第15話 マンション購入を目指すカップルがやるべき「2ヶ月に1度」の儀式【Weekendクリスティーヌ】

ハロー!住む場所は人生を豊かにする、がモットーのクリスティーヌです。

住宅を初めて買う世帯を国は「一次取得者」と呼んでいます。2 回目以上の世帯は二次取得者です。クリスティーヌは今まで5軒買っているので、次に買う時は「六次取得者」となるのかしら、マンションマニアさんは10軒買っているため、次に買う時は「十一次取得者」となるのでしょうか!!!と思ったのですが、三次取得者、四次取得者という言葉はなく、国土交通省の定義としては、住宅取得が2回目以上の世帯はすべからく二次取得者となるとのことです。

マンション購入を目指すカップルがやるべき「2ヶ月に1度」の儀式

住宅購入は複数回する時代に

いずれにせよ、価格高騰の今、一次取得者にとっては「最初の一歩」が難しい状況です。

一方、パワーカップルと呼ばれる高年収の夫婦が2人とも働いていれば「2馬力」となり、低金利の今、年収によっては2人で1億円も貸してくれる銀行もあるそうです。仮に1億円を利息0.8%で35年ローンを組むと、月々の支払いは273,061円です。このうち初月の利息分は66,667円でこれは返済が進むと共に少なくなっていきます。

35年、仮に同じ金利だとすると、1億円に対して支払う金利の合計は1千400万円以上(正確には14,685,594円)です。(今は空前の低金利と言われており、実際は変動金利なら利率が上がり、支払い金利の総額も高くなることが予想されます。)

ただ「マイホームは一生に一度」と考えていた昭和の世代と違って、最近はマンションを買い替え前提で購入する人が増えているため、ローン完済を見据えた総支払い金利の額はあまり意味をなさないのです。

一次取得者、二次取得者という言葉を国が使う背景として、「住み替え」を推進する国の施策があります。それに現実的にも、マンション市場においては、新築マンションのモデルルームに来るのは、初めてマンションを購入する人ばかりではありません。(ただ統計的に、新築マンションを購入者の中で、初めて購入する一次取得者が一番多いことは事実です。)

夢のような価格の高級マンションが売り出される際には、一般に告知する前に、上得意客、つまり「すでにマンションを何度も購入している人」に対して、個別にアプローチをかけるケースも多々あるようです(遠い世界の話です・・・)。

そんな様子からも、住宅購入は、一次、二次と、人生において複数行うことが前提であるかのような時代になりつつある、いや、もうなっているのではないかとすら思えます。

ただ、繰り返しになってしまいますが、その最初の一歩を踏み出すことは、そんなに容易ではありません。クリスティーヌ自身も、自分がマンションを購入することになるなんて、20代の頃は、まったく思っていませんでした。

23歳のキャサリーンの行動力に圧倒されていたクリスティーヌ

一軒目のマンション購入は、早くしたほうがいいと言われています。若いうちに借りて、ローンを返していけば、次の展開が開けてくる。・・・クリスティーヌも、そう思います。

今でこそスムラボに寄稿するようになり、新たなマンションの購入を見据えて時々モデルルームにも出かけているクリスティーヌですが、マンションを初めて購入する前は、

「マンションを購入する人は、自分とはまったくタイプの違う、堅実なしっかりした人」

であると心から思っていました。


実際、いたんですよ、大学卒業してまもなく新築マンションを買った女性が、とても身近に・・・。新卒で入った会社の同期です。

23歳で、すでにおつきあいしていた彼氏と婚約し、結婚してすぐに新築マンションも購入した彼女の名前はキャサリーン(仮名)といいます。キャサリーンは親しみやすいキャラクターで同期の中でも知られており、笑顔が可愛く、いつも「クリスティーヌさ〜ん」と廊下で笑いながら話しかけてくれました。入社した時から「彼がいるの」と聞いていて、「結婚するの」と、くりくりっとした瞳で彼女が言うと、ちっとも自慢げに聞こえないのが不思議でした。

そんなキャサリーンから新築マンション購入計画について聞いたのは、たしか入社1年目の終わりぐらいか2年目になる頃だったように記憶しています。

当時は会社からは乗り継ぎを何回かしなくてはいけない駅でしたが、新築マンションを見つけて、キャサリーンは、

「今、彼も私も賃貸住まいだから、2人分の家賃を払うのはもったいない」

と、早々に新築マンションの購入を決めてきたのです。

今振り返って考えるに、ちょうど彼女が申し込みをし、手付金を払った後だったのではないかと推測します。

「入居できるのは2年後よ」

と、輝く笑顔で教えてくれたキャサリーンに、「そんな先まで会社にいるなんて考えられない」とツッコミたい気持ちをグッと飲み込みました。

マンションの場所は、会社から、ちょっと離れた駅でした。けれど、人生計画がしっかりしているキャサリーンは、将来変わるだろう路線図にしっかり基づいて、マンションの立地を選んでいたのです。

「何年か先に路線が拡充する予定があって、会社の近くの駅まで直通になるから、そうなったら通勤も便利。それまでしばらくは乗り換えはめんどくさくて不便するけれど、マンション買うなら今かと思って。いいと思う新築マンションは、なかなかないから、見つけた今が買い時かと思うの」

と事細かに教えてくれた時の、キャサリーンの幸せそうな、そしてしっかり者らしい瞳を、今でも覚えています。

「それに、私は子どもができてもずっと働くから、会社まで一本で来られた方がいいの。子育ては大変だから」

とキャサリーン。

「2年後のマンションかあ、永遠に先の話みたい・・・。なんて返答したらいいかわからないよぉ」と心の中でつぶやきながらも、「そうなんだ、すごいね」と称賛の言葉を口にしたクリスティーヌは、おそらく他人から見れば微妙な表情をしていたに違いありません。

さらに当時、結婚からもほど遠かったクリスティーヌは、

「これから苗字が◯◯に変わります」

と会社で宣言した時の、キャサリーンのはち切れんばかりの笑顔を

「マンション購入を機に結婚。すごいなあ、私には、そんな生き方はできないなあ・・・」

などと思いながら、ただただまぶしい目で眺めていたのでした。

あの頃は「結婚=堅実な生き方」、「マンション購入=自分の居場所を決めた人だけに許される人生設計」と心から思っていたのです。

クリスティーヌ家の儀式

そんなクリスティーヌですが、20代の時には想像もしていなかったことに、今や「5次取得者(正確にはこの言葉はないけど。笑)」となりました。これは、たまたま相場の波に乗れたからだと思うため、今、その経験談はあまり役立つものとは思えませんが、たったひとつ、これからマンションを購入しようという人、特にカップルにこれだけはお伝えしたい、ということがあります。

これは相場がキツかろうが、どうだろうが、いつの時代も変わらない、普遍的なことかと思います。

それは・・・・

マンションを購入するようになって初めてやるようになったことなのですが、

「2人の銀行残高(とそれに準じた金融資産)を、2ヶ月に1度、エクセルに書き出す」

ということです。

ズボラなクリスティーヌは、1ヶ月に1度やるのは難しいのですが、どちらかというと堅実派である夫と共に、2ヶ月に一度、間が空いたとしても少なくとも3ヶ月に1度は、エクセルを起動させ、数字を入れています。

これをやろうと思ったのは、頭金をどれだけ出せるかを把握しておきたいというのがきっかけでした。またこれは、頭金を支払った後、果たしてどのぐらい現金を確保できるか、チェックするのにも役立っています。

考え方としては、2人のお金を合わせてどのぐらいを頭金に回せるのかを割り出したら、借りられるローンの額を前年度の年収から割り出し、「頭金の額+借りられるローンの額」を表示させることで、「次に買うマンションはいくらまでのものを買えそうか」という数字を特定します。

結婚してもお財布は別々の人は多いと思いますし、夫婦でも、それぞれの金融資産をお互いに隠しておきたい人たちもいるとは思うのですが、本気でマンションを買おうと思ったら、お互いに隠しごとなく、すべてをさらけ出すことが必要かと思っています。

お金の話って、普通に生活している上には、会話に登場することは「意外とない」のではないでしょうか。

クリスティーヌも、マンションを購入する以前は、たとえ結婚相手であろうと、「あなたの貯金はどのぐらい?」などと自分から聞くのはどうだろう・・・みたいに思っていました。

でも、一次、二次・・・と「取得者」としての段階が上がって?いる今は、ごくごく普通に、「さーあ、夕ご飯終わったから、今あるお金をチェックしようか」みたいに、食卓で彼と話ができるようになりました。

これは、ちょっと想像すると一見、カップルとしてはドギツイ会話ではありますが、まあ2ヶ月に1度のペースで訪れる「人生の儀式」みたいなものです。やってみると、ちっともギラついた感じではなく、むしろ、ああクリアできてスッキリした、という感覚です。

またちょっと真面目な話、「お互いの貯金などのありかを確認できていたら、何か不測の事態が起こっても、慌てて家の中で貯金通帳を探し回ったりすることもないから、よかった」と思っています。

そこで!!!!

これからマンションを購入したいカップルや、マンションを買い換えたいと思っているカップルの方には、ぜひ、そんな時間を定期的に持っていただき、自分たちの予算にあったマンションにたどり着いてもらいたいと思っています。

一次取得者と二次取得者、統計より

さて。

国は、初めて住宅を取得した世帯である一次取得者と、2回目以上の取得となる世帯である二次取得者を区分して、それぞれの統計を出しています。それを知ったからといって、厳しい現在の市況に打ち勝てるわけではありませんが、今年(2021年)3月に最新の調査結果が公表されているので、お伝えいたします。(以下すべて国土交通省住宅局「調べ)

(以下のグラフにある「分譲マンション」は「新築マンション」と同じ意味で使われている言葉です。)

居住人数

新築マンションを購入する人は、2人で入居をしようという人が一番多い(30.9%)ことがわかります。続いて4人世帯(29.1%)、3人世帯(28.7%)であり、DINKSまたはファミリーが約9割(88.7%)を占めています。

住宅種類別の居住人数


世帯主の年齢

新築マンションを初めて購入する人の中で、一番多い割合を占めるのは30代です。つまり会社に入って約10年経過し、それなりに所得も上がってきた人が「そろそろマンション購入を」と考えたと思われます。

新築マンションを初めて購入する人の平均年齢は、39.3歳であるのに対して、2回目以降に取得する二次取得者の平均年齢は57.7歳です。これは、スムラボの読者の方からすると「60歳手前で初めて買い換えるなんて遅すぎる」と考えるのではないでしょうか。全国を対象とした統計なので、こうした数字となったと思われますが、今後、「住みながら投資」「10年ぐらい経ったら買い替え」が盛んになれば、統計も変わってくるでしょう。

一次取得・二次取得別の世帯主の年齢


 

世帯年収

新築マンションを初めて購入する人たちの世帯年収を見ると、600~800万円未満が25.9%と最多です。ほかは、400〜600万円未満が13.2%、800〜1000万円未満が18.5%、1000〜1200万円未満が12.7%、1200〜1500万円未満が9.3%と、割合に大きな差はありません。

 

一次取得・二次取得別の世帯年収


 

購入資金

新築マンションを初めて買う世帯の「平均的な購入資金」は、借入金:3,269万円に対して自己資金1,124万円で、自己資金比率は25.6%です。

一方で二次取得者の場合、借入金:2,245万円に対して自己資金3,294万円で、自己資金比率は59.5%であり、自己資金が借入金を上回っています。これは、住宅ローンの返済が進んだことで自己資金が増えた、というのが素直な見方かと思います。

一次取得・二次取得別の購入資金


 

まとめ。クリスティーヌ の想い。とおまけの話

今回はちょっぴり思い切って、お金の話題でした。でも、マンション購入には避けて通れない話です。

1人(独身)なら、自分の貯金を把握している人がほとんどだと思いますが、カップルだと必ずしもそうではないケースもきっとありますよね。実際クリスティーヌも以前は彼の貯金を定期的にチェックするなんて考えもしませんでした。

でも今は、この儀式(笑)を行うたびに、「さあ、次はどこの街に住んでみようか」と、前向きな気持ちになり、人生の夢について彼と話し合ったりしています。

・・・最後まで読んでくださったお礼(?)に、少し前に、マンション探訪で見つけた、とっておきの餃子のお店を紹介します。

どうでしょう、外はカリッ、皮はもちもち、中身はジュワーっ、と写真からも伝わってきませんか?

いかにも下町の中華という、ご家族で経営されている「一兆」というお店は、台東区下谷にあります。近くには、「リビオレゾン上野根岸」があります。


一兆 食べログはこちら

 

・・・皆さまのWeekendが、素敵な時間でありますように。住む場所は人生を豊かにする、がモットーの、クリスティーヌより愛をこめて

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東京生まれ、東京育ち、たまに海外。趣味は料理。保有不動産は、マンションや戸建のほか、賃貸用の店舗が1軒、駐車場が1箇所。一部友人や夫からは呆れ気味に「不動産屋さん」と呼ばれています(笑)。

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