なぜ長岡京市のマンションは売れ続けるのか。JR長岡京駅前を歩いて考えた。JR西日本プロパティーズ新マンション計画と「ローレルスクエア長岡京勝竜寺城公園」【kyoto1192】

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JR編|長岡京市の重心はどこにあるのか

前回の阪急編では、長岡京市の暮らしの中心は阪急長岡天神駅周辺にあるのではないか、という話を書いた。

商店街があり、人が集まり、生活の風景が積み重なっている。

街の熱量を感じたのは間違いなくこちらだった。

では、もう一つの駅であるJR長岡京駅はどうなのだろうか。

今回、阪急長岡天神駅からJR長岡京駅まで歩いてみた。

すると見えてきたのは、阪急側とは少し違う長岡京市の姿だった。


 

 

 

 

 

 

二つの駅の間にある風景

阪急長岡天神駅を離れ、アゼリア通を東へ。



アゼリア通


 

市役所方面へ向かう。

長岡京市役所は現在、新庁舎の建設を段階的に進めており、2026年(令和8年)12月中旬に新庁舎と周辺施設を含めたグランドオープンを迎える予定


 

その途中で目に留まったのが「ロングヒル」だった。



商業施設「ロングヒル」は、建物の老朽化に伴い解体・取り壊しが決定との事。解体後はパーキング予定。


 

新築マンションや再開発の話題が続く長岡京市の中で、この建物だけは少し違う時間を刻んでいるように見えた。

調べてみると、建物の老朽化により解体が予定されているという。

そう思うと、この少し色褪せた外壁も、空き区画の並ぶ廊下も、違った風景に見えてくる。

街歩きというと、つい新しいものに目が向いてしまう。

だが本当に面白いのは、こうした建物なのかもしれない。


 

 

さらに東へ進むと、アゼリア通から少し入ったところに「東横イン」の建設工事が進んでいた。

長岡京市でホテル開発というだけでも少し意外だ。



2027年2月開業予定の(仮)東横イン長岡京。阪急長岡天神駅下車、東口より徒歩約6分、JR長岡京駅下車、西口より徒歩約9分。


 

 

その一方で、ホテル建設地の裏手には、昔ながらの「町中華」が暖簾を掲げている。


 

年季の入った看板と暖簾。

中に入ると出てきたのは大瓶。間違いない、名店だ。

店主に長岡京の話を聞こうと試みる。

東横インの開業日を尋ねるが、「まだ」との一言で沈黙が店内を包む。

会話が広がらぬまま店を出た。

長岡京市という街は、古いものが消えて新しいものに置き換わるというよりも、それぞれが同じ風景の中に共存しているように見えた。


 

そんなことを考えながら歩いていると、やがてJR長岡京駅が見えてくる。


 

 

 

 

 

 

働く街としてのJR長岡京駅

阪急長岡天神駅前に感じた生活の熱量とは対照的に、JR長岡京駅前は整然としている。

広々とした駅前ロータリー。


 

バンビオを中心とした街並み。

「バンビオ(bambio)」は、京都府長岡京市にある複合公共・商業施設の愛称(正式名称:長岡京市立総合交流センターなど)。開業は2005年6月


 

歩いている人の流れも、どこか目的地へ向かう機能的な印象を受ける。

そして、この駅を語る上で欠かせないのが村田製作所の存在だろう。

長岡京市はベッドタウンとして語られることが多い。

しかし実際には、多くの人がこの街へ働きに来ている。

JR長岡京駅は、暮らしの駅というよりも、都市機能を支える駅としての役割が強いように感じた。



JR駅東側には村田製作所 本社


 

 

 

 

 

 

駅前で見つけた新たなマンション計画

今回歩いていて興味深かったのが、「JR西日本プロパティーズ」によるマンション計画だった。

低層な住宅街の中に更地が現れた。

JR長岡京駅西口から徒歩2〜3分の立地。


 

前回の阪急編では、阪急長岡天神駅徒歩2分圏で「阪急阪神不動産」による新たなマンション計画を見つけた。

そしてJR側では、JR西日本プロパティーズによるマンション計画が動き始めている。


 

偶然と言えば偶然だが、阪急側では阪急系、JR側ではJR系のデベロッパーが次の街づくりを進めている。

さらに興味深いのは、その計画内容の違いだ。

阪急長岡天神駅前で計画されているマンションは13階建、高さ約40m。

一方、JR長岡京駅前の計画は6階建、高さ約18mに抑えられている。

どちらも駅徒歩数分の立地でありながら、その街並みは大きく異なる。

阪急長岡天神駅前では、より高密度な都市型の開発が進む。

一方でJR長岡京駅前には、今も低層住宅を中心とした穏やかな街並みが残る。

同じ長岡京市でありながら、二つの駅前が異なる個性を持っていることを改めて感じさせる風景だった。



JR西日本プロパティーズのマンション計画は6階建。


 

 

 

 

 

 

市場が選んだJR長岡京駅東側

興味深いのは、JR長岡京駅周辺の評価が、必ずしも分かりやすい住宅地イメージだけで支えられているわけではないことだ。

例えば「ローレルスクエア長岡京ザ・マークス」

販売当時は平均坪単価180万円台前半

現在の長岡京市の新築マンション市場から振り返ると、割安感すら覚える価格帯だ。

実際、近年の阪急長岡天神駅周辺では5000万円台から8000万円台の住戸も市場に受け入れられている。

それと比較すると、JR長岡京駅東側は京都駅まで約10分、大阪方面へのアクセスにも優れたJR京都線の利便性を享受しながら、比較的手の届きやすい価格帯で供給されてきた。

実際に駅東側を歩いてみると、工場や事業所が点在し、どこか工業地域を思わせる風景も残っている。

阪急長岡天神駅周辺のような商店街の賑わいや、住宅地としての華やかな印象が強いわけではない。

それでも市場はこのエリアを選んだ。

評価されたのは街並みの華やかさというよりも、JR京都線による通勤利便性と価格のバランスだったのだろう。

長岡京市のマンション市場は、「住みたい街」というイメージだけでは説明できない。

このエリアには、働く街としての価値も確かに存在している。



ローレルスクエア長岡京ザ・マークスの販売開始は2020年末。クレヴィア長岡天神・レーベン長岡天神 CRESIST・ジオ長岡天神レジデンスなどで長岡天神エリアの価格上昇がより鮮明になったのは、その後。


 

京都駅へ。

そして大阪方面へ。

長岡京市は暮らす街であると同時に、働く街でもある。

そのことを、このエリアのマンション市場は教えてくれているように感じた。


 

 

 

 

 

 

京都府内屈指の大規模プロジェクト

今回の街歩きの最後に訪れたのが、勝竜寺城公園前に位置する


 

 

ガラシャ通り沿いの「ローレルスクエア長岡京勝竜寺城公園」現地だった。


 

総470邸。

近年の京都府内でも屈指の規模を誇るマンションプロジェクトである。


 

現地に立つと、そのスケール感に圧倒される。


 

阪急長岡天神駅前のような商店街の賑わいはない。

しかしその代わり、空が広い。

駅前再開発とは異なる魅力がここにはある。

長岡京市という街が幅広い層から支持される理由は、こうした選択肢の多さにもあるのだろう。



菜の花の土手が美しい小畑川の向こうに計画される「ローレルスクエア長岡京 勝竜寺城公園」

現地周辺を歩いてみると、勝竜寺城公園の緑もあり、比較的落ち着いた住宅地の雰囲気が広がっている。

興味深いのは、その先だ。

小畑川を東へ越えると、工場や事業所が目立ち始める。

長岡京市の産業を支えるエリアらしい風景が広がり、前述のローレルスクエア長岡京ザ・マークスが建つ。



小畑川の東側にローレルスクエア長岡京ザ・マークス

一般的な住宅地として考えれば、勝竜寺城公園周辺の方が好まれそうにも思える。

それでも市場は、より工業地域的な雰囲気を持つ小畑川から東側も評価してきた。

長岡京市のマンション市場が面白いのは、この点にあるのかもしれない。

街並みの印象だけではなく、JR京都線による通勤利便性や価格とのバランスも含めて選ばれているのだ。


 

 

 

 

 

 

長岡京市の重心はどこにあるのか

阪急編を書いた時点では、暮らしの重心は阪急長岡天神駅周辺にあると感じていた。

その印象は今も変わらない。

商店街があり、人が集まり、日常の風景が積み重なっている。

だがJR長岡京駅を歩いてみると、この街を支えているのは暮らしだけではないことが分かった。

企業があり、働く人が集まり、新たな住宅供給が続いている。

長岡京市は二つの駅が競い合っている街ではない。

暮らしを支える阪急長岡天神駅。

都市機能を支えるJR長岡京駅。

そしてその間に広がる日常の街並み。


 

 

長岡京市の重心はどこか。

最後まで歩いた今なら、こう答えるかもしれない。

この街の重心は、一つの駅にはない。

阪急とJR、その間に広がる街そのものが長岡京市の重心なのだと。


 

 

 

 

 

 

おわり

 

 

 

 

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京都で不動産をしています。 歩いて、見て、書く。たまに街ツアー。 街と物件を見ています。 京都で「暮らす場所」「始める場所」を探している方へ。
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