はじめに
Xのフォロワーさんから情報をいただく。“セブンイレブン京都大石橋の横のバリケードに、注文者として京阪電鉄不動産の名前が書いてありました。マンションかは不明です”
地下鉄九条駅前、河原町九条の西にあるセブンイレブンの事だ。
京都駅の南側、高さ規制が緩和され再開発の機運が高まる東九条エリア。
京阪電鉄不動産が何を計画しているのか。
マンションか、ホテルか。それとも別の何かか。
気になり始めると、じっとしていられなくなった。
すぐさま街へ飛び出した。
九条駅前から、思い出のカフェへ。そして京阪電鉄不動産のバリケード
地下鉄九条駅を出ると、
すぐにたこ焼き屋が目に入る。
交差点の向こう、烏丸通の北には京都タワーが見えた。
九条通を東へ歩く。
THE Lower East Nine cafe、通称LE9がある。
このカフェの前を通ると、2022年の夏を思い出す。
ここで、まいまい京都のスタッフからkyoto1192リアルツアーをお願いされた。
いったい誰が、私の街歩きに参加するというのだろう。
そんな疑問を抱いていた私に、スタッフの彼は、私独自の視点を高く評価してくれた。
kyoto1192の活動を、初めて誰かに認めてもらえたような気がした。
とても嬉しかった記憶がここには残っている。
そんな思い出の場所を通り過ぎると、目的のバリケードが現れた。
確かに「京阪電鉄不動産」の名前がある。
しかし、何の計画なのかを示す標識は見当たらない。
マンションか。ホテルか。それとも別の何かか。
マンション記事のネタになるかと思って駆けつけたが、これだけではまだ記事にできない。
さて、どうしよう。
せっかく東九条まで来たのだ。
ここから南へ歩いてみよう。
目指すのは、伏見工業高校跡地。
約4haの敷地に、住宅や商業施設などを組み合わせたKYOTO COCO CITY(京都ココシティ)が誕生しようとしている。
いよいよ今月10/24にモデルルームがグランドオープンする。
何度も訪れている場所だ。新しい発見があるのか、正直、さほど期待はしていなかった。
Googleマップで調べると、徒歩20分。
東九条から南へ歩き出した。
東九条に増えるマンション、河原町十条のホテル
歩き出すと、建設現場のクレーンが目に入った。どうしても気になり、近づいてみる。
東京日商エステムの建設現場だ。
現地の建築計画には、地上9階建て、延べ面積4,228.51㎡、総戸数124戸の共同住宅とある。
1K1Rと予想されるが、詳細はまだわからない。
それでも、九条駅周辺で新たな住宅供給が進んでいることは確かだ。
さらに歩く。
東九条では、賃貸マンションの建設現場が増えているような印象を受ける。
そして「河原町十条」交差点に建つホテル、ザ・レインホテル京都。
目の前には無機質な高速道路のコンクリートの高架。周囲には工業地域の雰囲気が漂う。
かつては、とてもホテルの建設地とは思えなかった場所だ。
今でも、その風景には大いに違和感を覚える。
ただ、京都の外からこの街を見ると、違う景色が見えるのだろうか。
京都駅、東福寺、伏見稲荷大社。いずれもアクセス圏内にある立地。
そう考えれば、ここもまた、京都観光の拠点として魅力的な場所に映るのかもしれない。
街の価値は、そこに暮らす人と、外から訪れる人とでは違って見える。
さらに南へ歩く。
勧進橋に出た。
2000年代初頭、このあたりの川沿いには、無数のバラック小屋が建ち並んでいた記憶がある。
あの頃の風景が、今も頭の片隅に残っている。
橋を渡る。
そこはもう、伏見区・深草だ。
国道24号線から、稲荷新道へと入っていく。
伏見工業高校跡地に「脱炭素の街/京都ココシティ」が誕生
京都市伏見区深草。かつて伏見工業高校があった場所に、約4haの大規模複合開発「KYOTO COCO CITY(京都ココシティ)」が誕生しようとしている。
環境省の脱炭素先行地域における複合開発。戸建住宅125区画、分譲マンション310戸、学生・社会人寮114室、商業施設などを組み合わせた、新しい街づくりだ。
今回注目したいのは、開発の規模だけではない。
新築マンションの予定販売価格は、ファミリー向けが5,200万円台から、コンパクトタイプが3,200万円台から。
この価格は、伏見稲荷エリアの住宅市場に何をもたらすのか。
隣接する築浅中古マンション、そして築45年ほどの大規模マンション群。新しい街の誕生を、不動産の目線で考えてみたい。
1. 約4haの敷地に生まれる、新しい住宅街区
まず目に入るのは、コトーハイツ伏見稲荷のマンション群だ。1981年、1982年に建築された、築45年ほどのマンション群。長年にわたり、多くの人々の暮らしを支えてきた住宅街だ。
そのすぐ隣に、新しい街が生まれようとしている。
東高瀬川を渡ると、公園が整備され、その向こうに大規模な開発現場が広がっていた。
目に入る看板。
「京都【初】環境省 脱炭素先行地域における複合開発」
「京都ココシティ KYOTO COCO CITY」
「京都市内に総594世帯の壮大なまちづくり、始まる。」
開発面積は約4ha。
阪急阪神不動産、京阪電鉄不動産、積水ハウスの3社が開発を担う。

京阪電鉄不動産と阪急阪神不動産の戸建てが建設中だった

広大な更地には積水ハウスの黒いのぼりが無数に立っていた。

広大な更地の真ん中には積水ハウスの分譲地サロンがあった。
計画されているのは、ファミリー向け戸建住宅125区画、分譲マンション2棟310戸、学生・社会人寮、商業施設、コワーキングスペースなど。
住宅だけを建てて終わるのではなく、さまざまな世帯が暮らすための機能をまとめて整備する計画だ。
目の前にはスーパーのライフ。
かつて伏見工業高校があった頃の印象は薄まり、現地には眩しい陽が差していた。
この場所で、これから新しい暮らしが始まる。

現地南側のバリケードは地域交流スペースと地域貢献施設が設置され、2階より上は学生社会人寮が入る。向かいはスーパーライフ。
2. 新築マンションの価格は、いくらなのか
不動産として最も気になるのは、やはり販売価格だ。京都ココシティでは、特徴の異なる2棟の分譲マンションが計画されている。
伏見稲荷 FLAG
ファミリー向け・総228戸。
予定販売価格は5,200万円台から。
- 専有面積:68㎡台〜82㎡台
- 間取り:2LDK+S〜4LDK
- 地上7階建て

現地北側のバリケードはファミリー向け「KYOTO COCO CITY 伏見稲荷FLAG」計画地。
伏見稲荷 CUBE
単身者やDINKS向け・総82戸。
予定販売価格は3,200万円台から。
- 専有面積:36㎡台〜55㎡台
- 間取り:1LDK・2LDK
- 地上7階建て

現地東側がホテルライクレジデンス「KYOTO COCO CITY 伏見稲荷CUBE」計画地と思われる。
FLAGはファミリー向け、CUBEは単身者やDINKSなどの少人数世帯を意識した構成だ。
価格の入口を見るだけでも、同じ開発街区のなかで、異なる住宅需要を取り込もうとしていることがわかる。
ただし、いずれも予定販売価格の最低価格。実際の販売価格は、住戸の面積、階数、向きなどによって変わる。
FLAGの5,200万円台とCUBEの3,200万円台を比べても、単純に価格差だけで割安・割高とは判断できない。
それでも、伏見稲荷エリアで新築マンションを購入する際の価格の目安として、この数字はひとつの基準になる。
そして、この新築価格が周辺の中古マンションと比較されることになる。
3. 67㎡・3,000万円台前半だった「パデシオン伏見稲荷」
京都ココシティのすぐ近くに、もうひとつ注目したいマンションがある。パデシオン伏見稲荷。
2021年1月竣工、総戸数49戸。市営住宅の集約によって生まれた土地に建設されたマンションだ。
分譲当時、67㎡台の3LDKは3,000万円台前半から販売されていた。
その後の中古販売履歴を見ると、67.37㎡の3LDKは2022年9月に4,180万円、2023年6月には3,980万円、同年7月には3,730万円で売り出されていた記録がある。
これらは成約価格ではなく、あくまで売出価格だ。ただ、分譲時から中古市場に出てくるまでの価格水準の変化を考える材料にはなる。
そして今、隣接地では新たな新築マンションが販売されようとしている。
ここで考えたいのは、京都ココシティの新築価格が、パデシオン伏見稲荷の中古価格にどのような影響を与えるかだ。
新築マンションの価格が高ければ、購入者が中古マンションとの価格差を比較し、中古を選択肢に入れることも考えられる。
一方、新しい街並みや商業機能が整備されることで、周辺の住環境への評価が高まる可能性もある。
ただし、新築と中古では設備、建物の状態、管理状況、駅への距離、住戸の条件などが異なる。
新築が高いからといって、近隣の中古マンションも同じように値上がりするとは限らない。
京都ココシティの販売が進むなかで、パデシオン伏見稲荷の成約価格にどのような変化が表れるのか。
今後の事例を追いかけたい。
4. 築45年のコトーハイツ伏見稲荷はどうなる?
さらに視野を広げると、コトーハイツ伏見稲荷の存在がある。
1981年、1982年に建築されたマンション群で、長年この地域の住宅ストックを形成してきた。
2026年夏の売出価格の例を見ると、61〜78㎡台の住戸が1,600万円台から2,500万円台で掲載されていた。物件や階数、面積、室内状態によって価格は異なる。
新築のFLAGが5,200万円台から、CUBEが3,200万円台からという予定価格と比較すると、住宅購入に必要な予算には大きな差がある。
もちろん、広さや築年数、設備仕様が異なるため、単純な価格比較はできない。
しかし、住宅購入者の立場から見れば、同じエリアに「新築を購入する」という選択肢と、「築年数の経過した中古を購入し、予算を抑える」という選択肢が並ぶことになる。
新しい街の誕生によって周辺の利便性が高まれば、既存マンションにもプラスの影響が及ぶ可能性がある。
その一方で、築年数の経過したマンションでは、建物や共用部の維持管理、修繕積立金、将来の修繕計画なども購入判断に大きく関わる。
街全体の魅力が高まることと、個々のマンションの資産価値が上がることは、必ずしも同じではない。
コトーハイツ伏見稲荷にとっても、京都ココシティの開発は、周辺環境の変化を考えるうえで注目すべき出来事になりそうだ。
5. 「脱炭素」は住宅の資産価値につながるのか
京都ココシティが一般的な住宅開発と異なるのは、「脱炭素先行地域における複合開発」を掲げている点だ。
公式サイトでは、住宅の断熱性を高めることや高効率設備の導入、太陽光発電による創エネ、街区内での電力の有効活用などを通じて、脱炭素を目指す計画が紹介されている。
この取り組みは、環境への配慮という観点だけでなく、住宅購入者にとっての経済性という観点からも見ておきたい。
例えば、エネルギー効率の高い住宅で光熱費を抑えられるなら、住宅ローンの返済額だけでなく、住み始めてからの家計負担も含めて比較することになる。
ただし、実際の光熱費は世帯人数、生活スタイル、設備の利用状況、電気料金などによって変わる。
脱炭素仕様だから必ず光熱費が安くなる、あるいは中古市場で高く評価される、と断定することはできない。
将来の中古市場で、環境性能がどこまで購入者に評価されるのか。
それは、この街が実際に稼働し、暮らしの実績が積み重なっていくなかで見えてくるだろう。
最後は伏見稲荷大社へ
東九条から歩き始め、マンション建設の現場を見て、鴨川を渡り、伏見工業高校跡地に生まれる新しい街まで来た。その先には、世界中から人が訪れる伏見稲荷大社がある。
せっかくなので、もう少し歩いてみる。
師団街道から伏見稲荷大社へ入る交差点。ローソンがなくなり、バリケードで覆われていた。裏側にあったドラゴンバーガーの場所まで、バリケードは伸びている。新しい建物に建て替わるようだ。
インバウンドを意識した道具屋もオープンしている。
次から次へと歩いてくる団体ツアーの多さに驚く。
コロナ禍を越え、インバウンド第二弾が始まっていた。
京風情とは真逆の、原色の屋台村が活況だ。
日本酒、最初の一杯が100円。
京都なのに、神戸牛や灘の酒が販売されているのも面白い。
ドラゴンバーガーは川沿いに移転していた。
紅葉も始まっていないのに、もう観光シーズンのピークを迎えているような錯覚になる。
毎日が観光シーズンになってきた京都だ。
鳥居の下で、団体ツアーの参加者たちが記念撮影をしている。
ようこそ、日本へ。
心の中でつぶやいた。
おわり
[スムラボ編集部より] 本ブログ記事の情報は投稿日時点のものです。現在の販売情報は物件公式サイトをご参照下さい。
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- 京都府京都市伏見区深草六反田町5
- 京阪本線 「伏見稲荷」駅 徒歩5分 |奈良線 「稲荷」駅 徒歩8分 (CUBE)、徒歩9分(FLAG)|京都市営地下鉄烏丸線 「十条」駅 徒歩12分 (FLAG)、徒歩14分(CUBE)
- 1LDK・2LDK
- 36.74m²~55.47m²
- 9戸/総戸数 310戸





















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