
こんにちは、モルモット滋賀です。私事ですが、離婚を経験しております(震え声)。
これまでスムラボで、離婚とマンションについて2本記事を書いてきました。
離婚って、暗いし、ややこしいし、お金が絡むとさらにドロドロします。でも、知っているだけで守れるものがたくさんあるのも事実。経験(?)と知識を総動員して、できるだけわかりやすく、法的根拠つきで解説していきます。長いですが、いざという時に泣かないために、ぜひ最後までどうぞ。
そもそも、離婚ってどれくらい起きるの?
「自分は離婚しないから関係ない」気持ちはわかります。でもちょっとだけデータを。
統計を見ると、ざっくり「毎年1%の確率で離婚するガチャ」を、結婚生活のあいだ毎年引き続けているようなものなんですね。1年だけなら「当たらんでしょ」ですが、これを30回も40回も回す。また、離婚以外にも、転勤・親の介護・子どもの教育で引っ越す確率も足していくと、35年間ずっと同じ家に住み続けられる人のほうがむしろレアなんです。
だから本記事のスタンスは「離婚が怖いから家を買うな」ではありません。「もし手放すことになっても大丈夫な家を、知識をもって持とう」です。では本題へ。
大原則:家は「名義」がどうであれ、夫婦の共有財産
いちばん多い誤解を最初に潰します。「自分名義の家だから、自分のもの」――これは通用しません。
婚姻中に買ったマンションは、登記の名義が夫婦どちらか一方でも、財産分与では「実質的な夫婦の共有財産」として扱われます。そして分け方の原則は…名義に関係なく「5:5」です。
「9:1で出したのに5:5!?」という具体例
たとえば、頭金もローンも夫が9割、妻が1割負担していたとします。そのマンションを売って1,000万円の利益が出ました。さて、いくらずつ? 正解は500万円ずつ。9割出した夫は「そんなバカな!」と言いたくなりますが、これが法律なんです。なぜか。専業主婦(主夫)家庭を考えるとわかりやすい。夫が働けたのは、配偶者が家庭を支えてくれた(=2人で稼いだ)から、という考え方です。家事・育児という「お金にならない貢献」も、財産形成への寄与とみなされる。だから収入差があっても、名義が一方だけでも、原則は半分ずつ。
「いや、嫁は専業主婦なのに家事育児してなかった!あまつさえ不倫までしてた!貢献してないよ!」 そんな主観は基本とおりません。
しかもこの「2分の1ルール」、2026年4月施行の改正民法で、ついに法律の条文に明記されました。これまで判例・実務のお約束だったものが、はっきり「原則、寄与は対等と推定」と書かれたわけです。専業主婦(主夫)だった方には心強い改正ですね。
住宅ローンの返済は「家賃」じゃない。「コンクリート貯金」です
ここ、超重要なので具体例で。【ケーススタディ】 Aさん夫婦は結婚後、マンションを共有名義(各1/2)で購入し、共同口座からローンを返済。5年後に離婚することに。妻A子さんは「家に住み続けたい」。すると夫B男さんが「君がこの家に住み続けるなら、それは君の資産になる。5年間ローンを二人で返してきたんだから、僕が貢献した分はちゃんと清算してほしい」と。
これ、法的にはB男さんの言い分に分があります。賃貸の家賃は払ったら消えるだけ(消費)。でも住宅ローンの返済は、進むほど借入残高が減り、家の純資産(評価額-ローン残高)が増えていく。つまり「返済=資産形成」の側面があるんです。これを私は「コンクリート貯金」と呼んでいます。家賃とは性質が違うのですよね。
婚姻中に2人でコツコツ貯めた「コンクリート貯金」も、当然、財産分与の対象。だから家に住み続ける側は、相手が貢献した分を清算する必要が出てきます。ちなみに清算で気をつけたいのが、対象になるのは原則「元本」の返済分だということ。利息部分は借入のコスト(消費)とみなされ、資産形成分には含まれないのが基本です。「月20万×60ヶ月=1,200万の半分!」ではなく、「婚姻中に返した元本の総額×原則半分」で考える、と覚えておきましょう。
結婚前に買った家に、後から配偶者が住んだ場合は?
逆に、結婚前に自分のお金で買った家はどうなるか。これは原則「特有財産」。結婚前に取得した財産は2人で築いたものではないので、共有財産になりません。後から配偶者が転がり込んできても、基本は自分のものです。ただし例外ありです。
- 婚姻後に2人でローンを返済していた
- リフォームに婚姻後の共同資金を使った
「リフォームにかかった費用を後から請求って・・・そんなことまでするの?」
します。別れると決めた女は徹底的にやります。男性側は飛ぶ鳥跡を濁さずの精神で割り切る人が多いイメージですが、女性側は最後むしりとって別れてやるという精神の人が多い気がします(偏見) これは収入差が一般的に男性側のが多いからですかね。
個人名義でも「勝手に売れない」&請求期限は2年 or 5年
「自分名義なんだから売って現金化すればいい」――これもダメ。婚姻中は事実上、配偶者の同意なしに売却できません。勝手に売れば「共有財産を無断処分した」と財産分与で大問題になります。そして離婚後も油断禁物。財産分与には請求期限があります。ここは2026年に大きく変わった重要ポイント。
| 離婚の成立時期 | 財産分与の請求期間 |
| 2026年3月31日まで | 2年 |
| 2026年4月1日以降 | 5年(改正民法) |
ちなみに改正では、相手の「財産隠し」に対抗する情報開示命令も新設されました(正当な理由なく従わない・ウソをつくと10万円以下の過料)。「相手の財産がわからないから諦めてた」という方にも、調べる手段が増えています。本気で調べたら口座の中身なんてすぐわかります。
相手が家に居座って「占有権」を主張したら?
これ、本当に質問が多いやつです。「相手が出ていかない。占有権があると言い張ってる。追い出せないの?」――結論、「いつの時点か」でルールがガラッと変わります。① 離婚前:原則、追い出せません
夫婦には同居・協力・扶助の義務があります(民法752条)。名義のない配偶者がもう一方名義の家に住むのは、この義務に基づく「使用貸借(タダで借りている)関係」があると解されていて、夫婦関係が破綻していても、婚姻が続く限りこの関係は続くとされています。だから離婚前は相手にちゃんとした「住む権利」があり、明渡しを求めても原則認められません。例外は、相手の暴力や家業の妨害など「看過できない特段の事情」があるケースくらい。DVならDV防止法の退去命令という手もありますが、認められるのは相当ハードな状況に限られます。② 離婚後・財産分与前:判断が割れるグレーゾーン
離婚届を出すと、扶助協力義務も使用貸借関係も終了。理屈上は「住む権利」が消えます。ところが、婚姻中に買った家は夫婦共有財産。財産分与で決着がつくまでは、名義のない側にも「潜在的な持分」があるんです。そのため「分与が決まるまでの明渡し請求は権利の濫用だ」として認めなかった裁判例(札幌地裁 平成30年7月26日)もあれば、逆に「相手に十分な収入と別の住まいがあり、所有者がローンと家賃の二重負担で苦しい」などの事情から明渡しを認めた裁判例(東京地裁 令和3年1月28日)もあります。要は個別事情の総合判断。「財産分与前だから絶対追い出せない」わけでも「離婚したから即追い出せる」わけでもない、というのが正直なところ。なお、相手が住み続けている間の家賃相当額は、不当利得として返還請求できるのが一般的です。
③ 財産分与の審判で、明渡しまで命じられるように
以前は「財産分与の審判 → さらに別で建物明渡し訴訟」と二段構えで時間がかかっていました。でも最高裁の令和2年8月6日決定で、名義を移さないケースでも、財産分与に付随して明渡しを命じられると判断されました。手続きが一本化され、その分早く解決できるようになっています。④ 離婚後・財産分与後:これははっきり追い出せる
財産分与で「この家は自分のもの」と確定すれば、元配偶者に住む権原はなし。明渡し請求は認められ、明渡しまでの家賃相当額も請求できます。(これ誰が決めるの・・・)結局、占有でモメないための最強の対策は、「売却・退去の前に、退去の合意を“書面”で取っておく」。口頭の「出ていくよ」は証拠になりません。揉めてから裁判で争うのは、時間もお金も心もゴリゴリ削られます。しっかり話し合いましょう。
放置が一番損!共有名義のままにすると地獄を見る
「面倒だから、とりあえず共有名義のまま…」――これがいちばんよくない- 相手が自分の持分を第三者に売れる。ある日突然、見知らぬ人が自分の家の共有者に。
- 固定資産税の請求が来続ける。住んでいなくても、名義が残れば逃れられません。
- 相手が亡くなると、持分が相手の相続人(再婚相手やその子)に渡る。会ったこともない人と共有…という地獄。
- 相手の借金で持分が差し押さえられ、最悪マンション全体が競売に。
- 売りたくても相手の同意が取れず、身動きが取れなくなる。
- 申請先:その不動産を管轄する法務局。実務は司法書士に依頼するのが一般的。
- 必要書類:権利証(登記識別情報)、譲渡側の印鑑証明書、取得側の住民票、固定資産評価証明書、戸籍謄本 など。
- 登録免許税:固定資産評価額 ×2%。例:評価額2,000万円の1/2持分を移すなら、1,000万円×2%=20万円。「財産分与」を原因とする登記は贈与より税率が低いのがメリット。
- 司法書士報酬:数万円〜十数万円が目安。
- どちらが負担するかは協議で決めて、離婚協議書に明記しておきましょう。
じゃあ具体的にどうする?マンションの分け方は3択
現実的な選択肢は、大きく3つです。① 売却して清算する(いちばんシンプル)
2人で合意して売り、売却代金からローン残高・仲介手数料・諸費用を引いた残りを原則半分ずつ。一番揉めにくい。ただし双方の合意が前提なので、相手が拒否すると進みません。査定のコツ:「住み続ける」なら査定は安く、「売る」なら高く
- どちらかが住み続けるなら…呼ぶのは「買取業者」。査定額が高いほど、住み続ける側が相手に渡す清算額が増えるだけで損だから、諸経費・税金も差し引いた“正味の資産価値”をなるべく低く出してもらうのが合理的。まぁ相手も賢ければ「買取!?仲介の相場でわけましょうよ」と言われるでしょう。
- どちらも住まない(空き家で売る)なら…じっくり高値を狙える「仲介」でOK。買取より1〜2割、数百万円変わることも。空室は売りやすい環境です。
現実には「ローンもう払わなくていいから出ていってくれ」で済むことが多いです。「こっち一人でファミリーマンションのローンを払うんだからその苦労をおってるんだぞ」で押し切りが通ったりします。
② どちらかが買い取る
住み続ける側が、相手の持分を買い取る。住宅ローンを借り換えて相手を債務者・連帯保証人から外すのが理想。鍵は金融機関の審査。単独名義・単独収入で審査が通らないと、この選択肢は使えません。③ 離婚協議書に明記して「公正証書」にする(最低限やること)
すぐ売却も買取もできない事情があるなら、せめて「いつまでに・誰が・どうするか」を離婚協議書に明記。そしてそれを公正証書にしましょう。ポイントは「強制執行認諾文言」を入れること。これがあると、相手が約束(清算金や養育費の支払いなど)を破ったときに、裁判を起こさずいきなり給与や預貯金を差し押さえられます。口約束は紙くず以下。これは離婚時の最低ラインだと思ってください。どうしても住み続けたいなら「リースバック」という手も。家を業者に売って、その業者に家賃を払って住み続ける方法です。売却代金は分けられ、住み慣れた家に残れる。ただし所有権は手放すし、買取価格は安め・家賃は高め。ローンが残っていると使えないことも多く、あくまで最終手段です。しかも定期借家契約とかにされたら契約更新時に家賃をあげられたり契約拒否で追い出されることも・・・ 住み続けられるという甘言で安く買いたたかれて終わりということですね。
売りたい人 vs 住み続けたい人。お金もない・相手も非協力だと?
ここからが、いちばんリアルで、いちばん厄介なケースです。実際に多い相談がこれ。片方は「売って清算したい」。もう片方は「住み続けたい」。でも住み続けたい側に、相手の持分を買い取るお金はない。しかも売りたい側に対して、相手が売却に後ろ向きで、内覧も書類集めも一切協力してくれない――。
こうなると、当事者だけでは詰みます。打開の道のりはこんな流れです。
ステップ:協議 → 調停 → 共有物分割訴訟
- まずは離婚調停。家庭裁判所で中立の調停委員が間に入り、財産分与の一部として家の扱いを話し合います。感情的になりやすい家の問題は、第三者が入るだけで進むことも多いです。
- それでもまとまらなければ共有物分割請求訴訟。これは離婚調停とは別の手続きで、裁判所が強制的に決着をつけます。多くの場合、結論は「競売にかけて、売却代金を持分割合で分ける」。
住み続けたいのにお金がない場合の現実解
- 借り換え審査が通るなら、相手の持分を分割払いで買い取る取り決め(公正証書化)を目指す。
- 当面は売らず、「○年後に売却」「子の卒業まで住む」など期限つきの合意を離婚協議書+公正証書で固める。
- どうしても資金も審査もダメなら、住み続けるのは諦めて売却清算に切り替える。
自分の「持分だけ」を売ることはできる? 買い叩かれる?
「相手が動かないなら、自分の持分だけ売って手を引きたい」――気持ちはわかります。結論、自分の持分だけなら、相手(共有者)の同意なしに第三者へ売却できます。法律上は可能です。……が、現実はかなりシビアです。買い手はほぼ「共有持分専門の買取業者」に限られます。
- 大幅に買い叩かれる。自由に使えない“中途半端な持分”なので、共有者全員で普通に売ったときの持分相当額より大きく安くなります。市場価格の半値前後、もっと下になることも珍しくありません。
- 共有者が「元配偶者」から「業者」に交代する。ここが本当の地獄。業者は利益目的なので、残った共有者(=住み続けているあなたや元配偶者)に対して、
- ・「あなたの持分も買い取らせて」と買取を打診してきたり、
- ・逆に「業者の持分を買い取れ」と相場より高い値で迫ってきたり、
- ・話がまとまらなければ共有物分割請求訴訟を起こして、最終的に建物全体を競売にかけてくる。
だからこそ、持分の単独売却は最後の最後の手段。先に挙げた調停・共有物分割の枠組みの中で、お互いに買い取るか・揃って売るかを決めるほうが、手取りも人間関係もずっとマシです。
業者が儲かるというのは、個人が損しているということです。でも「とにかく楽になりたい」というときに利用できるのもこういう業者がいるからです。
最大の落とし穴:住宅ローンが残っている場合
離婚×マンションで人生が狂う原因は一般的にここです。オーバーローン(売っても借金が残る)
売却価格がローン残高を下回る状態を「オーバーローン」といいます。例:売却価格2,000万円/ローン残高2,500万円 → 差額500万円を自己資金で補填しないと、抵当権が外せず売れない。
この500万円を用意できないと、売るに売れず、しかも離婚協議も進まない(家を処分できないから)。だからまず査定額とローン残高を確認して、オーバーローンかどうかを把握するのが第一歩。なお豆知識。財産分与に贈与税はかかりません。共有財産を分けただけで「もらった」わけじゃないからです。でも「負債」もシェアするのが財産分与。資産性を無視して「住みたい家」だけで選ぶと、将来この負債が牙をむきます。
ペアローンの「持分」って財産分与にどう関係する?
ペアローンは、夫婦がそれぞれ別々にローンを組む方式。このとき、出資割合に応じて持分を登記します(例:夫が6割・妻が4割出したから、持分も6:4)。なぜ出資割合に合わせるかというと、ズレると贈与税がかかる恐れがあるからです。で、ここがよく誤解されるポイント。なのでもう一度言います。「持分が6:4だから、財産分与も6:4でしょ?」――違います。
財産分与は、登記の持分割合に関わらず、婚姻後に2人で築いた分は原則5:5で清算します。これは最初に書いた通りです。持分6:4は、あくまで「登記上・税務上の話」。離婚の清算とは別物なんです。具体例で。
マンション評価額4,000万円、ローン残債3,000万円。純資産は1,000万円。持分は夫6:妻4で登記。でも財産分与では持分6:4ではなく、原則500万円ずつ。妻が住み続けるなら、妻が夫の持分(登記上の6割)を買い取り、ローンを妻単独に借り換え(一本化)する。
つまり持分は、財産分与の「割合」を決めるものではなく、「移転登記」「税金」「借り換え」という実務の手続きに効いてくる、というイメージです。
そしてペアローンの最恐ポイントが離婚しても、2人とも債務者・連帯保証人のままだということ。協議で「ローンは夫が払う」と決めても、それは夫婦間の約束にすぎず、金融機関には通用しません。相手が滞納・自己破産すれば、残債の請求が自分に来ます。さらに、ペアローンの名義が残る限り信用情報に残債が載り続け、次に家や車のローンを組むときの審査にも響く。「信用力を元パートナーに握られ続ける」状態です。
これを断ち切るには、①売却して完済する、②住み続ける側が借り換えて一本化+持分買取、のどちらか。売らないなら借り換え審査が通るかどうかが全てで、2人の収入を前提に組んだローンを単独収入で…となるとハードルは高い。だからこそ、買うときに「収入に見合った額か」「売ることを考えているか」がとても大切です。背伸びして売りにくい注文住宅というのが一番危ないパターンです。
連帯債務の場合
1本のローンを2人で返している状態。これも離婚しても連帯債務は消えません。どちらかが払わなければ、全額もう一方へ請求が来ます。任意売却という逃げ道
オーバーローンで通常売却できないときの手段が「任意売却」。金融機関の同意を得て市場で売り、残った債務は分割返済を交渉する方法です。競売より条件がよく(市場価格に近い・周囲に知られにくい)、滞納が進む前ほど選択肢が残ります。ただし金融機関の同意が大前提。別居中の生活費「婚姻費用」って何?いくら?
マンションの話とはちょっとずれますが、離婚協議って、すぐには終わりません。別居して何ヶ月も話し合う、なんてザラ。その別居期間中の生活費を誰が払うのか――それが「婚姻費用(こんいんひよう)」です。夫婦には、離婚が成立するまでお互いの生活を支え合う義務があるので、収入の多い側が、少ない側(と一緒に暮らす子ども)の生活費を負担します。いくら払うの?
金額は、裁判所の「婚姻費用算定表」で、双方の年収・子どもの人数・年齢から目安が決まります。ざっくりの例を。例:夫の年収500万円、妻が専業主婦、子ども1人(未就学児) → 婚姻費用の目安は月8〜10万円程度
年収1000万なら20万円こえてきます・・・ 年収1000万で専業主婦と子供1人なら毎月20万円は生活費を渡そうということ。かなり贅沢な基準だと思いませんか!?
※あくまで標準的な目安。年収・子の数や年齢、特別な教育費・医療費などで変わります。正確な額は算定表や専門家で確認を。
- 請求した月から発生するのが基本。だから「払ってほしい」と思ったら、早めに請求(調停申立てでもOK)を。さかのぼってまとめて、とはいきにくいです。
- 住宅ローンを払っている側が、相手の住む家のローンも負担している場合は、婚姻費用が減額調整されることがあります(相手の住居費を肩代わりしているとみなされるため)。
相手が離婚を渋っている場合はどうなる?
婚姻費用は離婚が成立するまでずっと払い続ける義務。ということは――収入が高い側がダラダラ離婚を渋るほど、婚姻費用がかさんでいくんです。「離婚したくないから引き延ばす」のが、自分の首を絞めることも。逆に収入が低い側からすると、婚姻費用を受け取りながら、落ち着いて条件交渉を進められる面があります。相手が話し合いに一切応じないなら、家庭裁判所の調停へ。婚姻費用も調停・審判で請求できます。一番多いのが「旦那が不倫 離婚はしたくない」「女性側は別れたいが離婚はあえてしない」のパターンです。
別居中ずっと婚姻費用が発生し、その額は相手が無職や低収入であれば10万20万にもなりえます。「別れたくない!」とおもっていても毎月の婚姻費用が重しで離婚を受け入れざるを得ない不倫野郎はたくさんいます。そしてさらに「もう離婚しよう!」と言ったとしてものらりくらり、離婚をせず別居を続ける・・・そして最後は慰謝料と財産分与もらっていっちょあがり。これが不倫され側の「復讐」なのです。
不倫など、相手に責任がある場合でも払う必要はある?
では、家庭を壊した側――不倫した「有責配偶者」から婚姻費用を請求されたら、払わないといけないの? という疑問。これは多くの人が一番モヤモヤするところです。判例の多数は、有責配偶者本人の生活費分の請求は、信義則・権利の濫用として認めないという立場です。「自分で壊しておいて生活費をよこせ、は虫がよすぎる」というわけですね。実際、東京高裁の令和6年11月19日の事案でも、有責と認定された側からの請求は退けられています。
ただし、ここが大事。子どもの分(未成熟子の養育費に相当する部分)は別。これは子どもの権利なので、相手が有責でも支払う必要があります。つまり「相手本人の生活費分はカットされ得るが、子の分は払う」のが基本線。さらに、有責配偶者でも生活に困窮していれば、最低限度の生活維持の範囲で認められた判例もあります。
注意点として、「相手が有責だ」と主張する側に立証責任があること。疑いがある程度では請求は止められません(写真などの証拠が要る)。婚姻費用の審判はスピード重視なので、有責かどうかの最終判断は離婚訴訟に回し、その“ペナルティ”は財産分与で調整する、という運用が一般的です。
よく混同されますが、「婚姻費用」(離婚成立まで)と「養育費」(離婚後、子のため)は別物。さらに養育費は財産分与ともまったく別の「子どもの権利」です。「養育費の代わりにローンを全部払う」みたいな提案は、滞納時に二重苦になるので安易に乗らないこと。当たり前ですが養育費はシングルファザーになる場合は女性側が払う必要があります。
マンション以外もお忘れなく。預貯金・有価証券の分け方
マンションに気を取られがちですが、財産分与の対象は不動産だけじゃありません。婚姻後に2人で築いた財産は、原則ぜんぶ対象。漏らすと損します。対象になるもの・ならないもの
- 対象になる:婚姻後に貯めた預貯金、婚姻後に買った株式・投資信託・国債などの有価証券、自動車、生命保険・学資保険の解約返戻金、退職金 など。
- 対象にならない(特有財産):結婚前から持っていた預貯金・有価証券、婚姻中でも相続・贈与で得た財産。
預貯金の具体例
共働き夫婦。同じ会社・同じ年収で、家に同額入れて残りは各自の小遣い、というルール。夫は浪費家で貯金ゼロ、妻は倹約家で小遣いから300万円貯めました。離婚時、夫が「その300万、半分の150万は俺のものだよね」と。妻は「自分の分は自分で使い切ったくせに!」と怒り心頭ですが…法的には、妻は150万円を渡す必要があるんです。納得いきませんよね。私もです!(※もちろん最終的には協議で柔軟に決められます)相手が口座を隠しているなら、前述の情報開示命令や弁護士の調査で炙り出せます。有価証券(株・投資信託など)の3つのポイント
- 対象は婚姻後に買ったもの。婚姻前から持っていた株は特有財産。婚姻中に値上がりしても、原則は対象外。配偶者のおかげでエヌビディアやキオクアの株価があがったわけではないので。入籍前に証券口座のスクショとっておいて、何を何株、口数もってるか記録しておきましょう。金額ではなく「数量」が大事です。
- 評価の基準時は「離婚成立時」。ただし離婚前に別居していた場合、対象は別居時に保有していた分まで。別居後に自分で増やした分は、原則その人のもの。
- 分け方は3パターン。①現物をそのまま分ける、②売って現金を分ける、③一方が全部取得して、もう一方へ評価額相当の代償金を払う(代償分割)。
結婚後稼いだお金はすべて「1つの財布」です。共同口座がどうとかお小遣いがどうとかはラベリングの話にすぎないのです。これが全てです。
まとめ:離婚×マンションで泣かないためのチェックリスト
長旅おつかれさまでした。最後に要点を。- 名義は関係ない。婚姻中に買った家は原則「夫婦のもの」、分け方は5:5(2026年改正で明文化)。
- 住宅ローン返済は「コンクリート貯金」。婚姻中に返した元本は資産形成分として清算対象。
- 結婚前の家も油断禁物。婚姻後にローン・リフォーム代を入れたら共有財産性が出る。
- 勝手に売れない&請求期限あり。2026年4月以降の離婚は5年、それ以前は2年。
- 相手が居座る「占有」問題は、退去合意を“書面”で。時系列でルールが変わり、揉めると長期化。
- 共有名義の放置が一番損。取得したら速やかに名義変更(所有権移転登記)を。
- 分け方は3択。売却清算/買取(借り換え)/公正証書。最低でも公正証書は作る。
- 折り合わない・非協力なら調停→共有物分割訴訟。最終手段の競売は全員が損。持分だけの売却は買い叩かれ、業者が共有者になる地獄を生む。
- ローン残りは最大の争点。オーバーローン・ペアローンの持分と連帯保証・連帯債務・任意売却。借り換え審査がカギ。
- 婚姻費用は別居中の生活費。収入が多い側が払い、離婚成立まで継続。渋るほど自分が払い続ける。有責配偶者本人の分は否定され得るが、子の分は払う。
- マンション以外も忘れずに。婚姻後の預貯金・有価証券も原則折半。評価基準時は離婚成立時(別居していれば別居時保有分)。財産分与に贈与税はかからない。
法律は分かった。なるべく財産を渡したくないならどうすれば?
「財産分与のルールはわかったよ・・・ でも相手にあまりお金渡したくないな・・・だってあいつのせいで離婚するんだし・・・親権もとられるしなんとかならないの?」これが本音でしょう。
ならどうしたらいいか?
法律が出てくる前に話し合いで決めるのです。和解せよ。なのです。二人が合意していればなんでもOKなんです。
弁護士が出てくるから「法律をたてに髪の毛一本たりとも残さず回収しましょう!」ということになるんです。弁護士も取れた額で報酬が決まるのでしっかりやります。
弁護士が出てくる前に二人の話し合いで終わらせるんです。
例えば「共同口座の財産はすべてあげるし、この家から出ていくのに必要な引っ越し費用や当面の生活費を渡す。この家のローンも俺が全部今後払う。 これで手打ちにしないか?」などと打診することです。
自分が住み続けたマンションには含み益がのっていて、私有口座にもお金が多いならこれくらいの出費は軽いかもしれませんが、相手にとっては「サービスしてくれた」という納得感があります。
離婚が決まったなら落ち着いて、二人の落としどころを見つけてまだ情があるうちに解決してください。
ここで「お前に財産分与!?なにもしてこなかっただろ!俺の金で豪遊してただけだろ!」とゴネ倒すと相手に弁護士がでてきて「ほーぅ いいマンションですね~これは高く売れそうだな~ あら~旦那さん、結婚後共同口座以外の部分でも投資に成功しててため込んでますね~それらももらっちゃいましょう!その間別居ってことにして婚姻費用も請求しますからご安心を!」とガッツリいかれるパターンになります。
「相手の無知につけこめ」というと聞こえは悪いですが、たいていの夫婦は離婚時にもこうした話し合いで折り合いをつけて終わります。共同口座の部分を清算して終わりというのが一般的かもしれません。損とか得とかじゃなくてそういう「合意」で終わったのです。合意にいたらないから弁護士がでてきて法律で執行されるわけです。
なので財産分与をおさえたいのであれば「弁護士を登場させない」につきます。不倫とかだと慰謝料請求のためいきなり弁護士がつくことが多いのでもちろんそういう有責のことは言語道断ですあとこちらも弁護士を雇うとなるとウン十万円かかりますよ。
ちなみに慰謝料ですが、思ってたような額はとれません。不倫とか暴力とか明らかに相手が悪いので100~200万円とか。性格の不一致とかならお互い様でほぼとれないか、弁護士費用で赤字です。弁護士を雇うというのは離婚を成立させる、そして財産分与をきちっととるぞということがメインです。また、文字通り代理人なので弁護士をたてればもう相手と直接話することはありません。「もうこの人とは話したくない」となれば代わって交渉してくれるのが弁護士の役割です。
性格の不一致であれば、落ち着いて、一般的な感覚で財産分与となるように話しあいしましょう。
お互い様の離婚なら「リフォームした分で評価額上がった分を払え!」とか「お小遣い口座の分も半分よこせ!株で儲けてるの知ってるぞ!」とか「持分を買い取らないと業者に流すぞ!」とかまで発展しないです。
「法的にはそうかもだけど常識的に考えたらこれぐらいが落としどころだよね」「これ以上もめても時間かかるし早く新しい人生をスタートさせたいね」でおさめておきましょう。主たる生計者のほうが色を付けて渡すぐらいでいいんじゃないでしょうか。
もっとも一番大切なのは離婚しないことです。夫婦円満こそ一番大切で、大した相談もせずにマンションすごろくしすぎて引っ越しばかり 子供がかわいそう・・・ 奥様は疲れ果てて離婚を申し出る・・・ こうなってしまっては元も子もありませんからね。配偶者の許可をろくにとらずにマンションを勝手に申し込むなんていくらもうけ話でも相手からしたら十分離婚への一歩になります。
婚前契約書で「財産分与はなしね」と記していたとしても法的にはプラスにはなりますが絶対ではありません。「当時と状況が変わっている」などとされれば必ずしもその通りに進むとは限りません。
おわりに
離婚で詰む人の多くは、「資産性のない家」を「ペアローンで背伸びして」買ってしまった人です。逆に、立地がよくてリセールの効くマンションなら、最悪「この大好きな家を独り占めできるぞ!」とテンションを上げて再出発できる。1人でも住める広さ、駅近、受け入れ幅の広い間取り――「急に手放すことになっても大丈夫な家」を選んでおくこと。それが、いざという時に自分と家族を守ってくれます。サーパス草津はやっぱり注目。滋賀県内では最高の立地で仕様も高い。値段も高いけど資産価値は相対的に高いでしょう。
ブランズシティ大津京は注目の大規模×駅チカ×再開発×ブランドマンションです。滋賀ではメジャー7のマンション供給は多くなく、南草津のブランズもすぐ完売となりました。湖西線とはいえこれまた注目ですね。

琵琶湖が近いけど基本琵琶湖ビューではなさそう
繰り返しになりますが、離婚前提ではなく、「急に売ることになってもなんとかなる家」を選ぶこと、出口を意識することは本当に大切です。
現実問題、離婚したら住宅ローンと負動産を押し付けられて踏んだり蹴ったりになるパターンも多々あります。「私は出ていく!ローン?知らないな~」と逃げられた人たくさんいます。ここも本当は「評価価値下がってる分お前も払えよ」と言えるのですが、そこまでしない人がほとんどです。
人生、余裕を持つことが大切です。その余裕があれば、家族にもっと優しくできたかもしれないから…
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※本記事は一般的な法律・実務の解説です。個別ケースでは結論が変わり得ます。実際の手続きは、弁護士・司法書士・税理士・不動産会社など専門家にご相談ください。
[スムラボ編集部より] 本ブログ記事の情報は投稿日時点のものです。現在の販売情報はLifull Homesをご参照下さい。






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