皆さん、こんにちは。
今回レビューするマンションは名古屋市中区栄二丁目の「アネシア栄 THE CITY」です!
目次
物件概要
所在地:愛知県名古屋市中区栄2丁目1613番
交通:名古屋市名城線「矢場町」駅 徒歩9分(4番出入口)
名古屋市鶴舞線「大須観音」駅 徒歩8分(2番出入口)
名古屋市東山線「伏見」駅 徒歩10分(5番出入口)
名古屋市東山線「栄」駅 徒歩14分(8番出入口)
総戸数:69戸(非分譲住戸1戸含む)
敷地面積:572.35㎡
階建て:地上15階地下1階建て
駐車場:8台(月額使用料/未定)
駐輪場:35台(月額使用料/未定)
分譲後の権利形態:敷地は一般定期借地権(地上権)の準共有、建物は区分所有
借地権の期間:2090年2月28日まで
完成時期:2022年12月中旬予定
入居時期:2022年12月中旬予定
用途地域:商業地域
事業主:トヨタホーム株式会社
売主:トヨタホーム株式会社
販売代理:双日新都市開発株式会社
名古屋レジデンシャル株式会社
施工会社:大豊建設株式会社 名古屋支店
設計会社:柴山コンサルタント株式会社一級建築士事務所
掲示板:トヨタホームのアネシア栄 THE CITYってどうですか?
売り主はトヨタホームで名古屋都心物件の第一弾です(これまでのトヨタホームは郊外物件多かった)。
定期借地権(実質68年定借)
土地は「箙屋」という不動産会社(この部分は不明確)が所有している土地になります。期間は70年の定期借地権で「前払地代方式」になります(権利金方式と比較すると、前払地代方式は課税が期間割になるので土地所有者には都合の良い方式なのでしょう。)。故に、物件価格に前払地代が含まれていますので、通常の所有権の物件のように”物件価格の全額が住宅ローン減税の対象になるわけでない”点には注意が必要です。
また、70年といっても工事着工時(2020年)からですので、竣工ベースでは残存期間は68年になります。
周辺(駅近物件ではない)
どの駅からも絶妙に遠いですが一応3路線使えますね。ただ最大の特徴は見ての通り「白川公園」に隣接していることです
基本的に日常の買い物は、大須の「サノヤ」か業務スーパーに行くことになると思います。大須まで行けばスギ薬局などのドラッグストアなどで日用品も揃いますし。
上記の通り、白川公園に隣接しているとはいえ、決して立地的に恵まれてる物件ではありませんので、以降の説明で不便を引き換えに得られる”何か”があるかが重要ですね。
敷地配置(よく考えられた設計)
敷地は西側の白川公園沿いと、東側の本町通沿いの2面接道になっています。ここで注目してほしいのは、並んでいる同じ街区の建物(マンション、オフィス等)は反対の本町通沿いにメインのエントランスを設けているのに対し、本物件はメインエントランスが西側の白川公園沿いに設けられている点です。本町通沿いはコンビニや居酒屋、アパレルのセレクトショップ(夜は電飾が強め)があって人通りも多くなるので、喧騒を避けるためにメインエントランスを逆側にしていると思われます。
さらに、その本町通側は駐車場とし、サブエントランスを壁(3.6m)のような造りにすることで本物件と本町通を一層隔離した設計としています。この設計をした人は周辺環境(昼だけなく夜も)をよく見ているなと思いますね。
ただ、とても残念なポイントもあって、駐輪場が2階にあるのですが、1基の住戸階を行き来するエレベーターを共有で使う点です。エレベーター自体も通常の13人乗りですし、朝はバッティングが頻発することが想定されますので結構キツい設定だなと。さらに、導線も分けれていない(人が通り導線と同じ)ため、車輪が汚れたまま通ったり、ぶつけたりなどの汚損も心配ですね。
共用部(カッシーナが監修!)
共用部はシンプルでありながらカッシーナが監修したアートが飾られたりと、ちょっとしたこだわりを感じられる造りとなっています。特に二層吹き抜けというわけでもないですし、三次元的にゆとりを感じるということはないですね。
外観としてはそこまで立派なものとは言えませんが(規模的にも)、板状のマンションらしくバルコニーの隔て板はコンクリートになってますし、チープな印象もありません。特徴として2、3階の庇が斜めカットされているのが面白いですね。
個人的に気に入ったのが、バルコニー手摺のガラスが、室内から外を見る部分は透明、洗濯竿をかける部分は不透明とすることで、室内からの眺望も楽しめつつ、外からの景観にも配慮している(透明ガラス部分に洗濯物等が見えると景観としては美しくない)という点です。敷地配置の件といい、本部件の設計者の考えは素晴らしいですね!
ちなみに画像のヘリンボーン柄のタイルは標準です。
この内廊下はカッコいいですね!廊下の進行方向と同様の向きに玄関ドアがくるのは「シティタワー武蔵小杉」感があって好きです!(全然関係ない物件の例えですみません)。しっかりと玄関前カメラと電子錠付きです。
設備仕様(不満)
■良い点- ディスポーザー
- 食洗機
- 浴室ミストサウナ
- ローシルエットトイレ(蓋の自動開閉)、手洗いカウンター
- キッチン水栓グローエ製
- 全ての収納扉にソフトクローズ
- Low-E複層ガラス
- バルコニー隣戸境がコンクリート
- 各住戸宅配ボックス
- 内廊下
- 玄関電子錠
- 玄関前カメラ
- 見守りカメラ
- 断熱性能等級4
- 直床
- キッチン天板人工大理石
- 浴室ブランケットライト
- 収納扉裏が木目調合わせでない
【モデルルーム訪問12】バンベール千種ザ・ファースト(50周年記念プロジェクト?)
この戸数でディスポーザーがあるのは確かに立派ですが、キッチン天板が人工大理石なのはどうかと。決定的にマイナス面があるというよりもプラス要素が少ないと言った方が適切かもしれませんが。
特徴的なものでは、見守りカメラが標準でついており(画像右上の天井付近)、スマホアプリと連携して外出先で室内の状況を確認することができます。
共用部と同様に専有部についてもカッシーナとコラボしており、建具や床、壁紙などを監修してますのでちょっと普通のマンションと違うものが欲しい人や単純にカッシーナ好きな人にはいいかもしれませんね(確かになんとなくソファとテーブルが床や壁紙の雰囲気とマッチしてる気もします)。
ランニングコスト(結構重い)
管理費:約190円/㎡修繕積立金・解体準備金:約167円/㎡
地代:約218円/㎡
一番大きい専有面積のAタイプ(56.15㎡)で
管理費:10,700円
修繕積立金・解体準備金:9,400円
地代:12,284円
その他(インターネット使用料:1,650円)
合計:34,034円
地代が乗るので当然ですが月のランニングコストは結構高いですね。修繕積立金と解体準備金が合計で表記されているのが気になります。このあたりの修繕計画は必ず購入前に見せてもらう必要があると思います。
駐車場は8台平置きで白川公園側の2区画が37,500円、本町通側の残り6区画が39,500円と結構立派な料金を徴収しますね。平置きで機械式のような修繕の心配がないとすると維持管理にはプラスですが、まぁ台数は足りないとは思います…。
間取りと価格(上下の価格差はなし)
フロア構成は西の白川公園側にA~C、東の本町通側にD、Eタイプが配置されてます。(間取り画像はクリックすると拡大します。)
Aタイプ 2LDK 56.15㎡
13階 5,190万円台(坪305万円台)
7階 4,990万円台(坪293万円台)
4階 4,590万円台(坪269万円台)
Bタイプ 2LDK 45.50㎡
13階 3,990万円台(坪289万円台)
10階 3,950万円台(坪286万円台)
7階 3,890万円台(坪282万円台)
4階 3,590万円台(坪260万円台)
Cタイプ 2LDK 52.39㎡
15階 4,990万円台(坪314万円台)
13階 4,790万円台(坪301万円台)
10階 4,690万円台(坪295万円台)
7階 4,590万円台(坪289万円台)
4階 4,290万円台(坪270万円台)
Dタイプ 2LDK 48.29㎡
13階 4,090万円台(坪279万円台)
10階 3,990万円台(坪272万円台)
7階 3,890万円台(坪265万円台)
4階 3,590万円台(坪245万円台)
Eタイプ 1LDK 37.79㎡
14階 3,090万円台(坪269万円台)
11階 3,050万円台(坪266万円台)
8階 2,990万円台(坪261万円台)
5階 2,890万円台(坪252万円台)
坪単価は予定価格の平均で坪270~280万円ほどです。ただし当然、白川公園側のA~Cに価格が盛られてますので、A~Cの平均では280~290万円ほどになるでしょうか。
後述しますが、8階付近が一番眺望的な魅力があるのでそれ以上の階数と価格差はあまりありません。
眺望(これは素敵)
いつもならGoogle earthで作成するのですがせっかく公式に素晴らしい眺望シュミレーション画像があったのでそちらを載せます!
これは8階相当のシュミレーションですが最高の景色ですね!白川公園の緑とその先に広がる伏見・名駅のシティービュー…伏見・名駅も更に高層化が進んでいけば眺望の変化も楽しめますし、これが半永久眺望ですから最高としか言いようがありません。
この眺望は駅から歩くだけの価値は充分にあると思います!
総評(周辺中古の方が…)
眺望は最高なのですが価格的にちょっとお高いかなと。というより「なぜ定借なんだ?」という気持ちがどうしても拭えないですね。直近の定借物件であった「ローレルタワー名古屋栄」程度の立地(伏見駅徒歩4分)のように明らかに土地自体に希少性があれば定借でも納得のいく部分もあるのですが、白川公園周辺はずらっと中古マンションが並んでますから(ちなみに2018~2020年は伏見エリアで異例に供給が多かっただけで通常それほど出物があるエリアではないです)。しかも、白川公園物件の中でも末席にあたるわけですし、所有権であったらなというのが正直な感想です。実際に「グランアルト栄」(2018年築)で西向き中層の中古相場がだいたい坪270~280万円程と考えると、ほぼ本物件と同じぐらいの単価ということになりますから割安感はないですね。ただ、面積帯がかなり異なる(本物件の方がコンパクトである)ことを考慮すると単純比較はできないのが難しいところ(もう少し古い「ライオンズシティ栄本町通」(2003年築)を見ても同様)。
なので、しっかり白川公園が臨めるA~Cタイプの中からであれば、個人的にはBタイプ一択ですね(周辺中古と明確に面積帯が異なるため)。グロスも小さいためランニングコストを抑えられてますし、本物件の魅力は眺望ですから、明らかにメインターゲットは2人世帯なので狭かろうが一番の目的を果たせていれば問題ないかなと。A、Cは角住戸ですが、窓面がそれほど豊富なわけではないですし、キッチンの位置も褒められたものではないので、使い勝手がそこまでBタイプと違わないと思います(面積はそれなりに違いますが)。Bタイプは中住戸ですが、リビングインと洋室の間のスライドドアの方立てがほぼないため、ドアを開け放てばかなり開放感のあるリビングとしても使えますので○です。
階数としては、8階あたりが理想ですが、電線を超えてくる5階あたりもおそらく7~9階との価格差もありながら、しっかりと緑とシティビューを臨めるので狙い目かと思います。
D、Eタイプは…ノーコメントで。というわけにもいかないので一応書きますが周辺中古を買うのがおすすめです。例えば「グランアルト栄」にも東側住戸には同様の面積帯の住戸が本物件以下の価格でよく出てますので。
新築で眺望画像のようなビューを手に入れたいのであれば購入を迷わなくてもよいとは思います。ただ、定借なりのデメリットはしっかりありますし、駅近物件ではないので中古で出してさらっと売り抜けられるような物件でもないので、多少腰を据えて住む方に合ってくると思います。その点Bタイプを買うことで万一のリスクヘッジした方が良いというのが持論です。
40平米以上の住宅ローン減税に間に合えばBタイプはより”アリ”かなと思うので、適用できるかの確認も含めとりあえず気になる方はMR訪問をしてみてください。
本物件に対するご質問等御座いましたらコメント欄等でお願いします!
同棲するのにDタイプを検討していましたが、仕事柄転勤ありの為、売り抜けるかが不安でした。。。
この記事を見てやはりすっと売り抜ける可能性が高いのは白川公園側だと感じました。
貴重なレビューありがとうございます!
えびひろ様
コメントありがとうございます。
ご参考になったのであればよかったです!