住宅ローン手数料、結局「定率2.2%」と「定額型」どっちが得なん? 共働きアラサーが5,000万円借りる前提で全部計算してみた【モルモット】

[スムラボ編集部より] 本ブログ記事の情報は投稿日時点のものです。現在の販売情報は物件公式サイトをご参照下さい。

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こんにちは、モルモット滋賀です。

 

以下のような、よくある一般的な30代夫婦 初めてのマンション購入を想像してください。

【先日マンションを買って、住宅ローンを組みました。借入は5,000万円台、変動金利で年1.3〜1.5%レンジ、共働きのペアローン。完全に初めての住宅購入で、書類の山と専門用語の渦に呑まれそうになりながら、なんとかゴールにたどり着いた感じです。

その過程で一番悩んだのが「事務手数料の払い方」と「団信のかけ方」でした。同じ銀行でも「定率型(借入額×2.2%)」と「定額型(数万円〜数十万円)」を選べたりするんですが、これ、選び方次第で総支払額が100万円以上ブレる。団信もオプションで0.3%上乗せとか言われると、35年で300万円超のインパクトになるので、軽く考えると後で泣きます。

ネット記事は「金利が安い定率型がトータルでお得です」で終わっているものが多いですが、自分のケースで電卓を叩いてみると、それだけだと判断を誤りそうな要素がいくつもありました。途中で家を売る可能性、浮いた手数料を運用に回したらどうなるか、金利上昇のシナリオ、団信の給付条件の違いなど。】


今回は、共働きで初めて住宅を買う30代を想定読者にして、5,000万円・35年で借りる前提でガチで掘り下げます。少し長いですが、読み終わるころには「自分の場合はこうかな」という判断軸が持てるはず。

目次





はじめに:この記事は「変動金利で借りる前提」で書いています

最初にスタンスをはっきりさせておきます。この記事は変動金利で借りることを前提にしています。固定金利を選ぶ場合、計算の組み立ては大きく変わってくるので、別途検討してください。

なぜ変動前提か。共働き30代で初めて家を買う層に対して、変動金利で借りて浮いた利息分を運用や手元資金に回す、というのが理屈の上で最も合理的だと考えているからです。低金利の恩恵を直接受けながら、急上昇リスクは繰上返済や運用資産の取崩しで吸収する設計。

ただし、ここで強く言いたい。

変動金利でないとキャッシュフローが回らない物件価格設定は、ほぼ確実に背伸びです。

固定で借りたら毎月の支払いが2〜3万円増えて家計が破綻するから変動にする、という発想で家を買うのは危険。変動金利が今後1〜2%上がっても余裕で返せるくらいの予算感で物件を選んだうえで、「結果として変動を選ぶ」のが正しい順序です。手段(変動)と前提(余裕ある予算)を取り違えるとあとで詰みます。

この記事の話は、その前提条件をクリアした人向けの最適化の議論、と思って読んでください。






第1章:そもそも「手数料定率型」と「定額型」って何が違う?

住宅ローンを組むとき、銀行に払う事務手数料(融資手数料、取扱手数料とも呼ばれる)には大きく2つのタイプがあります。

ひとつめが定率型。借入額に料率をかけて出すタイプで、ほぼどこの銀行でも借入額×2.2%(税込)に設定されています。5,000万円借りたら手数料は110万円。物件価格や登記費用とは別に、契約時にこの110万円を持ち出す必要があります。

もうひとつが定額型。借入額にかかわらず数万円〜数十万円で固定。代表例を見ていきましょう。


楽天銀行:そもそも定額しかない=金利が高め

楽天銀行の住宅ローン(金利選択型)は、事務手数料が一律330,000円。借入額1,000万でも1億でも同じ。借入額が大きいほど割安になる構造です。滋賀の物件だとあまり出番はないかもですね。

ただし、楽天は「定率型を選んで金利を下げる」という選択肢がそもそもありません。定額のみ。その代わり、変動金利は2026年5月時点で約1.378%。一方、定率型2.2%を採用する三菱UFJ銀行・住信SBIネット銀行などの最安水準は0.95%前後。差はざっくり+0.3〜0.4%です。

要するに、楽天で借りるなら「初期手数料は安いけど、金利は最安水準より0.3〜0.4%高い」というトレードオフを受け入れることになる。


ソニー銀行:3商品あって混乱しやすい

ソニー銀行は商品設計がややこしくて、初見だとほぼ確実に間違えます。3つあります。


商品名 事務手数料 金利水準(2026年5月変動) 向き
変動セレクト住宅ローン 借入額×2.2%(定率) 約1.347% 変動で安く借りたい人
固定セレクト住宅ローン 借入額×2.2%(定率) 当初固定が安い 長期固定を選ぶ人
住宅ローン 44,000円(定額) 変動セレクト+0.5%前後 手数料を抑えたい人

「ソニー銀行=手数料44,000円で安い」と思っている人が多いですが、それは3つのうち「住宅ローン」プランの話。金利が安い「変動セレクト」を選ぶと、手数料は普通に定率2.2%です。

実際、変動セレクトの変動金利でも1.347%なので、最安水準(0.95%前後)からは+0.4%程度。さらに定額44,000円の「住宅ローン」プランだとそこから+0.5%上乗せされ、変動金利1.8%前後の世界になります。


ろうきん:条件が揃えば「ほぼ印紙税のみ」で契約できる

ここからが今回の隠れた主役。労働金庫(ろうきん)です。

ろうきんの手数料は、申込人の属性や会社のアレで大きく変わります。中央ろうきんの例だと、


  • 会員組合員(労働組合に加入していて、その労組がろうきんに出資している人):事務取扱手数料11,000円、保証料0円のケースあり
  • 生協組合員:33,000円
  • 一般勤労者:55,000円(電子契約時)〜

近畿ろうきんに至っては、会員組合員と生協組合員は事務取扱手数料が無料というケースもあります。電子契約を選べば印紙税も不要。条件が揃うと、本当に印紙税の数万円だけで契約まで進めるパターンがある。

ただし注意点として、ろうきんの金利は最安水準より+0.3〜0.4%程度高めが目安。近畿ろうきんの変動金利は最優遇で約1.235%(2026年4月時点)。労組加入企業の従業員という条件があるので、誰でも使えるわけじゃないのが弱点です。


協同住宅ローン:知る人ぞ知る低手数料勢

JAバンクなどを経由して取扱われている協同住宅ローン株式会社の商品。事務手数料は33,000円固定。JAなんとか県の住宅ローンとして店頭で組成されるパターンが多い。

ネット系の派手なPRがないので存在自体マイナーですが、JA経由で組めるという縛りはあるものの、低手数料の選択肢として一見の価値あり。金利水準はろうきんと同じく、ネット最安より+0.3〜0.4%が相場感です。


初期費用、こんなに違う

ここまでを整理するとこんな感じ。


タイプ 事務手数料(5,000万円借入時) 変動金利の目安(2026年5月)
定率型2.2%(ネット銀行最安系) 1,100,000円 0.95%前後
楽天銀行(定額) 330,000円 1.37%前後
ソニー銀行 住宅ローン(定額) 44,000円 1.8%前後
ろうきん(一般勤労者・電子契約) 55,000円目安 1.23〜1.30%前後
ろうきん(会員組合員) 無料〜11,000円 同上
協同住宅ローン 33,000円 1.30%前後(頭金1割必須ですが今回はややこしいので無視)

初期費用の最大差は約110万円。これだけの差があれば、単純な総コスト比較だけで決められない問題が見えてきます。






第2章:5,000万円・35年でガチ計算してみる

じゃあ実際に総支払額(初期手数料+35年間の利息)を比較していきます。前提は借入5,000万円、返済期間35年、元利均等、ボーナス払いなし。金利は変動でずっと一定という単純化条件で。


タイプ 金利 月返済 35年の利息 事務手数料 総コスト
定率型2.2% 1.3% 148,241円 約1,226万円 110.0万円 約1,336万円
楽天(定額33万) 1.5% 153,092円 約1,430万円 33.0万円 約1,463万円
ろうきん一般(電子契約) 1.6% 155,553円 約1,533万円 5.5万円 約1,539万円
協同住宅ローン 1.6% 155,553円 約1,533万円 3.3万円 約1,537万円

定率型は楽天より127万円、ろうきん/協同住宅より約200万円トータルが安い。「定率型一択ですね、解散」と言いたくなる結果です。

でもここで意地悪な視点。これは35年フル返済する前提の数字ですからね。途中で売却したり借り換えたりしたら、定率型で先払いした110万円は返ってきません。

そこで損益分岐点(定率1.3%と楽天定額1.5%の累積利息差が、手数料差77万円を超えるタイミング)を計算してみました。


経過年 累積利息差(定率の節約) 手数料差77万を上回ったか
3年 29.3万円 ×
5年 47.9万円 ×
7年 65.7万円 ×
9年 82.8万円 ○(分岐点)
10年 91.0万円
15年 128.5万円
20年 159.6万円

楽天と比べた場合、9年以上保有しないと定率型のほうが損になります。10年以内に売却・住み替えがあるなら、むしろ定額型が安く済む。

ろうきんや協同住宅ローン(手数料差は約105万円)の場合、損益分岐は11〜12年目あたり。

35年もの間、同じ家に住み続けるか? 共働き30代の感覚では、子供の進学、転勤、親の介護、住み替え志向の変化など、想定通りに35年間動かないシナリオはむしろ稀かもしれません。住宅金融支援機構の調査では住宅ローンの平均完済年数は15年強というデータがあり、フル返済まで持つ世帯のほうが少数派です。






第3章:単純な総額比較じゃ見えない4つの観点

ここからが本題。総コストだけ比べて「定率型が一番安い」と決めるのは、いくつかの大事な要素を無視しています。順番に見ていきましょう。


観点①:浮いた手数料を運用に回したらどうなる?(でも単純じゃない)

定率型と楽天定額型の手数料差は77万円。この77万円を初期に出さなくて済む、と捉えれば、その分を投資に回す手があります。

ここでよくある計算が、77万円を全世界株インデックス(オルカン)に突っ込んで年率7%で35年運用したらこうなりますよ、というやつ。

77万円 × (1.07)^35 ≒ 約822万円

定率型の利息節約効果(楽天比で約204万円)を圧倒的に上回ります。「じゃあ定額型+運用が圧勝じゃん」となりそうですが、ここで重要な落とし穴を3つ整理しておきます。

ひとつめ、77万円を本当に投資に回しているか。多くの人は「家具にあてた」「予備費に温存した」で結局運用しません。気づいたら使ってる、というやつです。

ふたつめ、リスクの種類が違うものを単純に比較しちゃダメ。住宅ローンの「1.3% vs 1.5%」は確実な差。投資の不確実なリターンと等価で語れない。

みっつめが、これが意外と知られていないんですが、年率7%って表面上の数字で、実現する複利リターンは大きく下がるんです。これ、ボラティリティドラッグといって、株式運用の本質的な性質。


ボラティリティドラッグの話

ちょっと話が逸れますが、運用の議論をするうえで超大事なので説明させてください。

たとえばこんな極端な例。


  • 1年目:+30%
  • 2年目:-30%
  • 3年目:+30%
  • 4年目:-30%

算術平均は0%です。でも実際に100万円を投資したらどうなるか。

100万 → 130万 → 91万 → 118.3万 → 82.8万

4年で17万円も減ってる。算術平均ゼロでも、ボラティリティ(変動幅)があると幾何平均(実現リターン)はマイナスに沈むんですよね。これがボラティリティドラッグの仕組み。

近似式で書くと、

幾何平均リターン ≈ 算術平均リターン − (標準偏差²/2)

全世界株インデックスの長期データだと、算術平均リターンは年7%前後、標準偏差は約18%。代入すると、

幾何平均 ≈ 7% − (0.18² / 2) = 7% − 1.62% ≈ 5.38%

実現する複利リターンは約5.4%。これで77万円を35年運用すると、

77万円 × (1.0538)^35 ≒ 約482万円

「7%で822万」と「5.38%で482万」では340万円違います。「インデックスは長期で7%取れるから」という説明はざっくり半分くらい嘘ということ。長期投資をする前提で語るべきは算術平均ではなく幾何平均だし、さらに為替リスクや暴落時の心理的耐性(売っちゃう人がいる)も加味すれば、現実の実現リターンはもっと下振れます。


じゃあ実際に最頻値はいくつなのか?

ここがこの記事で一番伝えたい部分。「期待リターンは○%」という言い方は曖昧なので、モンテカルロシミュレーション(過去データから乱数で35年分の年次リターンを生成→年率換算、を10万回繰り返す)で出してみました。算術平均と標準偏差は歴史データから取っています。


インデックス 条件 35年運用後の最頻値(年率) 中央値 10%下振れ
S&P500 算術10%・標準偏差16% 約8.3% 約8.85% 約5.5%
S&P500(税引後) 譲渡益課税20.315%控除 約8.0% 約8.18% 約4.93%
オルカン 算術7%・標準偏差18% 約5.0% 約5.51% 約1.77%
オルカン 算術8%・標準偏差18% 約6.0% 約6.54% 約2.79%

ここで言う最頻値とは、10万回シミュレーションした結果のうち、いちばん出やすかった年率リターンのこと。「もっとも実現しやすい結果」とイメージしてください。

ポイントは2つ。

S&P500のような米国一国集中インデックスのほうが、オルカン(全世界株)よりボラリスクが小さい(米国大型株中心で銘柄分散も効いているため)。最頻値も8%前後とそこそこ強い。

一方、オルカンは構成上の分散が広い反面、新興国・小型のボラを抱えるので標準偏差が大きく、最頻値は5-6%まで下がる。

そして、これが今回いちばん書きたかった結論なんですが、この最頻値を超える金利になるなら、運用を続けるより繰上返済や頭金増額のほうが理屈で合理的になるということ。(理論上 期待値上は)

数字で整理すると、


  • S&P500ベースで考える人:変動金利が年8%を超えるなら、運用より繰上が勝つ確率が高い
  • オルカンベースで考える人:変動金利が年5-6%を超えるなら、運用より繰上が勝つ確率が高い
  • 下振れ10%シナリオ(税引後)で見るなら、変動金利5%程度でも繰上が勝つ可能性が出てくる

裏返すと、変動金利が3-4%程度で推移するうちは、運用継続のほうが期待値で勝つ。今は変動0.95-1.5%レンジなので、繰上を急ぐ局面じゃない、というのが理屈の結論です。

ただし強調しておきたいのは、これは最頻値であって保証ではないこと。10%下振れのシナリオが現実になれば、税引後で年5%を切ることもある。最頻値8%だけ見て「8%まで金利が上がっても余裕」と決め打ちすると、下振れ時に詰みます。

 

それでも、ろうきんや協同住宅ローンの手数料差105万円を運用に回すシナリオなら、35年で約655万円(幾何5.38%)。定率の利息節約効果200万円を上回るので、運用前提なら定額型の優位は変わりません。

ただし、これは「絶対に運用を継続できる」「暴落で売らない」「リターンが平均並み以上」を全部クリアした場合の数字。リスクの性質を理解したうえで覚悟を決められる人だけが取れる戦略です。

というかあまりにも机上の空論な気がしてきました。そんなにS&P強いのかよと。後この考えは頭金をいれるかどうか?にもかかわってきます。

頭金は繰り上げ返済を最初にやるようなものなので別にしなくていいと思いますが、頭金を入れることが融資の条件な時もありますね。

手数料安くても頭金が必須なら・・・また話がややこしいです・・・。

基本は【理屈上は】「とにかく手元に現金を残して運用したほうがいい それを上回る金利になることは基本ないのだから」となりますが、メンタルや現実のイベント的にそれができるのかどうか怪しいところです。

 

観点②:途中売却・借り換えのリスク

第2章で書いたとおり、住宅ローンの平均完済年数は15年強。35年保有を前提にした計算は楽観的すぎる可能性が高いんです。

加えて、借り換えという選択肢もある。金利情勢が変わったり自分の信用力が上がったり(年収アップ、勤続年数増)すれば、より良い条件で借り換えできるかもしれない。借り換え時には事務手数料が再度発生するので、最初に110万円払ってから借り換えで再び100万円払うのはダメージがでかい。

一方で定額型は、最初の手数料が安いので、借り換え時のダメージも軽い。「いつでも逃げられる体勢」を保てるのが定額型の隠れたメリットなんですよね。


観点③:手元現金の厚みは何にも代えがたい

これが個人的に一番大事だと思っているポイント。

5,000万円借りる前提で、定率型なら事務手数料110万円、登記費用や火災保険、修繕積立基金などを含めると初期費用合計で200〜300万円が出ていきます。新婚で家具家電を揃える時期だと、加えてさらに100〜200万円が消える。

ここで「手数料を110万から3万に下げられる」って、手元現金の厚みが全然違ってきます。100万円以上の現金が手元に残るか、消えるかの差。

新婚で住宅購入の諸費用や手付金に加え、やれ結婚式だ新婚旅行だ 家具も家電も買うぞ~となるとなんやかんや、1000万円とかかかる 果たしてそんな現金をみんな持っているものでしょうか。

なぜ手元現金が大事か。共働き30代のリアルだと、こういうことが普通に起きます。


  • 突発出費(冠婚葬祭、医療費、家電故障、車関連)が毎年のように発生する
  • どちらかが転職、産休、休職する可能性
  • 子供ができたら教育費は青天井気味になる
  • 親の介護で予想外の出費

こういう読めないキャッシュアウトが35年で何度も来る。月の生活防衛資金(生活費6か月分くらい)に加えて、上澄みの予備キャッシュを別途持っておきたいわけです。

仮に「家を買って手元資金カツカツ→突発出費で消費者ローン」になると、住宅ローンの金利1.3%だの1.5%だの議論してたのが馬鹿らしくなる金利(年10%超のキャッシング)を払うことになります。

100万円が手元に残せるかどうか、地味だけど効く話なんですよね。


観点④:金利が上がったら繰上返済すべき?最頻値を超えたら検討

「金利が上がってきたら繰上返済」とよく言われますが、ここも単純じゃありません。

ネット記事でよく見るのが「変動金利が3%になっても、インデックスは長期で7%取れるんだから繰上返済せずに借りとけばよい」みたいなロジック。でもこれ、けっこう乱暴なんですよね。

理由は2つ。

ひとつは、上で説明したボラティリティドラッグ。インデックスの「7%」は算術平均で、実現する複利リターンの最頻値は税引後で5-6%(オルカンの場合)、S&P500でも8%前後。「7% vs 3%だから余裕で4%プラス」じゃなくて、現実は「最頻値5-8% vs 3%」、しかも投資側はボラリスクあり。

ふたつめは、これが効くんですが、ローン返済中のキャッシュアウトはあなたの生活費とほぼ同じ口座から出ていく一方、運用資産の取崩しは別のタイミング・別の心理状態で起きるという非対称性。

具体的にどういうことか。変動金利が3%、4%と上がっていく局面では、毎月の返済額が見えるかたちで増えます。家計簿に直接刻まれる。「来月から月5万円増です」と通知が来たら、人は確実にストレスを感じる。一方、投資資産は「いつか売れば取り崩せる」という時間軸の話で、損益は毎月の家計簿に出てこない。

このとき多くの人がやってしまうのが、

「金利上昇のストレス」 → 投資資産を売って繰上返済 → 売ったタイミングが暴落直後だった → 損失確定

の流れ。理屈の上では「最頻値8% vs 3%だから運用継続」が正解でも、人間の心理はそう動かない。とくに変動金利が4%、5%と心理的な閾値を超えた瞬間に、感情に流されてポジションを切ってしまう。てか私でもここまでいっといて金利5%なら繰り上げると思う。


じゃあ何%を繰上の閾値にするか

上で出した最頻値をそのまま判断基準に使うのが、いちばんイメージしやすいです。


  • S&P500中心で運用しているなら → 変動金利が**約8%**を超えたら繰上・頭金が理屈で勝ち始める
  • オルカン中心で運用しているなら → 変動金利が**約5-6%**を超えたら繰上・頭金が理屈で勝ち始める

注意点として、これは最頻値ベース。「最も起きやすいシナリオ」での閾値であって、下振れ10%シナリオ(税引後年4-5%)まで考えるなら、もっと低い金利(4-5%)で繰上検討を始めてもいいかもしれない。リスク許容度との相談です。

モルモット個人の判断基準は、運用ポートフォリオがS&P500とオルカン半々で、最頻値の保守側(オルカン側)に寄せて変動金利5%が一つの目安。それを超えてきたら、教育費フェーズや手元資金とのバランスを見ながら繰上・頭金増額を本格検討するイメージです。逆に5%未満で推移するうちは、運用継続が期待値で勝つので、無理に繰上しない。といいつつ、確定リターン5%の商品あったらインデックス投資よりそっちだよなあ・・・と思います。

万人共通の正解はないので、「金利○%で機械的に繰上」と決めるよりも、自分の運用銘柄の最頻値ラインと、家計の余力・残債務額・残期間を見ながら都度判断するのが現実的です。






第4章:団信、給付条件まで見ないと比較できない

ここまで手数料の話をしてきましたが、住宅ローンには団信(団体信用生命保険)もセットでついてきます。これも「金利上乗せ何%か」だけ見て決めると痛い目をみるので、給付条件まで踏み込みます。


一般団信は「無料保険」として実はかなり破格

ほとんどの金融機関で一般団信は無料(金利上乗せなし)。死亡・高度障害時に残債が0円になる保険です。

5,000万円借りて、仮に20年後に死亡したとすると、その時点の残債は約2,800万円。これがチャラになる計算。

これを民間の定期保険で代替しようとすると、35歳男性で「3,000万円・35年定期」に入った場合の保険料は月3,000〜5,000円。35年通算で120〜200万円の保険料です。

つまり一般団信は、数百万円分の生命保険を無料で35年間提供してくれる仕組み。共働きでも、住宅ローン分の死亡保障は団信でカバーされるので、別途の生命保険は「遺族の生活費と教育費分」を最低限カバーすればOKという設計にできる。借りる前に持っていた高額な生命保険を、住宅ローン契約後に見直して保険料を下げられるケースもあります。

これ、住宅ローンの隠れた大きなメリットなんですよね。


ペアローンなら「夫婦連生団信」を要検討

注意すべきはペアローンの場合。夫婦それぞれ別契約のローンを組むので、片方が亡くなってももう片方の残債は残ります。

ここをカバーするのが夫婦連生団信。どちらかに万一があれば、両方の残債がゼロになる。金利上乗せは0.1〜0.2%程度の銀行が多い。

5,000万円・35年・上乗せ0.1%で試算すると、35年での追加コストは約93万円。これを「夫婦どちらかに万一があるリスクへの保険」として高いと見るか妥当と見るか。共働きで「片方の収入が消えたら家計が詰む」家庭なら、入る価値はある。

逆に、片方の年収だけで残債と生活費を回せる(または別途の生命保険でカバーできる)なら、上乗せなしの一般団信だけでも十分。


がん団信・全疾病団信は「給付条件」を必ず読む

「がん診断で残債0円」「全疾病で就業不能なら残債保障」みたいな手厚い団信は、金利上乗せ0.1〜0.5%。5,000万・35年でコスト換算するとこうなります。


団信タイプ 上乗せ金利 35年の追加コスト(目安)
一般団信 0% 0円
がん団信(50%保障) +0.1% 約93万円
がん団信(100%保障) +0.2% 約186万円
全疾病団信 +0.3〜0.5% 約280〜470万円

ここで超重要なのが、団信の「給付条件」は商品によって相当バラつくということ。表面上は似た商品名でも、給付されるか/されないかの境目が全然違うので、必ず約款まで読む必要があります。

たとえばがん団信。


  • がん診断確定で即残債0(住信SBIなど)
  • がん診断確定だが、上皮内がん・皮膚がんは除外(多くの銀行)
  • がん診断確定+所定の治療開始が条件(一部商品)

全疾病団信や就業不能保障団信になると、もっと差が大きい。


  • 「就業不能状態が継続して12か月超」で残債0
  • 「就業不能状態が継続して180日超」で残債0
  • 「公的介護保険の要介護2以上」で残債0
  • 「身体障害者手帳1〜2級交付」で残債0

「就業不能」の定義もバラバラ。


  • 入院していること
  • 医師の指示で在宅療養中であること
  • 自宅療養も認めるが、所定の障害状態であること
  • 元の職業に復帰できないこと(別の職業に就いていれば就業可能とみなす)

ここを読み飛ばすと、いざ病気になったときに「保障対象外でした」が普通にあり得ます。

「何の仕事も180日できない」というのは死亡より確率が低いので注意です。

一方で、死んでしまえば全部チャラ?(少なくとも本人はヴァルハラへ行く)だが、「とても健康と言えない状態で生き残ってしまった」ときが一番つらいです。確率は低いものの、そこに対する備えはあってもいいんじゃないかと思います。

民間の医療保険・がん保険・収入保障保険との比較

団信の上乗せコストを判断するときは、民間で同等の保障を買った場合のコストと並べるのが正解です。35歳健康男性のざっくり相場感。


保険 月額目安 35年通算 主な給付条件
がん保険(診断一時金100万) 2,000〜3,500円 85〜147万円 がん診断確定
医療保険(入院5,000円/日、手術給付10万) 2,000〜3,500円 85〜147万円 入院・手術
就業不能保険(月20万、180日免責) 3,000〜5,000円 125〜210万円 所定の就業不能状態が継続
定期保険(3,000万・35年) 3,000〜5,000円 125〜210万円 死亡・高度障害

これと団信を見比べると、たとえばがん団信100%(186万円)は、民間がん保険(85〜147万円)+治療費の自己負担、と同じくらいの金額感。残債が大きい序盤(若い時期)ほど団信の保障が手厚いというメリットがあるかわり、完済間際の50代後半〜60代では団信の保障額は小さくなる、というデメリットもある。単純比較はできませんが、団信はなかなかお得ですね。


モルモットの選択:一般団信のみ+必要なら民間で

モルモット個人の選択は「一般団信のみで、がん団信は付けない」。

団信は住宅ローン残債と連動して保障も減っていきます。完済が近づくほど保障が薄くなる。30代の今は5,000万の保障でも、50代後半には1,000万を切る。

別途加入の医療保険・がん保険は完済後も保障が残せる。家計の保障を住宅ローンの返済進捗に紐づけたくない。

上乗せ金利の総額より、別途加入のほうが商品の組み合わせ自由度が高い。給付条件も自分で選べる。

そして最後のひとつが大きいんですが、団信は健康とのギャンブルでもあるんですよね。健康でなにも起きなければ「払い損」になるし、若くしてがんになれば「儲かる」(語弊あり)。一方、民間の医療保険・がん保険は、必要なときに必要な保障を選んで買えるし、不要なら解約できる。柔軟性のぶん、自分でリスクを設計できます。

ただしこれは、現時点で健康で別途保険に入れる人の話。健康診断で引っかかってる人、家族にがん患者が多い人は、団信のがん特約に入っておく(保険の代わりになる)という判断もアリ。何より、団信は告知書の項目さえクリアすれば加入できるので、民間保険より審査が緩い場合もあります。健康状態次第で「団信のほうが入りやすい」というメリットも考慮すべきポイントです。






第5章:モルモットだったらどう選ぶか

ここまで長々と計算と思考を並べてきました。最後にじゃあ結局どうすべきか、モルモットの個人的な結論を書きます。


大原則:変動で借りて、浮いた利息分は運用と手元資金へ

変動金利で借りるのは合理的だと思っています。固定金利との差(1%前後)を運用や手元資金に回すのが基本。

ただし第0章で書いたとおり、「変動でしか払えない物件」は背伸び。固定で借りても払える物件価格にしたうえで、結果として変動を選ぶ、という順序を守ってください。


35年フルで住み続ける気が「ある程度」あるなら、定率型2.2%

35年住み切る前提なら定率型でOK。総支払額が一番安い。

ただし条件は「手元資金がある程度ある(初期費用200〜300万を出しても生活防衛資金が残る)」「変動金利のリスクを取れる」「途中売却の可能性が低い」のすべてが揃う家庭です。


数年〜10年で住み替え・売却の可能性があるなら、定額型

転勤族、子供が中学受験で学区を変えるかも、5年以内に家族構成が大きく変わる予定、など。10年以内に動く可能性が30%以上あると感じるなら、定額型(ろうきん・協同住宅ローン・楽天)が有利です。

特にろうきん(条件次第)や協同住宅ローンは手数料3〜5万円台で済むので、「家を買うけど、長く住むかは分からない」というふわっとした不安がある人に合う。


手元資金を厚く持って運用に回したい派にも、定額型

定率型と比べて手元に100万円以上残せます。これをオルカン等のインデックスファンドで35年運用すれば、利息増加分を補ってお釣りがくる可能性が高い。

ただし、ボラティリティドラッグ込みでも実現リターンが見込みより下振れる可能性があるので、「絶対に運用を続ける」「暴落で売らない」覚悟は必須。

あと「フルローンで金利高くてもいいから全部投資に回そうぜ!!それが最適!!」「途中で住み替えてマンションすごろくだ~!手数料型なんて論外!」というのを理解し、さらにそれを行う度胸があったとしても、家族の理解を得られるかは別です。特にペアローンや連帯債務では一心同体。奥様が「いや、頭金いれて堅実に行こう借金は気持ち悪いし」「住み替え前提なんて論外。子供のこともあるのよ?」という感覚かもしれません。てかそっちが大多数。人は数字だけでは動けません。偉そうに言っても暴落時は慌てて売るのが人間。

最後に

「金利が一番安い銀行で、定率型2.2%、団信もりもり」が万人共通の最強解じゃないんです。

自分の家計、ライフプラン、リスク許容度、健康状態を踏まえて、「初期費用」「毎月返済」「総支払額」「手元資金の厚み」「保険の構成」のバランスを取るのが現実的なやり方。

そして案外、地味なろうきんや協同住宅ローンといったメジャーじゃない選択肢が、共働き30代の生活実態にハマることがある。「金利ランキング上位」だけで選ばないでほしい、というのがモルモットからのメッセージです。

あなたが計算するときに、


  • 変動金利が前提条件として家計に合っているか(背伸びしてないか)
  • 手元資金がどれだけ残るか
  • 途中で住み替える可能性がどれくらいあるか
  • 運用前提のリターンを算術平均で見ていないか(ボラティリティドラッグを踏まえているか)
  • 自分の運用銘柄の最頻値ライン(S&P500なら8%、オルカンなら5-6%)を、繰上判断の閾値として持てているか
  • 団信以外の保険に何に入っているか、給付条件まで把握しているか

この6つを忘れずに乗せてみてください。きっと、いまネットでよく見る「定率型一択」「変動で借りてインデックス回せ」みたいな単純な結論とは違う答えが出てきます。

ちょっと長くなりましたが、誰かの判断材料になれば嬉しいです。

 

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  • 滋賀県大津市晴嵐2丁目
  • 東海道本線(JR西日本) 石山 駅 徒歩1分
  • 価格未定
  • 2LDK~4LDK
  • 58.50m²~90.56m²
  • 販売戸数 未定 / 382戸

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