仙台市の中古マンションに着目したバーチャル街歩き (故きを温ねて新しきを知る) 【トミー】


はじめに

  • 当サイトは、新築分譲マンションを紹介するものでありますが、新築分譲マンションと中古マンションは切り離す事のできない関係性でもあります。そこで、今回は、本市の各地域ごとに特徴的な中古分譲マンションを紹介します。
  • これは、本市の新築住宅を検討している方のみならず、本市外の方でもセカンドハウスや投資物件を検討する場合等の観点においても、有益な情報となることを試みるものであります。
  • 物件の選定については、本市におけるマンションの発展に多大に寄与した物件を取り上げるように努めました。
 

物件の位置図



 



 

各物件の紹介

北方面エリア:パークタワー台原

青葉区北根、三井不動産、1995年1月竣工、地上31階建、総戸数310戸

 



 
  • 周辺写真を見ると、戸建住宅が広がるエリアにドンと建っており、存在感の大きさが一際目立っています。
  • 本物件の特徴は、“三井”だけに、31階 (高さは、110.00m)、310戸と”31 三井”を文字っていると思われる点です。一つ一つの細部に慎重さが求められるマンションですが、このようなちょっとした遊び心があるのは、嫌いではありません。むしろ、好きです。
  • 近年における東北の三井不動産物件は、物件規模の観点では努力姿勢は見られるものの、建物デザインや住戸仕様は、各物件間であまり代わり映えしません。東北の地域性や県民性を鑑みて、無難な安定志向をとっている印象を受けています。
  • ちなみに、三井不動産と東京建物JVが分譲した ミッドプレイス仙台タワー&レジデンス は、タワー棟が31階ですが、レジデンス棟を含めた総戸数は306戸となっており、なんだかなと思わざるをえません、、、 (なぜ310戸ではないのでしょうか (≧▽≦))
 

中心部①:ザ・レジデンス一番町

青葉区一番町、森トラスト、2010年6月竣工、地上29階地下1階建、総戸数244戸 (賃貸住戸119戸を含)
  • いわゆる仙台トラストシティとして、大きくはトラストタワー部分とレジデンス部分に分かれます。
 



 

I、仙台トラストタワー
  • 2010年4月に竣工した制震構造の建物であり、敷地面積は13,550.52m2です。主要用途はオフィス、会議室、店舗、ホテルとなっています。
  • ホテルは、東北で2番目となる外資系ホテル (ウェスティンホテル仙台) が参入しました。そして、2011年3月11日に発生した東日本大震災では、非常用発電等が大いに貢献し、多くの帰宅困難者等を受け入れたことは、10年以上が経過した今でも記憶に新しいところです。
  • 東北で最も高い建築物 (180m) として知られています。
  • 公開空地では、イルミネーションやスタンプラリー等の地域イベントが定期的に開催されています。
 

II、ザ・レジデンス一番町
  • 敷地面積が3,099.49m2であり、メインエントランス前の公開空地は、総合設計制度の利用を可能にし、200%の容積率緩和を受けているものと思われます。
 

(プレスリリースより引用、一部改変)


 
  • 低層から中層は賃貸住戸部分として供給されましたが、現在は分譲が開始されており、中古住宅の広告は一定数掲載が続いている状況にあります。
  • 免震構造、スケルトン・インフィル形式、内廊下、各階ゴミステーション、コンシェルジュ、4段階のセキュリティ、ディスポーザー、オール電化、床暖房、ハイドア等を採用し、10年が経過した今でもハイグレードマンションとして知られています。また、エレベーターを目的階数により分けており、これは本市における分譲マンションとしては唯一の導入であると思われます。
  • 立地に関しては、最寄り駅等まで微妙な距離であり、かつ直近にスーパー等があるわけではないため、下流国民の感覚としては必ずしも便利な立地とはお世辞にも言い難いですが、事業主が森トラストということも手伝って、ステータスを求める層に特に人気があるマンションです。
  • 仙台トラストシティ、すなわち仙台トラストタワーもザ・レジデンス一番町も、竣工のおよそ半年後に東日本大震災に見舞われる不遇がありましたが、見事に乗り越え、本市のランドマーク的存在として立派に君臨しています。
 



掲示板:ザ・レジデンス一番町

 

中心部②:アップルタワーズ仙台

若林区五橋、アパ、2008年12月竣工、地上18階 or 30階建、総戸数386戸

 



 
  • 仙台駅から直線で約700m南に位置しています。総敷地面積は、10,446.67m2であり、APA仙台プロジェクトとして、アップルタワーズ仙台と称される分譲住宅が2棟、その他に賃貸住宅が1棟、ホテルが1棟で構成されています。
  • 分譲住宅は、① 30階建、288戸のブローディアタワー、② 18階建、98戸のアベリアタワー (2008年10月竣工) です。また、賃貸住宅 (レジディアタワー仙台) は、19階建ての総戸数67戸であり、2008年1月に供給されています。さらに、アパヴィラホテル仙台駅五橋は、20階建、610部屋の規模で2008年2月開業しています。
  • アップルタワーズ仙台は、後記の ライオンズタワー仙台広瀬 にはおよびませんが、本市の分譲マンションの中でも共用施設が充実しており、特にアパグループならではの温泉 (しかも天然) は頑張って掘削して目玉商品として注目されていましたが、残念ながら配湯は廃止されました。また、中心部に近いながらも100%自走式駐車場を採用したことは、控えめに言っても素晴らしいです。建物は、オール電化、内廊下 (ブローディアタワー) が採用されています。
  • 主な共用施設:パーティールーム、ゲストルーム、和室、シアタールーム、カラオケ、ライブラリー、オーナーズラウンジ、
  • 主な共用設備:各階ゴミステーション、パティオ (中庭)、ペット足洗い場とバスルーム、洗車機
  • 附帯サービス等:コンシェルジュ、24時間警備
  • マンション管理に関しては、自主管理ではないものの、公式ウェブサイトによる情報配信や管理組合の法人化など積極的に活動をしているようです。
 





掲示板:アップルタワーズ仙台

 

中心部近郊①:ツインタワー広瀬川・春圃NORTH23、ツインタワー広瀬川・春圃SOUTH21

若林区河原町、住友商事、1995年2月竣工、地上23階 (北棟) or 21階建 (南棟) 地下1階建、総戸数142戸

 



 
  • 本市において最初のツインタワー、かつ複合用途型 (住宅、医療、保育園、飲食店等) のマンションです (河原町一丁目西地区第一種市街地再開発事業)。
  • 敷地面積は、およそ4,000m2あり、建物は内廊下です。
  • 前面道路は車通りの多い4車線道路ですが、向側は広瀬川沿いであり、景観に優れています。また、駅やバス停が目の前にあり、ちょっとしたスーパーも約100mの地点にあります。
 

中心部近郊②:ライオンズタワー仙台広瀬

青葉区広瀬町、大京、2002年12月竣工、地上32階地下1階建、総戸数421戸

 



 
  • 一言で表すと、ぶっ飛んでます。
  • 竣工当時において仙台で一番が随所にあり、現在は築20年程度ですので経年を感じる部分はあります。それでも共用部分の豪華さ等は、他物件の追随を許していないと思っています。
  • 敷地面積は、9,918.81m2です。公開空地だけでも4つあり、それらだけでもおよそ2,400m2を超え、これによる総合設計制度の利活用により100%の容積率の割増しを可能にしています。また、建物と独立した低層棟には、セブンイレブン、複数のクリニックや薬局等の店舗が誘致されている複合型マンションでもあります。
 

(プレスリリースより引用、一部改変)


 
  • 建物:免震構造、超高強度コンクリート (100N/mm2)、梁の少ない工法 (プレテンションボンド工法)、床暖房など
  • 共用施設:ゲストルーム、展望パーティールーム、フィットネスジム、プールとジャグジー、多目的スタジオ (ピアノ、音響、映像設備等)、茶室、リラクゼーションルーム、クリエティブスタジオ (工具、陶芸用窯等)、ギャラリー (陶芸、絵画)、ライブラリー、キッズルーム、ミーティングルーム、保育園
  • 共用設備等:マザーレイク (水の中庭噴水)、各階ゴミステーション、シースルーエレベーター
 

(上から見たマザーレイク、プレスリリースより引用)


 
  • 附帯サービス:コンシェルジュ、指紋照合システム
  • マンション管理については、自主管理の方式をとっており、アップルタワーズ仙台 と同様に管理組合を法人化しています。
 

南方面エリア①:パークタワーあすと長町

太白区あすと長町、三井不動産レジデンシャルおよび伊藤忠都市開発JV、2019年7月竣工、地上28階建、総戸数468戸

 
  • 単棟構成での総戸数468 戸は、東北地区で最大規模です。
  • 建物はセットバックされていますが、三井不動産が土地と建物を所有している商業棟を前面道路側に配棟することにより、容積率の緩和を可能にし、この規模が実現されたものと思われます。
  • 外観的特徴は、上から見ると「コ」の字形をしており、主要採光は南、東、西リビングと3方向に分かれます。
  • 主な共用施設は、オーナーズラウンジ、ゲストルーム、スタディルーム、キッズルーム、パーティールーム (主に2階に集約) 等があります。また、シェア備品、レンタサイクル (無料)、カーシェア、電気自動車充電器などに代表される附帯サービスも充実しています。
  • 駅前でありながら、およそ6,600m2の敷地面積を有し、駐車場率は約70%であるものの、約300台が平置もしくは自走式駐車場を採用しており、機械式は24台と少なめになっています。
  • 商業棟には、医療施設やフィットネスジムが入っています。
掲示板:パークタワーあすと長町

 

南方面エリア②:ライオンズタワー仙台長町

太白区長町、大京、1999年3月竣工、地上31階地下2階建、総戸数257戸

 
  • 駅直結が最大の魅力であり、商業施設等も入っている複合型マンションです。
  • 本市における最高層のマンションでもあります。
  • 大京は、この後、本市で次々と大規模高層タワーマンションを供給しますが、その先駆けとなった物件です。
  • 東北最大戸数マンションと最高層マンションが並んでいる姿は、圧巻です。
 



 

郊外:ダイアシティ2000茂庭

太白区茂庭台、ダイア建設、1990年から1995年にかけて分譲、総戸数939戸



 

茂庭台団地


 
  • 本市の数ある分譲マンションの中でも、郊外感はぶっちぎりです。
  • この一帯は、茂庭台団地と称され、本市の新住宅市街地開発事業により開発されました。交通アクセス (高速道路、空港、港、鉄道) の整備に加えて、安定した経済成長 (本市は、支店が多い) に伴う人口増加を狙った住宅需要を見込んだものと思われます。この事業自体は、都心部の周辺地区において、自然環境との調和を図りながら、住宅地を供給する事が目的でした。
 



 
  • 1987年には、当該地域を経由するモノレール計画が発表されました。偶然か必然か、ちょうど分譲マンションが供給される時期と重なり、さらに人口増加に拍車をかけました。しかしながら、この計画は、結果的には頓挫する形で終わっています。
  • 茂庭台団地は、戸建住宅から供給されており、生活基盤として、ショッピングセンターや医療施設、公園等も整備されており、ニュータウンとしての機能を果たしています。このエリアに住む方々を「モニー」と称する事もあるようです。
  • さて、分譲マンションに関しては、4丁目に集約されています。A1リッヂは40戸、ダイアシティ2000茂庭A2リッヂ は88戸、A3は98戸、A4は64戸、B1とB2はそれぞれ118戸、ダイアシティ2000茂庭C1リッヂ は246戸、C2は40戸、ダイアシティ2000茂庭C3リッヂ は127戸であり、総計では9棟、総戸数939戸のまさにマンモス団地の様相を呈しています。現時点までの本市における分譲マンションは、団地型を含めても500戸以上の供給実績はありませんので、いかにずば抜けているかが分かります。
 



 
  • 特筆すべきは、アトラスタワー33と称される ダイアシティ2000茂庭C1リッヂ です。33階建 (高さは、108.70m) ですが、これは本市における最多階数になっています (最高層ではありません)。このロケーションに33階建の高層マンションを実現した挑戦力も凄いですが、このマンションから見える景色は、どのような風情を与えてくれるのでしょうか。
 

おわりに

  • 当記事では、仙台市におけるエリア別の代表的な分譲マンションを紹介しました。
  • 前記以外にも駅直結、商業施設ないしはオフィスを有する複合型マンション、さらにはペンシルタワーマンションとして目立っているマンション等を代表として、数多くの紹介に値する物件がありますが、これらについては独断と偏見で割愛させて頂きました ← 中古分譲マンション紹介の第二弾の記事を作りました ( 仙台市の中古分譲マンション事情 (中心部編) )
 

宣伝

  • 分譲マンションの選定等に関する有料相談を行っています。相談料等は、後記のフォームを参照下さい。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/5e9f6e89720926

この記事を見ている人はこちらも見ています

記事に出てきた物件の掲示板

その他コンテンツ

ABOUTこの記事をかいた人

トミーのスムラボ物件マップ:こちら

個人ブログ:トミーのオミックス的解析

youtube:こちら

宣伝:分譲マンションに関する有料相談

[寄稿] マンションコミュニティ:スムラボ派出所スレ

記事にコメントする

「コメント」と「ハンドルネーム」は必須項目となります。

※個別物件への質問コメントは他の読者様の参考のためマンションコミュニティ
 「スムラボ派出所」に転載させて頂く場合があります。
※日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)