はじめに
- 田舎者の私にとって、東京の物件は不案内でありますが、そんな身分不相応な私でも気になっている物件がありますので、調べてみました。
- 西新宿三丁目西地区の再開発ですが、複合用途型になりますので、今回は住宅に関わる事項を中心にまとめる事としました。
- 各事項は、基本的には、事業の認可がなされた2023年2月時点の資料に基づきます。
- また、住宅部分のみの部分的な視点に加えて、事業全体からの視点での本事業の発展性や課題、さらに周辺環境を含めた将来予測 (他物件との比較) 等の分かりやすい専門家からの詳報は、エリアに明るいライターさんから後になされるものと思います。したがって、本稿では、個人の所感は省く形式にて進めていく事とします。
概要
事業全般
- 事業名: 東京都市計画西新宿三丁目西地区第一種市街地再開発事業
- 施行地区: 東京都新宿区西新宿二丁目、三丁目、四丁目、各地内
- 施行地区面積: 約4.6ha (実測面積)
- 施行者: 西新宿三丁目西地区市街地再開発組合
- 事業協力推進者: 野村不動産、住友商事、東京建物、首都圏不燃建築公社
- 事業協力者: 前田建設工業
- 総事業費: 2,387億円
目的:
- 災害に強いまちづくり、
- 安全で快適な歩行者ネットワークの形成、
- 賑わいおよび交流空間の形成、
- 住環境の形成
→ やさしい市街地 (誰もが移動しやすい、利用しやすい、わかりやすいまち)
施行区域
配置計画
完成イメージ
住宅部分
- 住宅戸数: 約3,200戸
- 竣工予定時期: 2031年11月
専有面積の内訳
- 25m2 – 30m2台: 約400戸
- 40m2 – 50m2台: 約1,300戸
- 60m2 – 70m2台: 約880戸
- 80m2 – 150m2台: 約620戸
各棟における住宅部分
A-1街区
1階平面図 (A-1街区全体)
2階平面図 (A-1街区全体)
北棟
- 建築敷地面積: 約13,935m2
- 建物構造: RC造、一部S造
- 建物規模: 地上63階、地下4階、塔屋2階建
- 建物の高さ: 約221m (最高高さ: 約229m)
- 駐車場: 約530台
- 主要用途: 各階の用途のとおり
各階の用途
- 地下4階: 機械室、住宅駐輪場、バイク置場
- MB4階: 住宅駐輪場
- 地下3階: 機械室、駐車場
- 地下2階: 機械室、駐車場
- 地下1階: 機械室、駐車場、バイク置場
- 地上1階: 住宅、店舗
- 2階: 住宅、店舗
- 3階 – 63階: 住宅
- PH1、PH2: 機械室、階段室
南棟
- 建築敷地面積 (南棟): 約14,925m2
- 建物構造: RC造、一部S造
- 建物規模: 地上62階、地下4階、塔屋2階建
- 建物の高さ: 約220m (最高高さ: 約228m)
- 駐車場: 約600台
- 主要用途: 各階の用途のとおり
各階の用途
- 地下4階: 機械室
- 地下3階: 機械室、駐車場
- 地下2階: 機械室、駐車場
- 地下1階: 機械室、駐車場、バイク置場
- 地上1階: 住宅、店舗
- 2階: 住宅、店舗
- 3階: 事務所
- 4階: 事務所、保育所
- 5階: 事務所
- 6階: 住宅駐輪場、バイク置場
- 7階 – 62階: 住宅
- PH1、PH2: 機械室、階段室
断面図
A断面 (南棟)、B断面 (北棟)
C断面 (北棟、南棟)
中層階の平面図
A-2街区
平面図、断面図
概要
- 建築敷地面積: 約500m2
- 建物構造: RC造、一部S造
- 建物規模: 地上9階地下1階建
- 建物の高さ: 約35m (最高高さ: 約35m)
- 駐車場: 約9台
- 主要用途: 各階の用途のとおり
各階の用途
- 地下1階: 店舗、駐車場、駐輪場
- 地上1階: 住宅、店舗、駐車場
- 2階 – 8階: 店舗
- 9階: 住宅
A-3街区
平面図、断面図
概要
- 建築敷地面積: 約270m2
- 建物構造: RC造、一部S造
- 建物規模: 地上9階建
- 建物の高さ: 約35m (最高高さ: 約35m)
- 駐車場: 約1台
- 主要用途: 各階の用途のとおり
各階の用途
- 地上1階: 住宅、店舗、駐車場、住宅駐輪場、バイク置場
- 2階: 町会会館
- 3階: 住宅、町会会館
- 4 – 9階: 住宅
住まいに関わるその他の事項 (A-1街区に限る)
防災計画
- 南棟と北棟の防災監視拠点 (防災センター) を南棟の1階に設置
- 非常用エレベーターを設置
- 防潮板を設置
- 防火水槽: 本街区内および南棟の地下ピットに設置
- 雨水貯留施設: 北棟、南棟の地下ピットの一部に設け、600m3/ha以上の抑制対策とする
避難計画
- 避難階段: 附室を設けた特別避難階段とする
- 中間階に一時避難エリアを設置
ライフラインに関する特記
給水
- 受水槽は、緊急遮断弁を設置し、地震時の飲料水を確保
排水
- 一定量の排水を貯留する調整槽を設け、深夜の規制時間帯に放流 (下水道局排水規制)
- 排水貯留施設として、本街区の地下にディスポーザー処理槽や汚水施設を設置
ガス
- 略
電気
- 非常用発電機を設置
- 停電時の保安電力は、共用部分における一部の照明電源に確保
住宅以外の整備
広場、通路、道路、歩道状空地
配置計画およびA-1街区の1階および2階平面図を参照- オープンスペース (敷地北西側)
- 約4,500m2の広場 (敷地北側)
- 歩行者デッキ (歩行者通路1号)
- 歩行者通路1号に沿った約1,100m2の広場
- 幹線街路等について、一部は既整備ですが、これから新設ないしは拡幅整備が行われます。
- また、これらの新設ないしは拡幅整備がなされる道路沿いの電線は、電線共同溝方式による地中化とされます。
その他
- 地区全体の有効空地率: 約41.4%
- 緑化計画: 略
現況
新宿駅西口地区開発計画
- 新宿区新宿三丁目および西新宿一丁目各地内においては、小田急電鉄株式会社、東京地下鉄株式会社、および東急不動産株式会社による整備が進んでいるようです。
- 本計画に関しては、住宅の供給は、見込んでいないようです。
位置図
おわりに
- さらに一段と東京らしい超高層ビル街区が作られる事となります。
- お尻までが長い事業ですが、順調に進んでいく事を願っております。
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