見ても、専有面積は40㎡台前半が中心となる可能性があり、“自ら住む”というよりも、“保有しながら使う・貸す”といった選択肢が現実的な商品となりそうだ。
つまり今回の計画は、従来の京都型の実需マンションとは異なり、
**「実需と投資の境界に位置する商品」**と捉えるべきだろう。

・京都市下京区油小路木津屋橋下る北不動堂町571番・敷地面積433.843㎡・延べ面積3318.60㎡・高さ31m・11階建・58戸・建築主/(株)タカラレーベン・完了予定2028年3月30日
それでも、この計画が持つ意味は小さくない。
これまで分譲マンションの供給が連続してこなかった京都駅西側において、今回のような一定規模のプロジェクトが計画されている点は注目に値する。
東側が「訪れるための京都駅前」として機能を強める一方で、西側では“住むことができる京都駅前”としての可能性が、静かに模索され始めている。
もちろん、この一棟だけでエリアの性格が大きく変わるわけではない。西側は依然として“住む街”として確立されたエリアとは言い切れず、今後も継続的な供給が続くかは不透明な部分も多い。


おわり
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