都心回帰が鮮明に|名古屋にもマンション文化が根付き始めたか【後半】

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ステキな生活はステキな住まいから。どうもスムハジメです。

前半のスムハジメブログでは、2025年国勢調査速報のデータをもとに、名古屋人の価値観がどのように変わり、都心への人口集中が起きたかをお伝えしました。

まだ前半を読んでいない方はぜひこちらからどうぞ。

 

前半はコチラ

 

後半では、その「都心回帰」の結果として名古屋のマンション市場に何が起きたのかを掘り下げていきます。

特に今回お伝えしたいのが、「投資家の少ない名古屋マーケットの中でマンション価格が高くなったのは建築費のせいだけではない」という話です。

これ、実はかなり重要なポイントです。順を追って説明します。





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人口が増えたエリアの「共通点」

前半でお伝えした区別人口増減のデータ、もう一度見てみましょう。
増減率 路線・エリアの特徴
中区 +15.6% 栄・丸の内・大須。名城線・鶴舞線が通る純粋な都心
東区 +7.4% 桜通線沿線。久屋大通・高岳・車道エリア
千種区 +4.6% 東山線・桜通線沿線。今池・覚王山・池下エリア
中村区 +5.2% 名古屋駅〜丸の内。東山線・桜通線の起点エリア
西区 +1.4% 名古屋駅北側。浄心・亀島エリア
※総務省統計局「令和7年国勢調査 人口速報集計」より



この表を見て気づくことがあります。

人口が増えているエリアは全て、名古屋の基幹路線である東山線・桜通線の沿線、もしくは名古屋駅・栄エリアの都心周辺に位置しています。

※一応、県外の方向けに補足しておきますが・・・中区は栄・錦・丸の内という名古屋の真の都心。東区は桜通線が貫く久屋大通〜高岳〜車道ライン。千種区は東山線・桜通線という2路線が走る今池から池下・覚王山という名古屋人なら誰もが知る人気沿線。中村区・西区は名古屋駅から国際センター、丸の内にかけてのエリアです。

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一方で人口が減っているのは、名東区・天白区・守山区・北区・港区といった車前提の生活が必要なエリアです。

これは偶然ではありません。前半でお伝えした「車を手放す→車なしで生活できる場所を選ぶ→駅近・都心へ」という流れが、路線別・エリア別にそのまま数字として現れているのです。

利便性の高い地下鉄の沿線が選ばれ、それ以外が選ばれなくなっている。名古屋のマンション需要を語る上で、この鉄道軸の視点は外せません。




都心には戸建てが建てられない

次に重要な構造的な話をします。

前半で触れた「都心回帰」—中区・東区・千種区に人が集まる流れが生まれたとして、都心に戸建ては建てられるのか?

答えは、事実上「No」です。

名古屋市中区・東区の住宅地公示地価は坪200〜400万円超の水準が珍しくありません。栄・錦エリアの商業地に至っては坪700万円近いエリアも存在します。こういった場所に一般的な戸建て用地(30〜40坪)を確保しようとすると、土地代だけで1億円近くかかります。

加えて都心の区画は細かく、接道条件も複雑です。まとまった広さの戸建て用地が市場に出てくること自体、ほぼありません。

都心に住みたい人が増えたとき、選択肢はマンション一択になる。

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このシンプルな構造が、名古屋のマンション需要を底で支えています。価値観が変わり、都心を選ぶ人が増えた。でも都心に戸建ては買えない。だからマンションに流れるしかない




三重苦の価格上昇メカニズム

ではなぜマンション価格がここまで上がったのか。

よく言われるのが「建築費の高騰」です。確かに事実です。資材価格の上昇・職人不足・円安などの影響で、マンションの建築費は過去数年で劇的に跳ね上がりました。業界内では坪250万円が建築費のボトムラインというのが肌感として広まっています。土地代を除いても、70㎡の住戸を作るだけで約5,300万円かかる計算です。

建物物価建築費指数

※建物物価建築費指数|一般財団法人建物物価調査会より引用


でも、ここで一つ考えてほしいのです。

 

建築費だけが理由なら、ただ高いマンションは売れなくないですか?

 

供給側がコストを乗せて価格を高くしても、それを買う人がいなければ市場は成立しません。どれだけ原価が上がっても、買い手がいなければ在庫になるだけです。

 

でも現実はどうか。名古屋の都心部では坪500万円・600万円超の物件が成約しています。一部のプロジェクトではアンダー(事前案内)段階で申込みが殺到しています。

【最速】価値観変わる―都心の新ランドマークタワー『グランドメゾン栄ザタワー』の考察【スムハジメ】



これは「高くても買う人がいる」・・・つまり需要が実在しているということです。

名古屋のマンション価格上昇は、建築費という「供給コストの上昇」だけでは説明できません。需要の増加が同時に起きているから価格が上がっているのです。

整理するとこういうことです。

要因 内容
① 土地価格の上昇 都心エリアへの需要集中で都心部の地価が上昇。仕入れコストが上がる
② 建築費の上昇 資材・人件費の高騰。土地代ゼロでも70㎡で約5,300万円の建築費
③ 需要の増加 都心回帰・小世帯化・資産形成意識の高まりでマンションを選ぶ人が増加。高くても買い手がいる
この3つが同時に起きているから、価格が上がり続けているのです。三重苦、です。

そしてこの三重苦の中で特に重要なのが③—需要の増加です。なぜなら、これがなければ①②だけでは価格は上がらないからです。売り手が値上げしても、買い手がいなければ価格は下がります。今の名古屋で価格が上がり続けているのは、それだけ本気でマンションを求めている人が増えたからに他なりません。




名古屋のマンション価格帯が変わってきた

ここで少し、価格の話を具体的にしましょう。

スムハジメが名古屋のマンション市場を見続けてきた中で、明らかに変わったと感じることがあります。それは「買う人の価格帯の認識」です。

ひと昔前の名古屋の新築マンション市場は、3,000〜5,000万円が主戦場でした。この価格帯が「普通の新築マンション」の相場感として定着していた。それより高いと「高すぎる」と敬遠され、売れ残りのリスクが高まる——そういう空気がありました。



それが今では様相が変わっています。都心近接エリアの新築では6,000〜8,000万円というレンジが当たり前になってきました。以前なら「そんな値段では名古屋では売れない」と言われたはずの価格帯が、今や普通に成約しています。

 

なぜこれが成立するのか。

 

前半でお伝えした通り、世帯数の増加・小世帯化の進行により、一定の購買力を持つ世帯が都心近接エリアに増えたからです。加えて「今買わないともっと高くなる」という資産形成意識が購買行動を後押しし、「多少高くても都心の良い物件を買っておく」という判断が広がっています。

2025年国勢調査速報が示す都心への人口・世帯の集中は、まさにこの価格帯変容の需要サイドの根拠です。




名古屋市場の本質は「実需」にある

ここで、名古屋市場の非常に重要な特性についてお伝えしたいと思います。

東京・大阪のマンション市場、特に都心の高価格帯物件には海外・国内の投資家やインバウンド需要が大量に流入してきました。品川・港区などの一部エリアでは、こうした投資目的の購入が価格を押し上げ、結果として実需層が手を出しにくい水準まで上昇した経緯があります。

そして今、その一部エリアでは竣工後に中古として売りに出される「出口物件」がダブつき始め、踊り場を迎えているエリアも見られます。投資目的で買った人が売り抜けようとすると、当然それだけ売り物件が増える。需給が崩れ始めるわけです。

データで見る不動産市況~なぜ名古屋の不動産はそこまで値上がってないのか~【スムハジメ】



では名古屋はどうか。

スムハジメの現場感覚では、名古屋の都心マンション市場は圧倒的に「実需」で構成されています。

 

竣工したばかりの新築タワーマンションの中古流通を見ていると、即転売の数が非常に少ない。「買ってすぐ売る」という動きがほとんど見られないのです。そもそも中古市場全体を見渡しても、都心タワーの売出物件はそこまで多くなく、年々減少傾向に見られます。

 

これは何を意味するか。当たり前ですが・・・

住むために買った人が、住み続けているということです笑

 

投資目的の短期転売が少なく、実需で買った人がそのまま保有している。これが名古屋の都心マンション市場の本質です。

 

東京・大阪と名古屋の市場の質の違いを一言で言えば、「投資マネーで膨らんだ市場か、実需で積み上がった市場か」の違いです。実需で支えられている市場は、投資マネーの引き上げによる急落リスクが低く、価格の安定性が高い。これは購入を検討されている方にとって、非常に重要な視点です。




エリア別に見る「二極化」の現実

今回の国勢調査速報で特に印象的なのは、都心と郊外の二極化がくっきりと出たことです。
人口増減率 世帯増減率
中区 +15.6% +18.4%
東区 +7.4% +11.6%
千種区 +4.6% +12.0%
中村区 +5.2% +10.2%
守山区 ▲0.2% +4.5%
名東区 ▲1.7% +2.9%
天白区 ▲1.5% +1.0%
北区 ▲1.7% +2.3%
中川区 ▲2.0% +2.5%
港区 ▲7.6% ▲4.3%
※総務省統計局「令和7年国勢調査 人口速報集計」より

名古屋市|令和7年国勢調査速報

中区・東区・千種区・中村区は人口も世帯数も増加。一方で港区は人口だけでなく世帯数まで減少(▲4.3%) しています。人口が減っても小世帯化で世帯数が増えるエリアが多い中、世帯数まで減っているのは「エリアから人が出て行っている」深刻なサインです。

誤解のないように申し上げると、郊外エリアが「悪い」わけではありません。学区の評判が高いエリアも多く、子育て世帯には依然として魅力があります。ただし不動産の資産価値という観点では、都心との格差が広がりつつあるのは事実です。




今後の展望―供給が細り、需要は強くなる

では今後、名古屋のマンション市場はどう動くか。

スムハジメの見立てをお伝えします。




供給サイド:良い物件は減っていく

建築費の高止まりにより、デベロッパーが都心でマンションを作ること自体のハードルが上がり続けています。土地の仕入れ競争も激しく、まとまった好立地の用地はすでに希少になっています。

加えて先ほど触れた通り、都心タワーの中古売出物件も多くない。新築供給も細り、中古の出物も少ない—つまり市場に出てくる「良い物件」の絶対数が減っていく方向にあります。




需要サイド:都心回帰の流れはさらに強まる

今回の国勢調査速報が示した都心部への人口集中は、今後も続くとスムハジメは見ています。車を持たない世代が増え、地下鉄線沿線への需要はさらに高まっていくでしょう。小世帯化の進行も止まらない。マンションを選ぶ構造的な理由は年々積み上がっています。




結論:需要増×供給減で、良い物件の価値は上がっていく

供給が細り、需要が強くなっていく。この需給の構造が続く限り、都心近接エリアの良質なマンションの価値は上昇方向に向かうとスムハジメは考えています。

「もう少し待てば下がるかも」—この判断が今の名古屋都心では通用しにくいのは、まさにこの構造があるからです。

もちろん経済環境の急変や金利上昇など、外部要因による調整は常にあり得ます。ただ少なくとも名古屋の実需に裏打ちされた都心マンション需要の底堅さは、東京・大阪の投資マネー主導の市場とは異なる安定性を持っているとスムハジメは見ています。




おわりに

2025年国勢調査速報という一枚の数字の裏に、これだけのストーリーが隠れています。

中区+15.6%、港区▲7.6%。

この対比は単なる人口増減の話ではありません。名古屋という街が「戸建て・車・郊外」から「マンション・電車・都心」へとゆっくり、しかし確実にシフトしていることを示す、歴史的な転換点の記録です。

 

地下鉄沿線に人が集まり、車前提のエリアから人が流出していく。実需で買った人が住み続け、売出物件数が減り良い物件の供給は細っていく。

この流れは、外部の投資マネーに左右されない、名古屋独自のマンション市場の成熟を意味しているとスムハジメは見ています。

 

「名古屋人は戸建て好きだからマンションは売れないし、上がらない。」

 

この言葉は、もう過去のものになりつつあります。

2025年国勢調査速報を見て、スムハジメは確信に近いものを感じています。

 

名古屋にも、いよいよ本格的なマンション文化が根付き始めた。

今後もスムハジメは名古屋のマンション市場を追い続けます。次回のブログでまたお会いしましょう。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

ステキな生活はステキな住まいから。

どうもスムハジメでした。

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スムハジメ|名古屋マンションガイド 名古屋の会員制高級不動産専門店|幸せ富動産代表取締役 元住友不動産 | 全国NO.1売上達成 | 社内最年少管理職 東海圏で主に居住用不動産を紹介しています。 3,000万円台〜1億円超まで、ひとりひとりの住まい探しを応援しております。※ブログ記事・SNS等については過去所属団体と関係はありません。個人のものとなります。
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