【後祭編】東京建物は御所西へ。阪急阪神不動産は御所東へ。「御所ブランド」は東へ、西へ【kyoto1192】

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プロローグ

2026.7.17 19:18

大丸は暖簾だが高島屋は幕だな、と見上げる祇園祭 前祭・山鉾巡行が終わった夜。

さぁ、次は後祭だ。


 

 

2026.7.22  19:20

新風館前の鈴鹿山


 

エースホテルが何故、アジア初進出地に「京都」を選んだのかがわかる。


 

 

2026.7.23  19:59

後祭・宵山の新町通。

「 THE RESOCIA四条新町」の北に輝く山鉾は「南観音山」


 

一番山鉾が美しく撮影できるのが「南観音山」だと思っている。


 

 

六角通。

大阪ガス都市開発のマンション計画地の前で輝く


 

「浄妙山」


 

 

 

2026.7.24  19:59

後祭・山鉾巡行

河原町御池の辻回しはフジロック並みの熱狂に包まれていた。


 
「ローレルコート京都河原町三条」建設地の前を鬮(くじ)とらずで最後を巡行する「大船鉾」が通り過ぎる。
この一瞬をとらえるために山鉾巡行に来たとも言える。

 

 

 

 

 

 

東京建物と御所西の変化

前編では御所南小学校区を歩いた。

今回は京都御苑の西側、御所西へ向かう。

虎屋が店を構える烏丸一条交差点から西へ入ると、


 

御所西で暮らしていた頃からいつか訪れようと思いながら、いまだ足を踏み入れていない虎屋茶寮が静かに佇んでいた。

私の「いつか」は永遠に来ないかもしれないと思いながら通り過ぎる。


 

さらに歩くと、白い外観が印象的な「日興御所前スカイマンション」が現れる。

1976年築、レトロでありながら白い外観がどこかリゾートホテルを思わせる佇まい。

開放感を感じるのは何故?



近くには本田味噌本店の趣ある町家店舗が佇み、この街には長い歴史を映すかのように、ゆったりとした時間が流れている。


 

その向かいには、新たな開発が始まりそうな更地も見えた。


 

そして病院の横に広がるガレージで、新たな建築計画を確認した。

愛寿会同仁病院


 

一条通沿いのコインパーキングの北側にバリケードが広がっている。


 

建築主は東京建物

計画概要は地上5階建・43戸・延床面積約3,926.27㎡。


 

地下鉄今出川駅までは約450m(徒歩6分)のロケーション。

 


 

 

延床面積から試算すると、専有面積は1戸あたり約63~73㎡が中心になると考えられ、ファミリー層を意識した商品企画になりそうだ。

高騰するマンション価格を考えると、地元実需だけでなく、セカンドハウスや京都での滞在拠点を求める層も視野に入れた商品企画なのだろうか。

そんなことを考えながら計画地を眺めていた。


 

東京建物が、いよいよ御所西へ姿を現した。

計画地は上京中学校の北側。少し南へ歩けば新町小学校があり、京都御苑も徒歩圏に収まる。

私にとっても、この一帯は特別な場所だ。

3人の子どもたちが通った学校があり、何度も歩いた街でもある。

だからこそ、この場所に東京建物が目を付けたことには大きな意味を感じた。

東西に伸びる一条通


 

 

南側には上京中学校


 

さらに周辺でも街は動いている。

京都ブライトンホテルは2026年11月30日で営業を終了し、約2年間の改修を経て「キュリオ・コレクション by ヒルトン」として再開業する予定だ。


 

喫茶ゾウ跡地には新たなコーヒーショップ「Breworld Coffee Kyoto」がオープンし、


 

京都府庁南では新たな病院施設の整備も進む。


 

街を歩いていると、その変化は決して大きくはない。しかし、確かに積み重なっていることが伝わってきた。東京建物が計画地に選んだのも、そんな御所西だった。

京都で200年以上続く「入山とうふ店」は変わらない輝きを放っていた


 

 

 

 

 

 

御所西はどこまでなのか

東京建物の計画地を後にし、南へ歩く。すると、2023年に閉業した京都平安ホテルが姿を現す。

京都府は約49億円を投じて土地と建物を取得する方針を示しており、七代目小川治兵衛が手掛けた日本庭園を含め、今後の活用が注目されている。

さらに南へ歩くと、住友商事の定期借地権マンション「クラッシィハウス京都御苑ザ・テラス」が現れた。 


 

住所は上京区桜鶴圓町、勘解由小路町

 住宅地として京都市内でもトップクラスの地価を維持し、基準地価では15年連続で最高価格となっているエリアだ。 


 

御所西といえば、実需を中心とした所有権マンションのイメージが強い。
しかし、そのブランドエリアであえて定期借地権マンションが供給され、市場でも一定の評価を得た。

一般的に定期借地権マンションは、所有権物件より価格を抑えやすい。高騰が続く京都市中心部において、「御所西に住む」という選択肢を広げる商品企画だったとも考えられる。

実需はもちろん、セカンドハウスや京都に拠点を持ちたい層も視野に入れた計画だったのかもしれない。



クラッシィハウス京都御苑ザ・テラスの南側には森トラストが2024年5月に取得した「有栖川宮旧邸 有栖館」


 

 

一方で、「御所西」と一口に言っても、その価値は一様ではない。

御苑に近いエリアは落ち着いた住環境が魅力だが、日常使いできるスーパーやドラッグストアは決して多くない。

その反対に、今回歩いた堀川通寄りでは、野村不動産の新たなマンション計画に加え、

野村不動産/東橋詰町・7階建・64戸・延べ床面積6904.04㎡


 

プレサンスプレサンス ロジェ 京都御所西 桜雅邸も分譲されている。

プレサンス ロジェ 京都御所西 桜雅邸・7階建・52戸・竣工2026年3月


 

 

スーパーのフレスコやアイハート、丸太町通まで足を延ばせばイズミヤも利用でき、地下鉄駅からは少し距離があるものの、生活利便性という点ではこちらに分があるとも感じた。

堀川通の西に渡ればスーパー2件と堀川商店街が


 

以前、私が所有していたマンションの売却を依頼した大手仲介会社の営業担当者から、こんな話を聞いたことがある。

「他府県や海外の購入希望者に『御所西』として強く訴求できるのは、西は新町通あたりまででしょう。」

あくまで一人の営業担当者の見立てではある。

 

しかし、今回確認した東堀川下立売交差点の野村不動産計画地を歩くと、その印象は少し変わった。

京都府庁や文化庁に近く、目の前には整備された堀川遊歩道が広がる。

堀川遊歩道


 

京都府庁


 

そこには観光地化された京都ではなく、地元の人々が暮らす普通の京都がある。

堀川商店街やスーパーなど生活利便施設も徒歩圏にあり、京都らしい住環境と暮らしやすさが共存する立地だ。

地下鉄駅からは少し距離があるものの(地下鉄丸太町駅から徒歩約12分)、他府県からの購入者にも十分魅力的に映るのではないだろうか。


 

 

行政上、「御所西」という明確な境界は存在しない。
しかし、マンション名を追って街を歩くと、一つの傾向が見えてくる。

堀川通を渡ると、「御所西」ではなく「二条城北」や「二条城」を冠したマンション名が目立つようになる。

その代表例が、堀川通沿いに今年3月に竣工した大和ハウス工業の「プレミスト京都二条城北」だ。

交通量の多い堀川通沿いという立地から、販売には時間を要するのではないかと思っていた。しかし、徒歩圏にはイズミヤをはじめとする生活利便施設がそろい、実際にはスムーズに完売した。

堀川通沿いに対する市場の評価も、少しずつ変わってきているのかもしれない。

「御所西」と「二条城北」。
わずか一本の幹線道路を境に、デベロッパーは街の価値を異なるブランドで表現している。

そのネーミングの変化をたどるだけでも、京都都心の住宅市場の捉え方が見えてくる。



プレミスト京都二条城北・7階建・60戸・竣工2026年3月


 

 

 

 

 

 

御所東が持つ、もう一つのブランド

東京建物が「御所西」へ。

その一方で、阪急阪神不動産は「御所東」で新たなマンション計画を進めていた。

計画は総戸数わずか5戸。


 

地上3階建・延床面積約1,644㎡。

規模から見ても、一戸一戸にゆとりを持たせた商品企画になる可能性が高そうだ。

以前設置されていた標識/染殿町・3階建・5戸・延べ面積1643.78㎡


 

御所南のような供給ラッシュでもなく、御所西のようなブランド拡大でもない。

それでも、この場所には、御所南にも御所西にもない魅力がある。

鴨川だ。

京都御苑の東には、鴨川。

そして鴨川デルタが現れる。


 

鴨川デルタまで約950m(徒歩約12 分)


 

このエリアで学生時代を過ごした人なら、一度は鴨川デルタで友人と語り合い、夕暮れを眺めた記憶があるのではないだろうか。

「京都には世界の全てがあった」

そんな言葉を耳にしたことがある。


 

少し大げさかもしれない。

しかし、この街にはそれほど人を惹きつける磁場がある。


 

近くには出町桝形商店街があり、昔ながらの京都の日常が今も息づいている。

出町桝形商店街のそばには大人気の「出町ふたば」がある


 

御所東の価値は、利便性だけではない。

御苑と鴨川、そして商店街。

観光地ではない京都の日常が、今も残されていることだ。

だからこそ、総戸数5戸という小規模な計画でも成立する。

御所東で売られているのは、マンションではない。

京都で暮らした記憶や、これから暮らす時間そのものなのかもしれない。



阪急阪神不動産5戸計画は寺町通側にも面す


 

 

 

 

 

京都御所ブランドは、どこまで広がるのか

御所南では教育ブランドが街を支え、

御所西では落ち着いた住環境と暮らしやすさが評価され、

御所東では鴨川という京都の日常が価値になる。

同じ京都御苑を囲みながら、それぞれが異なる魅力を持ち、異なる価値で選ばれている。


 

デベロッパーが競っているのは、土地ではない。

「京都で、どんな時間を売るのか」。

その答えを探すように、今日も京都御苑の周りでは、新しいマンション計画が静かに動き始めている。

8月16日 京都御苑から眺める送り火


 

 

 

 

 

 

おわり

 

 

 

 

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