【売買ノウハウ⑦】売り出し価格は売主が決めるもの ─ 仲介会社の査定額をそのまま信じてはいけない理由【キウイ不動産】

[スムラボ編集部より] 本ブログ記事の情報は投稿日時点のものです。現在の販売情報は物件公式サイトをご参照下さい。

ディアナコート四谷 広告画像
リビオシティ文京小石川 広告画像

マンション売却で大切なことと言えば皆さんは何だと思われますか?仲介会社選び、写真や広告の質、内覧対応 ── 私は「仲介会社選び」と並んで「売り出し価格」の重要度が高いと考えています。

高すぎれば売れ残り、安すぎれば数百万円を取り逃す。しかも売り出し価格は簡単には修正できません。値上げはほぼ不可能ですし、値下げは「売れていない物件」という印象が付きます。

それほど重要な価格を、「仲介会社の査定額」のままで決める売主が多いのです。私はこれが売却で損をする典型例だと考えています。この記事では、3回の自宅マンション売却で私が実践してきた売り出し価格の決め方を、手順に沿ってお伝えします。

  • 「仲介会社で査定額が数百万円も違った」
  • 「一番高い査定額を出してくれた会社に任せていいの?」
  • 「高く売り出して、売れなかったら下げていけばいいのでは?」
なぜ売り出し価格が大切なのか、この記事を読むことで売り出し価格を自分で決められるようになります。ぜひ最後までお読みください。



査定額をそのまま売り出し価格にしてはいけない

プロが出した査定額なんだから、それが一番正確なんじゃないですか?

キウイ
不動産
査定額には、仲介会社の営業上の思惑が乗っていることがあるんですよ

まず知っておくべきは、査定額は「売れる価格の保証」ではないということです。査定額とは、仲介会社が「このくらいで成約できそう」と見積もった参考値であって、外れても仲介会社に責任はありません。さらに不動産仲介の構造的な問題として、仲介会社にとって査定は「媒介契約を取るための営業活動」でもあるのです。

売主は複数社に査定を依頼した場合、高い査定額を出した会社に魅力を感じ、嬉しくも思うでしょう。それを知っている仲介会社は、相場より高い査定額を出して媒介契約を取りに来ることがあります。いわゆる「高預かり」です。

高預かりされた物件は相場より高い価格で中古市場に出るため、当然売れません。数ヶ月後に「反響が少ないので値下げしましょう」と提案され、結局は相場並みかそれ以下になる ── どちらかといえば相場以下になることが多いでしょう。

高預かりするような仲介会社は、売主よりも自社の利益を最優先する。もっと言えば「囲い込み」からの、買取業者への売却に誘導する流れを最初から目論んでいるかもしれません。

※「囲い込み」:他社が連れてきた買主を意図的に断り、自社で買主を見つけるまで物件を隠す行為

不動産仲介ではこんなことが一定数起こっています。私が住んでいたマンションでも、明らかにこの流れに嵌ったケースを見てきました。

じゃあ査定額って意味がないんですか?

キウイ
不動産
複数社の査定を「相場観をつかむ材料」として使えば意味があります

査定額は答えではなく材料です。答え(売り出し価格)は、材料を集めたうえで売主自身が決めるものです。

【私の経験談①】

現在売却中物件の査定結果
  • A社;7,980万円(チャレンジ価格8,400万円)
  • B社;7,680万円
  • C社;7,000万円
A社の価格で売れたら嬉しいですが、B社が妥当と思いました。

売り出し価格の決め方 ─ 4つのステップ

私が実践している手順は次の4ステップです。

ステップ1:成約事例で相場を把握する

基準にすべきは「売り出し価格」ではなく「成約価格」です。SUUMOなどに載っている価格は売主の希望価格であり、実際にいくらで売れたかは分かりません。相場を示すのは、レインズ(不動産流通機構)に登録された成約事例です。
  • 同じマンション内の成約事例:最も重要な基準。階数・面積・方角の差を補正して比較します
  • 同エリア・同条件の近隣マンション:築年数と駅距離で補正して比較します
  • 直近1年以内の事例を優先:相場が上がっている現在の市況では、古い事例は参考程度に
同じマンションの成約事例は、査定を依頼された仲介会社が真っ先に参考にする情報ですから「査定報告書」に添付されてくるはず。これを添付せず、査定額のみ提示してくるような仲介会社は疑ってかかったほうが良いかもしれません。

【私の経験談②】

先ほどのB社の査定書には同じマンションや近隣マンションの売り出し価格と成約価格の直近のデータが添付されていました。A社、C社は無し。

実は、同じマンションで相場より高い売り出し価格でスタートし、1年近く経過してもまだ成約に至らない物件がありました。実際の売り出し価格の動きは以下の通り。

9,600万円→8,480万円→8,280万円→7,980万円→7,280万円

この部屋は私の部屋より広く、坪単価で計算すると7,980万円あたりが相場でした。

結局、成約価格6,560万円、相場よりも1,000万円以上割安での決着となりました。まさに、「高預かり」からの「囲い込み」で買取業者への安値売却の流れに嵌った可能性が高いと私は見ています。

ステップ2:競合の売り出し状況を確認する

買主は当然あなたの部屋だけを見ているわけではありません。同じマンション内、同じエリアで売り出し中の物件と必ず比較します。
  • 同じマンション内に売り出し中の部屋はあるか、その価格と条件は
  • 近隣で競合になりそうな物件はいくらで出ているか
  • 競合はいつから売り出しているか(長期間売れていない物件は価格が高すぎるか囲い込みの疑い)
競合より条件が良ければ強気に、条件で劣るなら価格メリットを出す ── これで適正な価格が見えてきます。

競合がいる間は売り出さないほうがいいんですか?

キウイ
不動産
一概には言えません。競合が次の相場を作ることもあるからです

競合が高値で成約すれば追い風になり、販売が長期化して値引きの末に安値で成約すれば逆風です。競合の動向も売り出しタイミングの判断材料になります。

【私の経験談③】

私が実際に売り出しを検討し始めたころ、この囲い込み物件が7,280万円(坪323万円)で依然として売り出されている状態でした。この物件を除けば私の部屋は坪350万円が相場だと判断していたのですが、坪323万円の物件と並んでしまうと割高に見えてしまう。

そこで私は、この物件がポータルサイトから消えるまで自分の部屋の売り出しは待とう、と決断しています。

ステップ3:成約目標価格を決める

成約事例と競合情報が揃ったら、「最終的にいくらで成約させたいか」という目標価格を先に決めます。ポイントは、売り出し価格より先に成約目標を決めること。

目標価格は「成約事例から見た適正相場」に、自分の部屋の個別要因(階数・眺望・リフォーム状況・売り急ぎの有無)を加減して決めます。売り急ぐ事情がなければ、相場のやや上を狙っても良いでしょう。

ステップ4:値下げ許容額を上乗せして売り出し価格にする

私が現在売り出し中の自宅マンションを例に、実際の数字でお話しします。成約目標を7,500万円(坪350万円)と決め、売り出し価格は7,780万円としました。上乗せは280万円、率にして3.7%です。

満額で決まればそれでよく、7,500万円未満の指値には応じない── 目標の7,500万円は維持する、という考え方です。

どうせ値下げされるなら、最初からもっと高くしておけば?

キウイ
不動産
上乗せしすぎると内覧すら入らなくなりますよ

3〜5%ほど値下げの指値が入り、それを受け入れて成約に至るのが最も多くある決まり方です。売主にとっては目標額で売れたことになり、買主にとっては値下げに応じてもらえたことになる。お互いにとって“良い結果”になるのです。欲張りすぎないことをおすすめします。

やってはいけない価格設定

失敗パターンを2つ挙げます。

高すぎるスタート:物件情報には「鮮度」があります。売り出し直後から2ヶ月以内が最も注目される期間で、ここで高すぎる売り出し価格にしてしまうと、その後値下げしても「売れ残っている物件」という目で見られます。

安すぎるスタート:早く売れるのは確実ですが、数百万円単位の取り逃しになります。「すぐに申込みが入った」と喜ぶよりも、安く出してしまった失敗かもしれません。

相場よりも安い査定額を出してくる仲介業者も存在します。私の経験談①のC社(査定額7,000万円)がまさにこれでした。数年前の成約事例のみを参考にしていて現在の相場と合っていない、もしくは何らかのAI査定を用いて出てきた価格と思われ、報告書の形式ではなくLINEで査定額の連絡がありました。

「査定額の高さ」で仲介会社を選ばない

最後に、価格設定と仲介会社選びについてです。ここまで読んでいただいた方には伝わると思いますが、「一番高い査定額を出した会社」を安易に選ぶのは危険です。高い査定額は高く売る能力があるわけではなく、媒介契約を取るための営業トークかもしれないからです。

また、売却の仲介では「高預かり」のほかにも「囲い込み」という、売主が知らないうちに損をさせられる悪質な慣行も存在します。仲介会社選びで囲い込みを避けるための解説は、私の個人ブログで詳しく書いていますので、売却を検討中の方はあわせてご覧ください。

👉 マンション売却で「囲い込み」を避けたい人が最初に知っておくべき判断軸(キウイ不動産ブログ)

まとめ ─ 売り出し価格は売主が決めるもの

売り出し価格の決め方を整理します。

【この記事のまとめ】
  • 査定額は「答え」ではなく「材料」。そのまま売り出し価格にしない
  • 基準にするのは売り出し事例ではなく成約事例
  • 成約目標価格を先に決め、値下げ許容額3〜5%を上乗せして売り出す
  • 売り出し直後の「鮮度」を高すぎる売り出し価格で無駄使いしない
  • 不動産仲介では「高預かり」「囲い込み」という悪質な慣行が存在する
売り出し価格は、仲介会社に決めてもらうものではなく、材料を揃えたうえで売主自身が決めるものです。この認識を持つだけで、売却の結果は変わります。

なお、この記事でお伝えした私の物件の売却活動は現在進行形です。売却が確定したら、成約までの経緯とあわせて別記事でご紹介します。

私の他の売買ノウハウ記事もぜひあわせてご覧ください。
今回の記事がみなさまのご参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

[スムラボ編集部より] 本ブログ記事の情報は投稿日時点のものです。現在の販売情報は物件公式サイトをご参照下さい。

ディアナコート文京白山 広告画像
バウス加賀 広告画像

公式サイトもチェックしよう!

リビオシティ文京小石川
  • 東京都文京区小石川4
  • 東京メトロ丸ノ内線・南北線 後楽園 駅徒歩12分(サブエントランスより/8番出口まで)
  • 1LDK+S(納戸)~4LDK
  • 59.17m2~82.67m2
  • 8戸/総戸数 522戸

ABOUTこの記事をかいた人

投稿者アイコン

建築資材メーカー会社員。 不動産業者ではありません。 自宅マンション売買を3回繰り返して資産形成してきた経験に基づきブログ発信をはじめました。スムラボでは埼玉県の新築マンション情報を担当します。 【個人ブログ】キウイ不動産ブログ 【所持資格】ファイナンシャルプランナー2級
  • X Logo

記事にコメントする

「コメント」と「ハンドルネーム」は必須項目となります。

※個別物件への質問コメントは他の読者様の参考のためマンションコミュニティ
 「スムラボ派出所」に転載させて頂く場合があります。
※日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)