AIと不動産は相性がいい?
私は以前から、AIと不動産はかなり相性がいいのではないかと思っていた。不動産というのは、とにかくデータが多い。
価格、専有面積、築年数、駅距離、方角、階数、管理費、修繕積立金、過去の成約事例、地価、周辺環境……。
国土交通省も「不動産情報ライブラリ」で、実際の取引価格や地価、都市計画など、さまざまな不動産関連情報を公開している。
これだけデータが存在する業界なのだから、AIとの親和性は高いのではないか。
不動産業界に入ってからより強く感じるようになった。
不動産価格には「感情」が乗っている
不動産の売却査定を見ていると、価格には純粋な「相場」だけではないものが乗っているように感じる。長年暮らしたマイホームなら、売主には「この家にはこれだけの思い入れがある。リフォーム・修繕して大切に住んできた家」という感情がある。
当然、「できるだけ高く売りたい」という気持ちもある。
一方、不動産会社側にも事情がある。
あまりにシビアな査定価格を提示すれば、
「そんな金額では売りたくない」
となり、そもそも売却の依頼を預かれないかもしれない。
そこで、
「この価格ならチャレンジできます」
という価格が乗ることもある。
もちろん、すべての不動産会社がそうだという話ではない。
ただ、不動産価格には、数字だけでは説明できない人間の感情や営業上の事情が入り込む余地がある。
だったら、
「査定もAIに任せたらいいんじゃない?」
と思った。
人間の経験や勘だけではなく、大量のデータをAIに分析させる。
不動産の世界でも、これからこうした流れは進んでいくのではないか。
そう考えていたら、ふと思った。
だったら、
「買うべきマンション」もAIに聞けばいいんじゃないか?
「京都で今、一番買うべきマンション」はどこ?
不動産を買うとき、人はさまざまな情報を見る。
不動産会社に相談する。
不動産評論家の記事を読む。
マンションブロガーを見る。
SNSで評判を調べる。
不動産インフルエンサーの意見を聞く。
もちろん、それも大切だ。
しかし、AIの時代である。
そこでチャッピーに聞いてみた。
「京都で今、一番買うべき新築分譲マンションはどこ?」
と聞いてみた。
すると、私が予想していなかった名前が出てきた。
その名前は、
「ローレルアイ京都四条大宮」
だった。
阪急京都線「大宮」駅徒歩1分。
京福電鉄「四条大宮」駅へも徒歩2分。
33戸、地上10階建て。
2026年2月に竣工した新築マンションだ。
阪急「大宮」駅から「烏丸」駅へ直通2分、「京都河原町」駅へ直通4分。
数字だけを見れば、確かに強い。
ただ、私には別の疑問がある。
「いや、四条大宮って、そんなに買うべき街なのか?」
私は四条大宮を何度も歩いてきた。
王将本店にも行った。
立ち飲み屋にも行った。
夜の四条大宮も何度も見てきた。
私の中にある四条大宮は、洗練された高級住宅街というより、
パチンコ、立ち飲み、大衆酒場、雑居ビル、商店、大阪に通ずるような雑多さ。
そして夜になると、静かにギラギラする街。
そんな街だ。
だからこそ、面白い。
AIがデータから「買うべき」と判断したマンションを、今度は実際に四条大宮を歩きながら検証してみることにした。
ところが……。
おい、チャッピー。どれやねん
四条大宮を歩くついでに、もう一度チャッピーに聞いてみた。「京都で今、一番買うべき新築分譲マンションは?」
……。
あれ?
今回は「ローレルアイ京都四条大宮」ではない。
「ザ・パークハウス 京都烏丸御池」
そして、この記事を書くにあたって、さらにもう一度聞いてみると、
「ジオ東洞院御池」
だった。
おい、チャッピー。
どれやねん。
同じ質問をしているのに、答えが変わっている。
そもそも、AIに「買うべきマンション」を聞くことに意味はあるのだろうか。
AIの答えが変わった理由
考えてみれば、「京都で一番買うべきマンション」
という質問自体がかなり曖昧だ。
価格を重視するのか。
駅距離なのか。
資産性なのか。
住みやすさなのか。
将来のリセールなのか。
京都らしさなのか。
購入者の予算や家族構成によっても答えは変わる。
つまり、
「一番買うべきマンション」という絶対的な答えがあるわけではない。
これは不動産そのものにも似ている。
不動産価格にも絶対的な正解はない。
売主は高く売りたい。
買主は安く買いたい。
不動産会社は過去の成約事例や周辺相場を見ながら価格を査定する。
そこにはデータがある。
しかし、最後には人間の判断も入る。
だから私は、AIに不動産を聞くことに面白さを感じる。
AIの答えをそのまま信じるのではなく、
「なぜ、そのマンションを選んだのか?」
を聞いてみる。
そして、もう一つ重要なことがある。
実際に、その街を歩いてみることだ。
AIが「買うべき」と言った四条大宮は、本当に住む街として面白いのか。
駅徒歩1分という数字だけでは見えてこないものを探しに、四条大宮を歩いてみることにした。
駅徒歩1分の新築分譲マンション。その隣にあるもの
阪急大宮駅を出て、大宮通を北へ。
すぐに目に入ったのが、パチンコ店「オメガ」の前に設置された建築標識だった。
「おっ、建て替えか?」
と思った。
ところが、どうやらそうではない。
地下にフィットネスジム「アーバンフィット24」が入るようだ。
パチンコ店の地下にフィットネスジム。
なんとも四条大宮らしいというか、時代の変化を感じるというか。
そして、そのすぐ先に見えてくるのが、ローレルアイ京都四条大宮。
駅徒歩1分の新築マンションである。
ピカピカのマンション。
その周囲には、昔ながらの飲食店や、昭和の面影を残す飲み屋街が残っている。
この新旧のコントラストが、四条大宮という街をよく表している。
マンションを選ぶとき、こうした周辺環境を「マイナス」と見る人もいるだろう。
静かな住宅街が好きな人なら、四条大宮は候補から外れるかもしれない。
でも、逆に考えてみる。
京都の中心部にあり、駅から徒歩1分。
それでいて、駅前にはチェーン店だけではなく、昔ながらの飲み屋や商店が残っている。
この雑多さこそ、四条大宮の個性なのではないか。
そして、ここはAIが苦手なところかもしれない。
「大宮駅徒歩1分」
「烏丸駅まで2分」
「河原町駅まで4分」
こうした情報は数字にできる。
しかし、
パチンコ店の隣に昭和の飲み屋街が残っていること。
その街を歩いたときに感じる、少し雑然とした空気。
夜になるとネオンが灯り、昼間とは違う顔になること。
こういうものを、「住みやすさ」という数字だけで評価するのは難しい。
だから、歩いてみる。
AIが選んだマンションの周りで、実際にどんな暮らしができるのか。
三条商店街まで歩いてみる
大宮通を北へ歩いていく。そして、三条商店街の西側入口に到着。
まず目に入るのが、門番のように構える焼肉の「弘」。
ここから三条商店街を歩いてみる。
以前歩いたときとは、少し景色が違う。
安価な立ち飲みだった店が、いつの間にかインバウンドを意識したすき焼き店になっている。
一方で、店先には懐かしい「サントリーウイスキー」の文字。
昔ながらの天ぷら屋さんも残っている。
さらに歩いていて、妙なものを見つけた。
理容室の前で、昔ながらの「グルグル」が回っている。
理容室だと思って中を覗いてみると……
なんと無人のリサイクルショップだった。
「BAR BER BAZAAR ムコザワ」
無人の古着店らしい。
理容室の「グルグル」だけを残して、中身はまったく別の店になっている。
なんとも四条大宮らしいというか、三条商店街らしいというか。
新しい店と古い店が、同じ商店街の中に混在している。
久しぶりに歩いてみると、見慣れない店がかなり増えていた。
街の新陳代謝は、思っていた以上に激しい。
「牛肉麺」と書かれていた店が、「マーラータン」の店に変わろうとしている。
さらに歩く。
祇園祭発祥の社/八坂神社又旅社があり、
元老舗味噌店だった建物を改装した中華料理店もある。
こうして歩いていると、商店街という一つの空間の中に、いろんな時代が同居していることに気づく。
そして、ふと思い出した。
そういえば、この商店街には以前から気になっていたマンションがある。
ファインフラッツ三条通(2003年11月竣工)
三条商店街に面する11階建のマンションだ。
分譲当時のパンフレットが、今思い返してもかなりイカしていた。
モノクロを基調に、ポイントで黄色を使ったデザイン。
そして、商店街の店主さんたちが登場していた。
マンションの設備やスペックを並べるのではなく、「この商店街に住む」ということを伝えていた記憶がある。
これって、けっこう大事なことなのかもしれない。
マンションのスペックだけなら、駅距離や専有面積、設備、価格など、数字で比較できる。
でも、
「この商店街を普段使いする」
「顔なじみの店ができる」
「店が変わっていくのを暮らしながら見る」
そんなことは、スペック表には載っていない。
観光地として完成された京都ではなく、商売を続ける店があり、店が入れ替わり、昔の看板が残り、新しい商売が入り込んでくる。
歩いてみると、街は静かに変わり続けている。
そして、そんな商店街の先に、わざわざ食べに行きたくなる店がある。
次は、そこへ向かってみる。
昼――路地裏の「さだかず」でラーメン
三条商店街を歩いたあと、昼飯に向かった。目指したのは「さだかず」。
営業時間は、なんと昼の2時間ほど。
しかも、目立たない路地裏にある。
「これは、知っている人しか来ないタイプの店だな……」
ストレートな醤油系のラーメン並をいただく。
こういう店に、わざわざ食べに行く生活が、私は結構好きだ。
ここで、ふと思う。
なぜ、さだかずは大宮にあるのだろう。
四条河原町なら、買い物のついでに店を探す。
四条烏丸なら、仕事の合間にランチをする。
でも、さだかずは違う。
この店を目指して、わざわざ大宮まで行く。
そして、店を出たら、また路地を歩く。
そう考えると、四条大宮には不思議な魅力がある。
「何かのついでに行く街」ではなく、「そこへ行くこと自体が目的になる街」。
有名な観光地でもない。
高級店がずらりと並んでいるわけでもない。
むしろ、雑多で、少し古くて、どこか掴みどころがない。
だからこそ、
「この先に何か面白いものがあるんじゃないか」
という想像を掻き立てられる。
私は、四条大宮を歩くと、いつも少しだけ幻想が膨らむ。
路地に入れば、知らない店がある。
古い建物の中に、新しい商売が入っている。
昼と夜で街の表情も変わる。
「この街、まだ何か隠してるんじゃないか」
そんな気持ちにさせてくれる。
ローレルアイ京都四条大宮からなら、こうした場所にも歩いて行ける。
「毎日の生活に必要か?」と聞かれれば、必要ではない。
でも、マンションの資産価値や住環境を考えるとき、こういう**「その街にしかないもの」**をどう評価するのかは難しい。
AIなら「飲食店充実」「商業利便性が高い」とデータ化できるかもしれない。
でも、
「わざわざ、その店を目指して歩きたくなる」
という感覚は、数字にはしにくい。
そして私は、こういうところに四条大宮の面白さがあると思っている。
便利だから住む。
だけじゃない。
面白そうだから住みたくなる。
四条大宮には、そんな「幻想」を膨らませる余地がある。
夕方――銭湯に入って、生中500円
次に向かったのは「トロン温泉 稲荷湯」。銭湯から出てきたマダムと銭湯に入ろうとするマダムが銭湯前でしばし談笑しているのがとても四条大宮らしくて良い。
風呂に入って、汗を流す。
そして風呂上がり。
銭湯内のBARカウンターで生中500円。
これはもう、反則である。
ローレルアイ京都四条大宮に住んで、仕事から帰ってきた。
「今日はちょっと疲れたな」
そう思ったとき、家の風呂ではなく銭湯へ行く。
風呂上がりに生ビールを一杯。
こういう暮らしを「住環境」として評価するのは、かなり難しい。
でも、私はこういうものに価値を感じる。
だから四条大宮は面白い。
夜――DJと燻製で一日を締める
本当なら、このあと四条大宮を語る上で外せない「庶民」にでも行こうと思っていた。
しかし、今日はここで一度落ち着きたい。
向かったのは「RUTUBO 第2燻製工場」。
店内にはDJのターンテーブル。
音楽を聴きながら燻製をつまむ。
クラシックラガーを一杯。
そしてハイボール。
昼は路地裏のラーメン。
夕方は銭湯。
夜は音楽と燻製。
ローレルアイ京都四条大宮に住んだつもりで、一日を過ごしてみた。
こうしてみると、四条大宮という街はなかなか奥深い。
変わっていく街、止まったままの場所
一方で、四条大宮には「止まったまま」の場所もある。バスロータリー前。
「串八」や「焼肉大将軍」、そしてパチンコ店が入っていたビル。
閉店後、しばらく経つが、現在のところ大きな動きは見られない。
新しいマンションが建ち、街が少しずつ変わっていく一方で、閉店したまま時間が止まっているような場所もある。
これもまた四条大宮だ。
AIは過去のデータから、
「この街はこう変わってきた」
と分析することはできる。
しかし、次にこのビルに何が入るのか。
いつ動き出すのか。
そもそも、動くのか。
そこには、まだ分からないことが多い。
未来の不動産を考えるとき、ここは人間にもAIにも難しいところだ。
一日歩いて、ローレルアイをもう一度考える
一日歩いてみた。では、結局ローレルアイ京都四条大宮は「買い」なのか。
私なりに整理してみる。
最大の武器は、やはり駅徒歩1分。
阪急大宮駅から烏丸駅まで直通2分、京都河原町駅まで4分。
京都の中心部で、この交通利便性は強い。
33戸という比較的小規模なマンションで、全邸角住戸、内廊下という商品企画も特徴的だ。
一方で、四条大宮という立地が万人受けするわけではない。
パチンコ店もある。
飲み屋街もある。
雑然としている。
静かな住宅街を求める人には、向かないだろう。
しかし、それを「欠点」と見るか、「四条大宮らしさ」と見るかで評価は大きく変わる。
三条商店街がある。
路地裏にはラーメン店がある。
銭湯がある。
夜になれば酒を飲める店がある。
そして阪急に乗れば、烏丸まで2分、河原町まで4分。
便利なのに、生活がちょっと面白い。
私は、このあたりがローレルアイ京都四条大宮の面白さなのだと思う。
AIに聞く。でも、最後は自分で歩く
最初にチャッピーがローレルアイ京都四条大宮を選んだとき、
「えっ?!」
と思った。
ところが、一日歩いてみると、その理由が少し分かった気がする。
駅徒歩1分。
烏丸まで2分。
河原町まで4分。
そして、その周辺には三条商店街があり、路地裏にはラーメン店があり、銭湯があり、夜になれば酒を飲める店がある。
一方で、パチンコ店や雑居ビル、閉店した店舗も残る。
つまり、誰にでも「買うべき」マンションではない。
四条大宮という街を面白いと思える人にとって、「買うべき」マンションなのかもしれない。
チャッピーの答えは、ローレルアイ京都四条大宮からザ・パークハウス 京都烏丸御池、そしてジオ東洞院御池へと変わった。
おい、チャッピー。
結局、どれやねん。
まあ、AIの答えが変わるのも分からなくはない。
不動産はデータだけでは決まらない。
AIに聞いてみる。
専門家にも聞いてみる。
そして最後は、自分で歩いてみる。
昼の街を歩いて、夜の街を歩いて、ラーメンを食べて、銭湯に入って、生ビールを飲んでみる。
その街に住んだ自分を想像してみる。
そうして初めて、
「ここ、ええやん」
と思えるのかもしれない。
おわり
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