【売買ノウハウ⑥】賃貸vs持ち家「賃貸が無難」は本当か ─ 経済的に有利な持ち家の選び方【キウイ不動産】

[スムラボ編集部より] 本ブログ記事の情報は投稿日時点のものです。現在の販売情報はLifull Homesをご参照下さい。

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YouTubeやネット記事で「賃貸 vs 持ち家」の議論を目にした方は多いのではないでしょうか。賃貸派からは「金利上昇で住宅ローン破綻」「持ち家は資産ではなく負債」、持ち家派からは「老後に借りられなくなって賃貸派は詰む」といった強めのフレーズをよく見かけます。

「経済的に有利な持ち家を選べる人は稀で、賃貸のほうが無難」といった意見もあり、私自身確かにそうだなと納得する部分もあります。

ただ、新築マンションを4回買って3回売ってきた経験からは、その「稀」な人になれると考えています。この記事では賃貸推奨論をフラットに紹介したうえで、なぜ私が持ち家を選び続けるのか、そして新築マンションの高騰が顕著になった2026年現在において、経済的に有利な持ち家をどう見分けるのかをお伝えします。




 

「賃貸が無難」と言われる理由

まず、賃貸を推奨する人がよく言う持ち家のデメリットです。おおむね次の4点になるでしょう。
  • 物件選びを間違えると資産価値が大きく下がる
  • 住宅ローンを組むと転職や引越しの自由度が下がる
  • 固定資産税・管理費・修繕積立金など、購入後も維持費がかかり続ける
  • 売却に半年から1年かかることもあり、流動性が低い
これらはいずれも事実です。実際、持ち家を購入した方全体で見れば、相場より高値で買ってしまったり、将来価格をまったく考えずに買ったりするという人は少なくありません。世の中の持ち家全体を平均すれば「賃貸が無難」という話は正しいと言えます。

郊外で新築注文住宅は買うなってよく言われています。本当なんですか?

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将来売れる金額と購入時の価格を比較すると下落しやすいという意味になります

ただ、私がお伝えしたいのは「無難」と「経済的に有利」はイコールではないということです。賃貸は失敗しにくい選択ですが、家賃を払い続けても何も残りません。一方、選び方を知って選んだ持ち家は、住宅ローンを払いながら同時に資産が積み上がっていきます。

ここからは、私が持ち家を選ぶ理由を3つお伝えします。

持ち家だけが持つ3つの優位点

①住宅ローンという最強のレバレッジ

個人が組める最も有利なローンは住宅ローンだと考えています。自己資金ゼロから数千万円の融資を受けられるのは住宅ローン以外に存在しません。

株式投資での信用取引の金利は年2.8%前後(2026年8月時点)かかり、値下がり時には追証リスクもあります。それに対して住宅ローンの条件は以下のとおり。
  • 金利:変動金利で1.0〜1.6%程度(諸費用込)
  • 期間:35年から50年の超長期も可能
  • 税制優遇:住宅ローン控除で年末残高の0.7%が最大13年間還付
  • 団体信用生命保険:契約者に万一のことがあれば残債がゼロになる
でも、数千万円の借金を背負うのは怖くないですか?

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それが誤解なんです。もともと払うはずだった住居費の行き先が変わるだけなんですよ

家に住む以上、住居費は必ず発生します。賃貸なら家賃、持ち家ならローン返済です。同じ月15万円を払うとして、賃貸ではその15万円は毎月消えていきます。持ち家では、その一部が元本返済にあてられ、自分の資産として積み上がっていきます。

そのうえで、住宅ローンは物件の選択肢を広げてくれます。自己資金が1,000万円あっても買える物件は郊外の築古に限られます。ところが住宅ローンで数千万円の融資を受けられれば、駅近の新築や、都心に近いエリアの物件まで買えるようになります。自己資金だけでは届かない物件を、いま選べるようになる——これがレバレッジの効果です。

そして賃貸では、このレバレッジを一切使えません。

ちなみに私は20〜30%は自己資金として用意し、残りは住宅ローンを利用します。物件を仮に売却したときの価格が、住宅ローン残高よりも高いことに余裕を持ちたいという、心理的な理由もありましたね。

②インフレに対するヘッジ機能

住宅ローンはインフレが進むほど実質的に負担が軽くなります。月15万円の返済額だったとして、物価が年2%ずつ上昇すれば、35年後の15万円は現在の約7.5万円相当の価値でしかありません。インフレが進むと住宅ローンは黙っていても軽くなる借金なのです。

一方、賃貸の家賃はインフレ局面で上昇します。ここ数年、東京都心を中心に上昇トレンドにあります。

普通借家契約なら、家賃の値上げは断れるって聞きましたけど?

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法的にはその通りです。ただ、現実に断り続けられる人は多くありません

たしかに借地借家法上、借主には家賃の値上げに同意する義務がなく、断れば元の家賃で住み続けられます。法的にはその通りです。ただ、実際問題それを何年、何十年と続けられるのかという話です。
  • 家主や仲介業者との関係は悪化します。設備が故障したと相談しても人である以上快く対応はしてくれないかもしれません
  • 本来引越しをしやすいはずの自由度を捨てることになる。いざ引っ越すとなれば、次の家賃は確実に高くなっています
「値上げを断る権利がある」ことと「インフレの影響を受けない」ことは別の話です。長期で見れば、賃貸はインフレを避けられません。

では持ち家はどうでしょうか。

でも変動金利で借りて、金利が上がったら苦しくなりませんか?

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金利が上がるインフレ局面では、マンション価格も上がっているはずなんですよ

「変動金利で借りた人が金利上昇で返済不能に…」といった記事もよく見かけます。しかし、日銀が金利を上げるのは物価が想定より上がったからです。順序としてはインフレが先、金利上昇が後になります。

そしてインフレが進めば同時にマンション価格も上昇していくはず。返済額が増えても、保有している資産の価値が同時に上がるため、資産と支払い額の両方が膨らむ形になります。変動金利が本当に苦しくなるのは「金利だけが上がって、物価も資産価格も上がらない」場合ですが、それでは日銀が利上げする理由がないはずです。

では実際に、金利が上がるとどれだけ返済額が増えるのでしょうか。5,000万円を35年で借りた場合、金利1%なら月々の返済額は14.1万円です。極端ですが金利が2倍の2%に上がったとしても、返済額は約16.6万円。増加額は月2.5万円、率にして17%です。

一方で、家賃14.1万円の賃貸に住んでいて、年2%の現実的なインフレの通りに家賃が上昇すると10年後には17.2万円になります。こちらの方が現実になる可能性が高いと思います。

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当初 10年後 増加額
持ち家
(金利が1%から2%に上昇)
14.1万円 16.6万円 +2.5万円
賃貸
(家賃が年2%上昇)
14.1万円 17.2万円 +3.1万円

※借入5,000万円・35年・元利均等返済で試算。家賃は当初の返済額と同額からスタートした場合

持ち家は「金利が2倍になる」という極端なシナリオ、賃貸は「年2%」という現実的なシナリオとしています。それでも10年後には賃貸のほうが月6,400円高くなるという結果です。

しかも持ち家では、返済額のうち元本部分が資産として積み上がっていきます。同じ金額を払っていても手元に残るものがあります。

③売却益に税金がかからない強力な税制優遇

賃貸では、35年間家賃を払い続けても、最後に手元に残るものはありません。持ち家であれば、売却によって投じた資金を回収できます。

しかも自宅マンションの売却益には3,000万円の特別控除という強力な税制優遇があります。5,000万円で買ったマンションが仮に7,500万円で売れても、売却益2,500万円は控除内に収まり、税金は一切かかりません。この控除は3年に1回のペースで、何度でも使えます。

2,500万円も利益があって税金ゼロなんですか?

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その通りです。これ、仮に給与収入で2,500万円だったら約1,000万円税金や社会保険料で取られてしまうんですよね

私はこの税制優遇の恩恵もあり、これまでの売買サイクルで資産を積み上げてきました。3,000万円特別控除の詳しい仕組みは、こちらの記事で解説しています。

【売買ノウハウ④】マンション売却で“税金ゼロ”は本当に可能?3,000万円譲渡所得控除の条件を実例で解説【キウイ不動産】


経済的に有利な持ち家の選び方

ここまでで「持ち家の優位性」をお伝えしましたが、それはどんな物件を買ってもいい話ではありません。私が近年感じる新築マンションの販売価格の変化についてお伝えします。従来の物件選びの常識と違う、私以外の方からはあまり発信されていない内容だと思います。

重要なのは「購入価格と将来価格の差」

マンション選びでは「駅近を買え」「立地がすべて」とよく言われます。駅近物件の資産性が高いこと自体は事実です。ただ、ここに近年では落とし穴があると考えています。

「駅近は資産価値が高い」という知識はすでに広く浸透し、われわれ購入者側だけでなくデベロッパー側も当然認識しています。そして将来の資産価値の期待は、新築価格に織り込み済みのケースが増えてきました。

駅近なら、多少高くても買っていいと思っていました

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駅近でも高値で掴めば損をします。大事なのは立地そのものではなく、購入価格と将来価格の差です

「申し込みが殺到して抽選で10倍、20倍になった」こんな新築マンションは即完売しますが、デベロッパー側からするとこれは成功と言えるでしょうか?「もっと高くても売れたのでは?」「次の似たような物件はもっと高く売ろう」当然こうなっていきます。

2026年8月現在、即完売、大抽選会になるような物件が少なくなってきました。デベロッパーがどこまで値を上げても売れるのか、その調整が終わりつつある段階になったと私は感じています。

駅近のタワーマンションなら間違いないという常識から、一歩引いて冷静に見ていく時代になっていることをお伝えします。

ここで“資産価値が高い”というワードの説明をしましょう。購入した価格から値下りしにくい、値上りも期待できることを指します。売却時の価格が高いことだけを意味しません。
  • A;購入価格8,000万円、10年後の売却価格7,000万円
  • B;購入価格5,000万円、10年後の売却価格5,500万円
皆さんならどちらを買いたいでしょうか?経済的なことで言えばBだと思います。“資産価値が高い=将来の売却価格が高い”と考えてしまうと、Aを選んでしまうことに繋がります。

本当に見るべきなのは、立地そのものではありません。購入価格に対して売却価格がプラスになるか、マイナスでも下落幅が小さいか——経済的に有利な持ち家を選ぶシンプルな考え方です。

過去10年は相場全体が上昇したため、高値で買っても結果的に売却益を取れました。しかし相場が横ばいになれば、高値で買った分だけ下落するリスクがあります。

販売価格の適正度をどう判断するか

では「割高か割安か」はどう判断すればいいのでしょうか。私が主に見ているのは次の3点です。

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比較対象 見るポイント
周辺の中古相場 同じ駅・同じ徒歩分数の中古がいくらで成約しているか
階数ごとの価格差 価格差が大きければ低層階、小さければ高層階がお買い得
値引き販売物件 竣工後まで販売が継続している物件は値引きの可能性あり
個別物件ごとの割安・割高は、私も含めたスムラボやスムログブロガーの記事を参考にしたり、個別相談をしてみてはいかがでしょうか。デベロッパー側に忖度することなく、記事では書けないこともアドバイスしてもらえると思いますよ。私は4回の購入と3回の売却を経験して、日常的に新築マンション情報に接していると肌感覚のように「割高」「割安」が分かるようになっていきました。

今から5年前、10年前では、HARUMI FLAGやパークタワー勝どき ミッド/サウスなど都心湾岸物件を中心に「買えればすぐに数千万円の含み益になる」と感じたものです。ただし最近では新築価格が高騰しすぎて「これはさすがに高すぎる」と思う物件のほうが増えてしまったのは残念ですね。

最近で“資産価値が高い”と私が判断して皆さまに一つご紹介するならTHE TOYOMI TOWER MARINE&SKYです。

掲示板;ザ・豊海タワー マリン&スカイってどうですか?


【豊海タワー】THE TOYOMI TOWER MARINE&SKY 案内会訪問レビュー|価格・眺望・資産価値を検証【キウイ不動産】


固定費と総戸数は「将来の売りやすさ」に影響する

物件価格だけでなく、管理費・修繕積立金といった固定費(ランニングコスト)にも注意してください。私が目安にしている単価は次のとおりです。

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項目 目安
管理費 ㎡あたり月300円以下が標準、500円超は高め
修繕積立金 新築時は㎡あたり月100〜200円、将来400〜500円まで上がることも想定しておく
総戸数 100戸以上なら将来的にも安定しやすい。30戸以下は1戸あたりの負担が重く急増するリスクあり
70㎡の物件なら、新築時に月2万円程度だった固定費が、20年後には月5万円近くになることも珍しくありません。新築ではなく中古で購入しようとする人は少しでも安くお得に買いたいと思ってコスト意識が高いものです。毎月かかる固定費を住宅ローン返済額と合計して、購入するか見送るかを判断します。タワーマンションのように共用施設が充実した物件は魅力的ですが、維持コストは最終的に居住者の負担として返ってくることを忘れないでください。

管理費・修繕積立金の考え方は、こちらの記事で詳しく書いています。近年は物件価格だけでなく固定費の高騰も顕著になっており、注意すべきポイントになっていることをお伝えします。

【売買ノウハウ③】管理費もったいない?ここ7年で30%値上り新築マンション選びにも影響か【キウイ不動産】


間取りは「自分の好み」より「将来の買い手」

最後に間取りです。ここでも判断基準は売却時にあります。需要の大きいゾーンを外さないことが重要です。
  • 3LDK 70㎡前後:ファミリー需要のボリュームゾーン
  • 2LDK 50~60㎡:DINKS・シングル需要を取り込める
  • 田の字プラン:オーソドックスで誰もが満足しやすい(三角形や台形などの変形間取りは避ける)
極端に細長い専有部や、窓のない居室が多い間取り、40㎡未満の1LDKや80㎡以上の4LDKは避けたほうが無難です。「自分が住みたい部屋」と「将来売りやすい部屋」は必ずしも一致しません。

私が新築マンションの売買を繰り返して思うこと

私はこれまで新築マンションを4回買って3回売ってきました。そんな私も新卒で就職してから約15年は賃貸物件に住んでいました。賃貸なら毎月の家賃はそのまま消えていきます。持ち家であればローン返済の元本部分が資産として積み上がり、さらに値上がり益も狙えます。この売買サイクルで実感したのは、良い新築マンションを買って住む、これを繰り返すと儲かる投資になるという感覚でした。

投資と言っても、リスクはないんですか?

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もちろんゼロではありません。だからこそ判断材料が大事になります

物件選びを間違えれば損失も出ます。買ってはいけない高すぎる物件があるのも事実です。だからこそ、ここまでお伝えしてきた「購入価格と将来価格の差」を見る目が必要になります。

そして買うときの見極め方と同じくらい、売るときの進め方も手残り額を左右します。どんなに良い物件を選んでも、売り方を間違えれば数百万円単位で損をします。いま住んでいる物件の売却を考えている方は、こちらもあわせてご覧ください。

マンション売却で「囲い込み」を避けたい人が最初に知っておくべき判断軸(キウイ不動産ブログ)

まとめ ─ 賃貸も合理的、ただし知識があれば持ち家が強い

「賃貸が無難」という主張は間違っていません。転勤が多い方、住む地域がまだ定まらない方、住宅補助が手厚い方は、賃貸が向いていると思います。

一方で「購入価格と将来価格の差」を見抜き、売却時まで想定できる方にとって、持ち家は強力な資産形成の手段になります。住宅ローンというレバレッジ、インフレヘッジ、3,000万円特別控除——これらは賃貸にはない持ち家の優位性です。

「経済的に有利な持ち家を選べる人は稀」——たしかに選び方を知らずに買えば、有利な物件に当たる確率は低いでしょう。「駅近なら資産価値が高い」という刷り込みのまま買えば、なおさらです。

とはいえ、今の時代は情報を得て数字で比較することができますし、誰でも学べます。物件を見る目を持とうとすること自体が、すでに「稀」の側に入る一歩になります。

まとめ


  • 「賃貸が無難」と言われるのは、持ち家全体を平均すれば損をする人が多いから
  • 持ち家にはレバレッジ・インフレヘッジ・税制優遇という3つの優位点がある
  • 賃貸の値上げは法的には拒否できるが、長期的なインフレは避けられない
  • 大事なのは駅近かどうかではなく「購入価格と将来価格の差」
  • 駅近の資産価値の高さはすでに新築価格に織り込まれており、逆に割高になっていることに注意する
  • 知識があれば、持ち家は資産形成の手段になる
 

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この記事が皆さまのご参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

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